『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』は、「タイムアタックが史上最高に楽しい」とソニックRTA勢も太鼓判。操作性と攻略自由度が壊した“玄人遊びの壁”

『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』は、RTA走者的にも熱いらしい。操作性と攻略自由度が壊した“玄人遊びの壁”。話を訊いた。

セガは10月25日、『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』を発売した。対応プラットフォームは、PS5/PS4/PC(Steam/Epic Gamesストア)/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One。

『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』は、『ソニック』シリーズ最新作だ。本作は、2011年発売の『ソニック ジェネレーションズ』のリマスター版に加え、シャドウを主人公とする完全新作『シャドウ ジェネレーションズ』が収録された作品だ。タイムイーターと呼ばれる謎のバケモノによって生み出された時空の歪みにより、ソニックとシャドウそれぞれの物語が動き出す。


メタスコアは80を記録し、Steamでも高い評価を叩き出すなど、上々の評価を叩き出している本作。間口が広く楽しいと評価されているが、RTA(リアルタイムアタック)をするほどのガチ勢でも本作を楽しめるのか?近年の『ソニック』シリーズのRTAに挑み続けているひざ丸氏に同作を遊んでもらい、感想を訊いてみた。あわせてRTA動画も提供してもらっている。

──自己紹介をお願いします。

ひざ丸:
ひざ丸といいます!ソニックファン歴は18年くらいです!プレイヤー遍歴としては、『ソニックアドベンチャー2』に出会ってから、10作品以上は3Dソニックのゲームを遊んできました。

過去最高にタイムアタックが楽しい

──ひざ丸さんはRTA走者としても活躍されていますよね。その実績を教えてください。

ひざ丸:
『ソニックカラーズアルティメット』では、Any%ルールで世界4位の記録があります!『ソニックフロンティア』では、電脳空間チャレンジ オールステージのルールで世界6位です!RTA in Japanでも定期的に走者として参加しております。

──ひざ丸さんに『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』をプレイしていただきました。正直なところ、どう感じましたか?

ひざ丸:
とても良い作品だと思いました。音楽、映像、演出、レベルデザインどれも、とてもよかったです!ちなみに全クリしており、現時点で27時間遊んでいます。

──なるほど。「シャドウ ジェネレーションズ」について、具体的にどの点を評価されたのかを教えてください。

ひざ丸:
結論からいうと、「遊ぶアクション映画」みたいでしたね。ムービーだけではなく、ステージを遊んでいる最中の演出も派手で楽しかったです。映像美も相まって迫力や臨場感があり、音楽も最高だったのでアクション映画の中で遊んでいるようでした。難易度がかなり易しめで操作性も良く、お手軽に気持ちよくさせてくれる親切なレベルデザインで良かったです。プレイ中も、立ち往生しない作りになっているので、常に動き続ける映画のアクションシーンを切り取ってプレイしている感じがしてよかったです。


操作性とルートの多彩さがもたらす楽しみ

──『ソニック』シリーズ、特にモダンソニックは「遊ぶアクション映画」のような作りではあります。それとはまた異なりますか?

ひざ丸:
今作は操作性が良く、それによって動きたいように動かせるのが違いというか、評価点です。アクションが元々得意な方なら、特に苦戦せずにエンディングまで到達できる難易度でした。スピード感を感じさせながら、ここまで難易度を易しく設定できているのはすごいなと。ほか、ステージ中の演出がより迫力あるものになっていたり、操作不要時間のカメラワークが良かったりと、過去作よりも順当に進化しています。

──単に操作が簡単というより、スピードの速い展開を残しつつ、操作を易しくしていると。

ひざ丸:
そうなんです。やはりスピードが速いとどうしても独特の慣性に慣れが必要だったりしますし。過去作はそういう点もありましたが、今作は時代に合わせて「気持ちよさ」により配慮されている印象です。

──ひざ丸さんは、『ソニック』シリーズにおいて本作ならではの特徴はどこだと思いますか。

ひざ丸:
タイムアタックという遊び方に適しているところです!タイムアタックは玄人の遊び方と考えられていると思います。ただ、操作性が良く難易度が易しいので、幅広いユーザーが「そういう遊び方に到達しやすい。

もうひとつ、ルートのカスタマイズ性が高いことで、タイムアタックが楽しくなっています。前提として、タイムアタックは結構大変な作業なんです。タイム短縮のために基礎的な操作を上達させるのは時間がかかりますし、得られる時間短縮の幅もそこまで大きくないです。一方で、本作は選べるルートが多くて。新しいルートのアイデアが浮かべばすぐにタイムの短縮が狙えるんです。ルートの改良の余地があるほど、気軽にタイムアタックの成功体験を得られて、楽しさを感じやすいと思っています。

──ルートの自由度は、具体的にどう高いんですか?

ひざ丸:
分岐の頻度が高いんですよ。少し遠回りのルートに行っても、意外とすぐに合流して、また次の分岐を選ぶチャンスが来たりします。一度の選択が命取りにならず、高頻度で選ぶ楽しみが来るのはとても良いなと思いました。そして、分岐の頻度が高いということは、組み合わせの数も多くなるので、総合的なルートの数もかなり多いです。

さらに、ドゥームウィングという強力な滑空能力をONにすると自由度はもっと増えます。滑空によって攻略の選択肢が増えるので。そして、リングでブーストゲージが回復して、敵を倒すとカオスコントロールのエネルギーが溜まるので、時間がちょっとかかったとしても、あえてリングを取ったり敵を倒すことも必要になってきます。

カオスコントロールの発動タイミング、滑空でどこからどこまで飛ぶか、どのリングや敵でゲージを貯めるのか、その動き全てが無数のルート選びと言っていいです。それを自分でカスタマイズしていく作業が本当に楽しいです。

──具体的に分岐の多いステージは、どのくらい分岐しますか?

ひざ丸:
左右に分岐が広がるところもあれば、もっと立体的な分岐として斜め上の方に分岐が存在していたり、分岐の先にさらに分岐があったり。まったく景色が変わる分岐もあれば、同じ道の通り方が違う分岐の仕方があったり、カオスコントロール中にしか見えない光の道だったり、ドゥームウィングで新しく開拓したり。とにかく分岐のバリエーションが多いです!

──これまでの作品に比べても多いです?

ひざ丸:
ステージにもよるかもしれませんが、今までの3倍はあると思います!

──RTA走者として嬉しかった要素を教えてください。

ひざ丸:
操作性やルートは上で話したほか、セーブデータが3つまで作れるので、やり込んだデータを消さなくていいのが助かりますね(笑)

実際にどう走ったのか

──今回ひざ丸さんに実際に「シャドウ ジェネレーションズ」にていくつかコースを走ってもらい、それを動画にしてもらいました。解説していただけますか。特に見てもらいたいシーンなどを教えていただきつつ。

ひざ丸:
まずはアークAct1について。32秒に敵を2体倒して、そこから51秒で敵を3体倒すのでちょうどカオスコントロールゲージが満タンになるように調整しています。その後、ほぼ継ぎ目なくカオスコントロールで時間を止めています。最初のカオスコントロール発動から1分23秒地点まで、タイマーは1秒しか進まないようになっています。赤いリングを通っているモーション時はカオスコントロールが発動できないので、その合間に発動する工夫をしています。

──レールキャニオンACT2についても教えてください。


ひざ丸:
ここは、33秒のループの交差くらいのところでカオスコントロールを発動すると、その先のカオスコントロール中しか現れない光の道にギリギリ乗れます。光の道にいる時はカオスコントロールが終わらないので2秒くらい得できます。

──このシーン、そんなシビアなんですね。面白い。

ひざ丸:
47秒は、ジャンプとブーストだけで地形に引っかからずに進めるようになっているのが気持ちいいです。1分22秒については、敵を3体選んで倒し、ちょうどカオスコントロールが使えるように調整しています。ここも見てほしいですね。

──キングダムバレーAct1についてはどうでしょうか。

ひざ丸:
1分37秒を見てください!通常は建物の中に入るんですが、滑空で飛ばせます。2分1秒には、長距離を飛んで一直線に遠くの足場まで行きます。カオスコントロールを使うとブーストゲージが回復するので、より遠くまで飛べます。2分17秒も、建物に入らず上から突破できてしまいます。

──よりショーットカットっぽいショートカットですね。ちなみに一番決めた時気持ちよかったショートカットはどれでしたか。

ひざ丸:
さっき言った、キングダムバレーAct1の2分17秒の、建物の上に着地して回り込むところです。空中機動力の高さが気持ちいいのと、ちょうどカプセルの近くに着地出来たら楽しいです!

──ショートカットを楽しんでいるのが、映像からも伝わってきます。ちなみにリマスターされて収録された「ソニックジェネレーションズ」はどうでしたか。

ひざ丸:
かなり遊びやすくなっていました!原作も当時は『ソニック』シリーズの中でもかなり良いレベルデザインとされていましたが、より遊びやすくなりました。原作はジャンプとホーミングアタックのボタンが同じだったのですが、今回は別々になっているボタン配置も選べます。また、やはり昔のハードだとソニックが速すぎて少し早めにボタンを入力しないといけなかったのですが、現代の技術がソニックのスピードに追い付いたおかげで、とても遊びやすくなっていました。親切なガイドも増えて、より一層初めてソニックを遊ぶ人にも優しい設計になってました。

──なるほど。リマスターもまた操作性向上の恩恵を受けているんですね。ちなみに、ひざ丸さんは今作でRTAをする予定はありますか?

ひざ丸:
とても好きな作品なので、繰り返し遊んでRTAもしたいと思っています!

──記録、楽しみにしています。ありがとうございました。

ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』は、PS5/PS4/PC(Steam/Epic Gamesストア)/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中である。

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