高機動メカアクションシューティング『Mecha BREAK』はメカの個性がド強い。“激強個性機体”がぶつかり合い勝ってさらにトガれる

Amazing Seasun Gamesは8月3日、『Mecha BREAK』のSteam限定先行βテストを開始した。弊誌では本作のクローズドβテストに参加。先行βテスト直前の本作を一足先に触らせていただいたので、その感想を述べさせていただく。

Amazing Seasun Gamesは8月3日、『Mecha BREAK』の限定先行βテストを開始した。PC(Steam)を対象に、アジア/北米/南米/欧州の4エリアで実施中となっている。現在は第1フェーズとして、インフルエンサーとの共闘などが可能。今回、弊誌では本作のクローズドβテストに参加。先行βテスト直前の本作を一足先に触らせていただいたので、その感想を述べさせていただく。なおβテストには弊誌向けの枠も用意されており、こちらではよりキーが当たりやすくなっている。

『Mecha BREAK』は、Amazing Seasun Gamesが開発し、リリース予定の、近未来SFメカアクションシューティングゲームである。対応予定プラットフォームはPC(Steam)およびXbox Series X|S。本作でプレイヤーは格闘型/狙撃型/防御型など、さまざまな戦闘スタイルの「メカブレイク(以下、MB)」を操縦し、多人数対戦アクションを繰り広げていく。

本作のキャッチコピーは「チカラ!スピード!一斉放火!」。個性的なワードチョイスのコピーだが、名は体を表す。本作はまさしくこのコピーに相応しい、強い個性を感じるゲームだった。

“個性激強”なメカブレイク(MB)たち

まず、本作に登場するMBたちはどれも個性がとてつもなく強い。それを感じたのはゲーム最序盤のいわゆるチュートリアルからだった。本作のチュートリアルは、ストーリー仕立てとなっており、プレイヤーが試作機である「龍淵(リュウエン)」を使い、敵の強襲から脱出。その後仲間と協力し超大型MBを倒すという内容となっている。

このチュートリアルに登場する龍淵というMB。遠距離では、チャージ可能なエネルギー弾と、レールガン。近距離では、ハルバードと盾を持っており、遠近同時に立ち回れるオーソドックスな性能となっている。まさしくチュートリアルにぴったりなMBだが、この龍淵、破壊されるまでダメージを食らうとその装甲がパージ。装備すらもキャストオフし、エネルギー弾とサーベルだけのシンプルな武装のスピード型ファイターとなるのだ。


これを見たとき筆者は「リスクを負ってパージして、勝ちに行く系の主人公機」だ!と思い、龍淵を勝手に最も個性的な主人公機的存在として認識してチュートリアルを終えた。しかし、実際にゲームを始めてしばらく経ってみると、龍淵と同レベル、もしくは龍淵を凌駕するほど強い個性を持つMBばかりだと気付かされたのだ。

巨大なランスとブレードを持ち、高い機動力とシールドを持つ、近接特攻の「パンサー」は前線でMBを蹴散らすことのできる大暴れ系ファイターとして活躍できる。大量のビーム兵器を持ち、多方向に発射、時にはそれを一点に集中放火することもできる「インフェルノ」は存在自体が最終兵器にも思えるルックスと能力を持ち合わせている。今回のテストでは、そんな個性激強なMBたちが13 体用意されていた。

そんな中で筆者の心を掴んだのが、今回のβテストにて追加された新MB「ステーゴ」だ。ステーゴは超重量攻撃機に分類されるMBで、腕と肩にロケットランチャーを装着し、中〜遠距離からの攻撃を得意とする。一度ターゲットしたMBの耐久力を一気に削ることができるド派手な機体なのだが、さらに強力なのが移動力を犠牲にし、ロックオン距離を伸ばすことのできる砲台フォームへの変形だ。


砲台フォーム時は、前方に巨大な盾とドローンを展開し守りも強化。さらに、砲台フォーム限定でターゲットしたMBに大量のミサイルを発射する「マイクロミサイル」が使用できる。筆者はこの砲台フォームの前方最強の守りと、ロケットランチャーとマイクロミサイルで一気に敵の耐久力を削り切る快感に魅せられ、ステーゴが筆者の愛機となったのであった。

また、今回の先行限定βテストより追加されたもうひとつの新MB「ピナカ」も魅力的な機体だ。ピナカは中量支援機に分類されるMBで、味方MBの修復を行うことができるサポートタイプの機体だ。


修復には、近づいて回復する「クイック修復パーツ」と、近くの味方機を追って修復してくれる「修復ドローン」、そして「緊急支援ドローン」の3 つで可能。さらに、空中から巨大な壁を投下して直線方向の攻撃を防御する「空中投下パーツ -防壁」もあり、 「緊急支援ドローン」は自身、もしくはターゲットした味方MBにシールドを付与することもできる 。また、ロックオンした敵に複数のエネルギー弾を当てる「スプリットカノン」も支援機の装備とは思えないほどダメージがでる強力な兵器。

本作にはすでに味方MBが修復できる支援機として「ルミナ」が存在するが、ルミナは戦場を素早く動き回って味方の支援をするのに対し、ピナカは敵の攻撃ラインを見つつ、それを防ぎつつ、味方の支援に回ることが立ち回りとして重要になるだろう。また、スプリットカノンのダメージも大きいため、攻撃による味方のサポートもしやすいはずだ。チームに1機はほしい手強い支援MBとして、強力な回復能力で味方を支援するルミナ、手広い方法で味方を支援するピナカと使い分けができるだろう。

個性を活かした立ち回り

早速、愛機となったステーゴと共に、戦場に向かったのだが、今回のクローズドβテストで体験できたのは、戦場モードにて最大12体が戦いあう「6vs6モード」の実践であった。


今回プレイした「6vs6」の最大の特徴は、マップごとに異なるルール、異なる勝利条件が課せられていること。洞窟のような複雑な構造のマップ、クラオブ陥没杭では、3つのエリアを取り合うポイントキャプチャー。小さくまとまった都市マップ、天空都市グレスリンでは、自動リスポーンなし、MBを殲滅したチームが勝利のデスマッチなど、マップごとに求められるプレイが変わってくるのだ。

そうなると、マップのルールを戦闘前に頭に叩き込む必要があるんじゃないかと思うのだが、本作は出撃前のロード時間にて、音声と図にてしっかりと作戦の目標について説明してくれるのではじめてのマップでも安心だ。筆者としては、この戦闘前のブリーフィング時間が本当に今から戦場に向かうような盛り上げ方をしてくれるので、気持ちも自然と切り替わりやすいのも好きなポイントだ。


といっても、ルールを事前に覚えておくのは戦術を考えるうえでもかなり重要だと感じた。本作は個性激強のMBたちがぶつかり合うマルチ対戦ゲーム。自分のMBの個性をしっかりと活かせるようなプレイングが重要だ。

筆者の使うステーゴ最大の個性は、攻守強力な砲台フォーム。その個性が最大限活きるマップがミスラ・アイだ。このマップは、3箇所あるデータ端末から暗号鍵を入手。その暗号鍵をマップ上にあるロケット発射台に運んでアップロードし、その数が多いチームが勝利となる。このマップでは、指定のデータ端末とロケット発射台を行き来することになるのだが、戦闘が起こりやすいエリアがほぼ決まっているため、砲台フォームの位置取りが行いやすく、暗号鍵を入手する味方の防衛や、ロケット発射台に近寄る敵MBの撃退と砲台フォームが役立つポイントが非常に多い。


逆に、3箇所あるエリアを奪い合うクラオブ陥没杭は移動が激しいうえに、360度さまざまな方角から敵が来るので、砲台フォームが活かしづらく、移動も得意ではないステーゴは苦戦を強いるだろう。こういった時はマップを適度に移動しつつ、戦闘中の味方をロケットランチャーでサポートするなど、戦術を変更できる柔軟性が重要だ。もちろんプレイヤーに、卓越したパイロットスキルさえあれば、その弱点すらも補える可能性もあるが、残念ながら筆者にそういった能力は持ち合わせていないので、柔軟性で勝負することにした。

また、どれだけMBがマップと相性がよく、ある程度のパイロットスキルがあろうとも、数で押されては勝ちようがない。どのMBも個性激強な本作では、一体の強さよりも、チームの連携プレイの方が基本的には強いということは念頭に置いておく必要はある。個人プレイ、チームプレイ、戦術の取り方など、プレイヤーが何を重要視するかによってMBの個性がまったく違う形で活きるような戦闘が楽しめるのが本作の魅力。これ出しとけば間違いないというモノがないからこそ、それぞれの個性が光るのだ。

試合終了後は優秀なプレイヤーが表彰される


いろんな方向でトガれる個性の出し方

MBの個性の輝かせ方はプレイヤーの立ち回り以外にもある。その1つが内部部品のカスタマイズだ。本作ではレベルアップ時の報酬として、補給ボックスを入手することができる。この補給ボックス内には、さまざまな部品が入っており、その部品を使ってMBの性能を変化させることができる。これによってMBの伸ばしたい性能をさらに伸ばすことができる。しかし、ひとつ性能が上昇すると同時に下降する性能もあるので、そこは注意したいところだろう。

また、自由で細かなカスタマイズを売りにしているのは内部部品だけではない。MBは、塗装やデカールなどの見た目のカスタマイズが可能となっており、そのカラーバリエーションも多数。自分の使用機体を自分のマイカラーに染め上げ、周りに自分をアピールすることもできる。筆者のステーゴは全身ベージュ色の砂漠カモフラージュ機へと変化したので、砂漠マップに対しては少し有利かもしれない。


そして、MBのコアとなるパイロットも細かなキャラクリエイトが可能。ボディタイプ、人種の幅はもちろん、部位ごとに調整してキャラクターを作ることができるので、キャラメイクの幅がかなり広い。ロールプレイ好きの筆者は、天真爛漫な女の子パイロットをイメージしてキャラメイク。MBだけでなく、キャラクターに個性をつけることができるのも、本作の魅力のひとつだ。また、名前付きユニークパイロットと、専用塗装されたMBがセットになったパイロットパックも販売されているので、キャラメイクやカスタマイズは苦手だけど個性は出したいというプレイヤーにはそちらもおすすめしたい。


以上が筆者の『Mecha BREAK 』クローズドβテストの感想であった。『Mecha BREAK 』はさまざまな個性の強い要素が置かれているが、その個性がぶつかり合わず、しっかりと活きているのが印象的な作品だ。それも開発者がインタビューなどで明かすロボゲーへの強い愛から生まれる丁寧なゲーム作りに所以しているだろう。今すぐにリリースしても間違いなく評価される作品だと感じたほど、完成度の高い本作。ここからさらにテストを重ね、完成度を高め、個性をさらに強くした1作として、リリースされるのが今から楽しみである。


『Mecha BREAK』の限定先行βテストは、現在開催中。公式サイトやSteam上で参加者募集中となっている。また弊誌でもβテスト枠も用意しているので、こちらをチェックしてほしい。

Tamio Kimura
Tamio Kimura

エンタメ大好き系ゲーマー。COOPゲームが大好き、クライム系だったらなおよし。

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