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『ダイイングライト』シリーズ元ディレクター、「ゲーム開発者はプレイヤーの声に耳を傾ける“義務”がある」との意見を展開。ゲームは“プレイヤーのもの”でもあるから
『Dying Light(ダイイングライト)』シリーズのフランチャイズディレクターを務めていたTymon Smektała氏が、ゲームをプレイしたユーザーの声を聞くことについて、私見を共有している。

『Dying Light(ダイイングライト)』シリーズのフランチャイズディレクターを務めていたTymon Smektała氏は、ゲーム開発者がプレイヤーの意見を「間違っていることも多い」としつつ、フィードバックに耳を傾ける義務があるとの見解を示した。GamesRadar+が報じている。
Tymon Smektała氏はゲーム開発者だ。2013年頃から『Dying Light』シリーズを手がけるTechlandに在籍しており、シリーズ過去作ではリードデザイナーやプロデューサーを務めた人物。現在は『Dying Light』シリーズにてフランチャイズディレクターを担当。そしてつい先日には、後進に託すかたちでTechlandを退社したと発表した。

Smektała氏はポーランドで開催されているゲーム業界関係者向けイベントDigital Dragons Conferenceにて講演を実施。同氏はゲーム開発におけるフィードバックの重要性を語った。
まずSmektała氏は、ゲームをリリースした瞬間から、「開発者だけのゲームではなくなる」とした。リリースした瞬間に、数百から数千、ヒットした際には数百万人もの“ステークホルダー”が生まれるという。作っていた最中はクリエイターの物だった作品が発売されればプレイヤーのものにもなるという見解だ。
その結果、期待だけでなく、意見や不満、要望など、さまざまな声がプレイヤーから寄せられることになるという。開発者はもはや製品を売るだけでなく、そうした多くのコメントに関わることで、コミュニティとの関係も築くことになる、というわけだ。
一方でSmektała氏は、プレイヤーの声をなんでも聞けばいいというわけでないと注意喚起もおこなっている。ゲームについてああしろ、こうしろというかたちで寄せられる“解決策”は、たいがい間違っていることが多い、と同氏は述べている。また声の大きいプレイヤーの意見を聞かなければならないわけではないとも述べており、プレイヤーの意見を盲目的に取り入れることに慎重になるべき、との指摘をおこなっている。

しかしながらSmektała氏はまた、プレイヤーの“感情”には耳を傾けるべき、との主張をおこなっている。プレイヤーがゲームを手に取り、遊んだ際、何にイライラし、がっかりし、興奮したか……といったさまざまな気持ちが綴られた感情は「常に正しい」としている。仮に指摘が誤っていたとしても感情は本物であり、プレイヤーが何を感じたのかを理解することこそが重要だとの立ち位置を示したかたちだ。
ユーザーレビューに対する開発者の向き合い方については、過去にゲームデザイナー兼マーケティングコンサルタントのJoe Henson氏がXにその指針を投稿して話題となった(関連記事)。Henson氏の主張は、否定的なレビューが寄せられたとき、いわれのない批判や中傷めいた意見には反応せずともよいとしつつ、“建設的な返信”を心掛けていくことを奨励。開発者とプレイヤー双方が客観的意見を基にゲームを見直せる機会が生まれるうえ、丁寧な応対で印象が良くなり、ファンベースの増加も見込める、との見解を示していた。
Smektała氏の語った方法論でも、「コミュニティとの関わりを形成する」という点でHenson氏の意見に通ずる部分があるだろう。しかしSmektała氏はそこからさらに踏み込み、ゲームはプレイヤーのものでもあるのだから、開発者は話を聞く義務があると語り、さらに意見ではなくプレイヤーの“感情”に寄り添うべきとする、具体的なアプローチも提示された。SNSなどでゲームの感想や意見が共有されることも多い昨今では、ユーザ―からの意見もあがりやすくなっており、それへの向き合い方も重要になってくるのだろう。今回は人気シリーズのプロデューサーやディレクターなど要職を歴任したSmektała氏が、自身の哲学を共有したかたちだ。
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