NVIDIAの中国向けGPU「RTX 5090 D v2」、中国政府が“輸入禁止”にしたとの報道。中国専用モデルなのに、出禁に

中国にて、NVIDIA製GPU「GeForce RTX 5090 D v2」が税関の輸入禁止品目に指定された可能性が浮上した。

中国にて、NVIDIA製GPU「GeForce RTX 5090 D v2」が税関の輸入禁止品目に指定された可能性が浮上した。海外メディアFinancial Timesが、同社が入手した文書と関係者による証言をもとに報道している。

「GeForce RTX 5090 D v2」はNVIDIAが製造する中国向けのGPUだ。米国では、AI学習やデータセンター用途に用いられる高性能チップについて、中国への輸出を制限している。そのためNVIDIAでは、特定のモデルの性能を一部調整した中国市場向けモデルを製造している。「GeForce RTX 5090 D v2」は「GeForce RTX 5090」をベースに、当時の最新の対中輸出規制に準拠した製品として昨年8月に発売された。

報道によれば、「GeForce RTX 5090 D v2」が中国の税関における禁止品目リストに追加されたという。Financial Timesはこれについて、中国がNVIDIA製チップの流入を阻止することで、ファーウェイやカンブリコンといった国内の半導体メーカーを支援する狙いがあるとの見立てを示している。

なお中国ではこれまで、他のNVIDIA製GPUについても同様の動きが見られた。たとえば「H100」をベースにした中国向けモデル「H20」については、昨年8月に中国当局が安全保障上の理由から、国内企業に使用自粛を求めていた(Bloomberg)。

また「H100」の後継にあたる「H200」については、今年初頭に中国当局が国内企業による購入を条件付きで承認。今月には米国側も中国企業約10社による購入を承認したものの、実際にはまだ1件も納入されていないという(Reuters)。さらに、先日のトランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談後には、自国で開発したいとの理由から、中国当局では「H200」の購入を承認しない方針が改めて示されたようだ(Bloomberg)。

「GeForce RTX 5090 D v2」の輸入禁止措置についても、NVIDIAの社長兼CEOを務めるJensen Huang氏がトランプ米大統領とともに中国を訪れた間の出来事であるとされている。前述した「H200」についてのスタンスとあわせて、さっそく米国への牽制として取られた行動との見方もできる。

ところで、中国国内企業によるGPU製造については、先日中国・上海に拠点を置くLisuan Technologyの「LX 7G100」シリーズのドライバーが、マイクロソフトのWHQL認証を中国メーカーとして初めて取得したことも明らかとなった(関連記事)。同製品のリファレンスモデルは、昨日5月20日より中国国内で発売が開始されている。発売前の情報では、「GeForce RTX 4060」とほぼ同等の性能であると予想されていたが、実際には「GeForce RTX 3060」と同等かそれ以下の性能であるとのベンチマーク結果も出ている(Wccftech)。とはいえ、中国国内のメーカーがNVIDIAをはじめとするメーカーにGPU市場で追いつくことができるのかは注目される。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

記事本文: 836