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Perfect World Gamesは『NTE: Neverness to Everness』(以下、NTE)を配信中だ。本作はPC/PS5/iOS/Android向けに配信中の、基本プレイ無料・超自然都市オープンワールドRPGだ。プレイヤーは骨董品屋エイボンに所属する“異象ハンター”として、大都市「ヘテロシティ」を巡り、街に潜む異象を収容・解決していく。
弊誌はPC版『NTE』を先行プレイする機会を得た。本連載では、異象が潜む大都市・ヘテロシティの気になるポイントを全10回にわたって掘り下げていく。今回は第7回であり、第6回はこちら。なお先行プレイのため、一部仕様が製品版とは異なる場合がある点には留意してほしい。
今回取り上げるのは、銀行への潜入だ。本作には「にくきゅう大強盗」と呼ばれるアクティビティが存在する。名前だけ聞くと、物騒なのかゆるいのか判断に困るが、中身はその名のとおり銀行に潜入し、お宝を奪って脱出するというもの。ただし犯罪ではなく、作中では“公式に認められた強盗”である。

ただ、銀行側が優しくお宝を差し出してくれるわけではない。内部にはレーザーが張り巡らされ、異象がうろつき、時間内に脱出できなければ報酬は消える。それでも目についた札束を拾うだけで金額は小気味よく増え、奥へ進めばさらに大きな当たりも見えてくる。拾う、増える、まだいける。そんな稼ぐ快感が途切れにくいからこそ、プレイヤーはつい欲張ってしまう。
そして欲張るほど、帰り道は遠くなる。大金を抱えたまま残り時間が減り、使える脱出口を探して銀行内を走り回る。さっきまで「もう少し稼げる」と思っていた時間が、急に「帰れないかもしれない」焦りに変わるのだ。本稿では、気持ちよく稼げるからこそ引き際が怖くなる「にくきゅう大強盗」の魅力を紐解いていく。
『NTE』節の利いた“公認の強盗”
発端となるのは、ヘテロシティで流行した銀行強盗映画だ。にくきゅう銀行は、その影響で金庫を狙われることになったという。銀行の代表であるジョバンニ・ドヴォルザークはこの状況を逆手に取り、大型バラエティ番組「にくきゅう大強盗」を始動。映画のような強盗体験と豪華報酬を用意し、参加者を銀行内へ招き入れたのである。

銀行側が認めた銀行強盗という、なんともヘテロシティらしい変な理屈だ。実際に参加すると、ルールはわかりやすい。一度の潜入時間は12分で、その間に銀行内の札束やお宝を集め、各地に用意された電話ボックスから脱出する。無事に逃げ切れば、持ち帰ったお宝の価値に応じてファンスや報酬を獲得できる。反対に、時間内に脱出できなければ報酬は無し。どれだけ稼いでいても、出口にたどり着けなければ意味がない。
舞台となる銀行内の雰囲気も印象的だ。にくきゅう大強盗の舞台は、普段のヘテロシティ以上に異象の気配が濃い。空中に浮いた巨大な金庫、ノイズが走る不安定なオブジェクト、窓の外に映る異空間。元の映画の世界観を踏襲しているらしく、銀行というよりはSCP的な雰囲気を漂わせるダンジョンに近い。ゆるい名前に油断して踏み込むと、思った以上に不穏な空間が広がっている。

ただ、その不穏さがひたすら重いわけでもない。探索の中では、雑誌や可愛らしいぬいぐるみのようなお宝も見つかる。異常な空間を駆け回り、妙にノリの軽いお宝を抱えて逃げる。この非日常と俗っぽさの噛み合わせが『NTE』らしい。
探すたびに増える、快感が途切れない金策
プレイしていてまず気持ちいいのは、アイテムを拾うたびに報酬額が積み上がっていくことだ。近場にある札束や小さなお宝を手当たり次第に回収していくだけでも、持ち帰れる金額はじわじわ増えていく。ひとつひとつの価値はそれほど大きくなくても、拾うたびに得をしている感覚があり、探索中の快感が途切れにくい。
アイテム配置は基本的にランダムで、何でもない引き出しにレアなお宝が眠っていることもある。大物だけを狙って奥へ進むというより、目に入ったものを片っ端からかき集めるコソ泥的な動きが意外と有効だ。序盤の部屋を荒らしているだけでもそこそこ稼げるため、短時間でさっと潜って帰る遊び方も成立する。

そして、たまに大きな当たりがある。ごくまれに落ちているというダイヤ「エターナルハート」は、ひとつで66万ファンス相当。ヘテロシティでは、それだけでそこそこの車やワンルームマンションが買えてしまうような大金だ。何気ない部屋にも、こうした超高額なお宝が存在するかもしれない。そう思うだけで、銀行内を歩く目つきが変わってくる。
奥へ進めば、お宝のグレードも徐々に上がっていく。最深部には重厚なカギのかかった部屋があり、さらに奥には「マモン」という異象が陣取る大金庫も存在する。ボスを倒せば大量のお宝に繋がるようだが、そこに入るにはカードキーや専用のアイテムが必要になる。キーはお宝と同じくランダムで落ちているため、狙ったときに必ず挑めるわけではない。行けるときに行くか、今回は諦めるか。その判断もまた、潜入中の悩みどころになる。

近場の札束を拾うだけでも楽しい。たまに大当たりもある。奥へ進めば、さらに大きな稼ぎも狙える。こうして小さな快感と期待が絶えず差し込まれるため、プレイヤーは自然と「もう少しだけ」と考えてしまう。稼げる金策である前に、稼ぐ行為そのものが気持ちいい。
大金を抱えるほど、帰り道が怖くなる
ただし、気持ちよく稼げるからこそ怖い。にくきゅう大強盗は単なる金策ではなく、「いつ帰るか」を考えさせる遊びでもある。
12分という制限時間は、常に急かされるほど短くはない。だが、少し慣れてくると話が変わる。あの部屋も見たい。あの先の金庫も開けたい。まだ時間はある。もうひとつくらい拾える。そうやって奥へ進んでいくうちに、残り時間が心もとなくなってくる。
銀行内は入り組んでいるうえに敵が配置されており、奥へ進むほど危険も増す。すべてを倒さなければならないわけではないが、見つかると出口を塞がれ、強制的に戦闘となる場面もある。思わぬ場所でサーチライトに見つかってしまい、仕方なく戦う。そんなことを何度か繰り返すうちに予定が崩れ、まともに稼げていなくても撤退を考えなければならなくなる。
脱出用の電話ボックスも、緊張感を生んでいる。場所自体は決まっているものの、どの電話ボックスが使用可能かは毎回ランダムだ。前回脱出できた電話ボックスへ駆け込んだら今回は使えない、ということもざらで、さらに電話ボックスの見た目をした敵が紛れている場合もある。その瞬間、集めたお宝の重みが一気に不安へ変わる。

しかも、動いている金額がしっかり大きい。先述の「エターナルハート」がなくとも、慣れてくると一度の潜入で15万から20万ファンスほどを稼げるようになる。手持ちが心もとないときの金策として、かなり頼れる額だ。だからこそ、大金を保持しているときに失敗したくない。そして、そんなときに限って残り時間は少ない。
残り時間は減っている。行く手には敵もレーザーもある。使える脱出口もすぐには見つからないかもしれない。さっきまで「もう少し粘れそう」と思っていた残り時間が、急に「帰れないかもしれない」焦りに変わる。この切り替わりが、にくきゅう大強盗のスリルを強くしている。

毎回少し違う感覚が、また潜りたくさせる
にくきゅう大強盗のマップは細かなルート変化はあるものの、大まかな構成は固定だ。そのため慣れてくると、効率の良い道筋をある程度辿れるようになる。ただし、アイテム配置や一部ルートの開放状態、使用可能な脱出用電話ボックス、カードキーの入手などにはランダム性がある。まったく同じ場所に潜っているようで、その回ごとに感覚が少しずつ変わる。
たとえば、序盤で高額なお宝を拾えたなら、無理をせず早めに逃げてもいい。逆にカードキーを拾えたなら、深部の金庫を狙いたくなる。使いやすい位置の電話ボックスが開いていれば、少し奥まで進む余裕も生まれる。反対に脱出口が遠ければ、早めに切り上げる判断も必要になる。ランダム要素は、単に運試しとして存在しているだけではない。「今回はどこまで粘るか」という判断を毎回少しずつ変えてくる。

報酬面でも、繰り返し潜入する意味は用意されている。脱出に成功すると、ファンス以外にも「にくきゅうコイン」や「にくきゅうポイント」を獲得可能。コインは専用ショップで円石、コスチューム、乗り物スキンなどと交換できる。なかには“幽霊が車いすを爆速で押してくれる乗り物”のような『NTE』らしい報酬もある。ポイントはお宝の図鑑を埋めたり、チャレンジを達成したりすることでも蓄積され、追加の報酬へと繋がる。単純な金策に留まらず、何度も潜るための動機が用意されているわけだ。

キャラクターの能力によっても、体験は変わる。たとえば最近プレイアブル化した「潯」は、時間停止能力を持つキャラクターだ(関連記事)。にくきゅう大強盗では、潯の時間停止中にタイマーも止まるため、探索にかなり余裕が生まれる。普段は車や電車をいたずらに止める程度の使い道になりがちな「非戦闘時の時間停止」能力が、銀行強盗ではきちんと輝く。

また、にくきゅう銀行のマネージャーでもあるちぃちゃんにアップデートで実装されたシティスキル「夜行動物」を解放すると、銀行内のアイテムが金色で表示されるように。アイテム収集の効率を上げるうえに、チームに編成していなくても効果を発揮する有用なスキルだ。余裕があれば取得しておきたい。そのほか、背の低い早霧やコウモリに変身できるレクイエムはレーザーを避けやすく、翳の地面に潜行する能力は一部の敵をやりすごすことができる。単純な戦闘力だけではないキャラクターの個性が、銀行強盗という場面でどう活きるのかを見たくなる。


なお、にくきゅう大強盗はマルチプレイでも挑戦できる。お宝は誰かが取ると消えるため、仲間と一緒に潜る場合はちょっとした争奪戦にもなる。一方で、マルチ中はアイテムドロップの増加や高品質なお宝の出現確率アップといった恩恵もある。わいわいと楽しめる本格的な探索アクティビティとして、友人と遊ぶ際の味変になりそうだ。
気持ちよく稼げるからこそ、「引き際」が試される
にくきゅう大強盗は、金策としてかなり気前がいい。札束やお宝を拾うたびに所持額が増え、たまに大きな当たりもある。近場を荒らして帰るだけでも成立し、奥へ進めばさらに大きな稼ぎも狙える。快感が途切れにくく、所持金額がグングン伸びていくのはわかりやすく楽しい。
だが、それだけでは終わらない。稼げるからこそ欲が出る。欲が出るから奥へ行く。奥へ行くから帰り道が遠くなる。大金を抱えた状態で残り時間が減っていくと、急に自分の足元が揺らぎだす。

ゆるい名前や公認の銀行強盗という妙な設定に反して、にくきゅう大強盗はしっかりとプレイヤーの欲深さを試してくるアクティビティだった。気持ちよく稼がせてくれると同時に、どこで手を引くかに毎回悩まされる。そんな引き際の葛藤まで含めて、にくきゅう銀行への潜入は単なる金策ではない、妙にクセになる遊びだった。
『NTE: Neverness to Everness』はPC/PS5/iOS/Android向けに配信中。
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