VTuberは本人とクリエイター陣の“チーム”で創る、だから報連相が大事。新衣装の予定は「1年前から」、長い目で動く制作現場について訊く

VTuberを生み出すクリエイターとVTuber本人に、制作中のコミュニケーションのコツを訊いてきた。

Live2Dとセルシスが主催する「Live2D ×  CLIP STUDIO PAINT ×  コラボ座談会」。連載の2回目となる本稿では、“制作中”のコミュニケーションにフォーカスした内容をお届けする(第1回はこちら)。

VTuber制作にかかわらず、ゲーム制作や漫画連載など、複数名での進行が必須となる制作形態ではコミュニケーションの取り方に工夫が必要となる。進捗の共有方法や制作意図のすり合わせなど、始まってみないとコツが掴めないことも多いだろう。

VTuberの栢森エマ氏が生まれるにあたって、Live2Dモデラーの乾物ひもの氏およびイラストレーターの深井涼介氏がはどのようなコミュニケーションを取ってきたのか。座談会では、3人での制作中のやりとりについて語っていただいた。

制作中は、何よりもバッファを作る

Live2D広報担当・須田修伍氏(以下、Live2D須田氏):
複数名で取り組む制作にあたっては、進捗報告にまつわるトラブルがよくありますよね。お三方の場合は、どういう風に連携していくのかをお聞きしたいと思います。何か気をつけていることはありますか。

乾物ひもの氏(以下、乾物氏):
スケジュール観点の話ですと、エマさんって1年くらい前から相談をくれて、こちらのスケジュールを押さえてくれるんですよね。私はいま依頼をもらったとして、実際に着手できるのはタイミングが悪いと1年後という感じなんですよ。なのでエマさんの場合、「今回も新衣装ありがとうございました。また次回の新衣装も、1年後によろしくお願いします!」みたいな感じで(笑)

栢森エマ氏(以下、栢森氏):
「ワンピース」のシャボンディ諸島みたいな感じで(笑)

乾物氏:
エマさんはそのくらい早くから動いてくださってるんですよね。そのあとに深井先生と、どういう衣装にするかというのを綿密に詰めているのではないかと。

深井涼介氏(以下、深井氏):
ひもの先生に依頼が行ったタイミングで、エマちゃんから僕の方にも「この時期に新衣装をお願いしたいんですけど」という話が絶対来るんです。報連相をしっかりしてくれて……君が娘で良かった。

栢森氏:
わ~嬉しい~!!

Live2D須田氏:
新衣装お披露目のときにはもう、次の衣装の話が進んでいると。

栢森氏:
今のところはずーっとそういうサイクルですね。ひもの先生からスケジュールOKをいただいたら、「じゃあ、その数か月前あたりから、どういう衣装にするか詰めていこうか」と深井先生も言ってくださる。一緒に考えてラフが出来上がった時点でひもの先生に共有します。ひもの先生はその時点でこういう動きをつけるんだろうなというのを汲み取ってくださっているので、衣装のお仕立てがあらかた終わった段階で打ち合わせをします。ひもの先生の作業がはじまると、画面共有しながら「ここはこういう動きですよね、どうですか」と深井先生に確認してくださって、すごくスムーズに進んでいきます。

乾物氏:
スケジュールは全体的にかなりバッファを持たせていますね。

深井氏:
衣装デザインの初期段階からモデラーさんと直接相談できるパターンはあまりないんですよ。それがすごくありがたいです。

Live2D須田氏:
だいぶ特殊なケースではありますよね。

乾物氏:
はい、特殊なのでこのやり方をそっくり真似することは難しいとしても、参考にはしていただけると思います。たとえば頼む側はイラストレーターに伝える納期を、モデラーにイラストを渡したい日の前日とかに設定するのはリスクがあると思うんですよね。クリエイター側も、全力でやったらなんとか間に合わせられる日を完成予定日として伝えるのではなくて、不測の事態が起きても大丈夫なように余裕を持たせたスケジュールを組む。お互いにバッファを広めに作っておくことが大事かと思います。何かあったときにリカバリーできるので。

栢森氏:
自分もお二方もいざというときのために、あえて2週間くらいは余裕を持たせておいたりしますね。初めて依頼する方は、急ピッチなリレーが発生するようなスケジュールを組みがちかもしれないので、気をつけていただくと良いのかなと思います。1週間、2週間空けておいて、しっかり伝達できるようにしておくといいです。

深井氏:
クリエイターの作業は一人でやるものかもしれないですけど、結局受け取る側、世に出す側、いろいろな人の手が介在しています。その人たちの都合もちゃんと考えたうえで動けるようにすることを、常に頭の片隅に置いておいてもらいたいなと思いますね。

Live2D須田氏:
進捗の共有や工数管理のためにやっていることはありますか。

乾物氏:
VTuberのイラストやモデリングというのは全体で数か月の工期がかかるものなので、実は相当遅れていることに気づいたときには、もうどうあがいてもリカバリーが利かないという恐ろしい事態になりかねないです。そのためにバッファを4か月取ったとしても、今やっている工程がペース配分的に間に合っているのかいないのかがわからなければ意味がない。そこで、いかに細かく工程を区切って、今どれくらい進んでいるのかを可視化して管理することが大切だと私は思っています。

料金表とも関わってくるのですが、私の場合はすべての工程に値段を設定して管理しています。たとえば目のパーツに関しても、単なるまばたきをするだけなのか、笑顔になったときにちょっと目尻が下がる動きを足すのか、瞳がウルウルするような特殊なアニメーションをつけるのか……と、細かくオプションをつけています。それをスプレッドシート化したもので計算してお見積りを出すんですが、そのシートの上で終わった作業を灰色に塗りつぶしてタスク表みたいに使っています。実はご依頼主さんからもリアルタイムに確認できるんです(笑)

栢森氏:
知らなかった~!

乾物氏:
本当に恥ずかしいんですけど、私は適当にやっていたら納期を守れないタイプなんですよ。学生時代、提出物が出せなかったタイプだったので。なので、納期を守れなかったら困るので、そのための工夫をいろいろしながらなんとかかんとかフリーランスを10年やっています。参考になれば(笑)

深井氏:
進捗の可視化と「これからこうします」の共有は大事だと思うので、みなさんぜひやっていただきたいですね。

栢森氏:
ひもの先生はお顔だけとか、上半身までとか、モデリングが進んだらその都度共有してくださるんですよ。「今お顔の動きが終わって動画にしてみたんですけど、この時点で違和感ないですか」とか、「気になるところがあったら言ってください」というのを動画で共有してくださるんです。

深井氏:
ひもの先生のすごいところが「今エマさんの髪の毛こんな感じなんですけど、横にぐるっと動いたときにここにもう一つ毛の束があった方が立体的で可愛いと思うんです」と言ってくれるところなんですよ。そんなこと言われたら「よし、もう一本増やしちゃうぞ~」って(笑)

乾物氏:
深井先生、爆速で毛束をくれるんですよ!それ以降は、横を向いたとき用の毛束のデータもあらかじめいれておいてくださるようになって……!

深井氏:
毛だけなら10分くらいなので(笑)

栢森氏:
自分が配信を終わって会議窓を見たらそういう履歴が残っていて「えぇ!? すごーい!」みたいなこともあったりします(笑)

クリエイターさんの中には納品までにあらかじめ修正可能な回数が決まっていているというケースもありまして。お仕事の内容次第ではその方がスムーズでありがたい場合もあるんですけど、ボリュームがあって確認する箇所が多いお仕事だと、なるべくやり取りの回数を増やさないようにと思って一度に多くのことをお伝えすることになってしまって、それはそれでやりとりが複雑化しちゃったりもするんですよね…。

ひもの先生は部位ごとに分けて、顔・上半身・手・足と送ってくださったうえで、「この次は下半身の方のモデリングをさせていただきます」という一報もくださる。チェックもしやすいし、すごく安心できるし、次はどんなのができるのだろうとワクワクできるし、本当に先生にお願いしてよかったなと思っています。

乾物氏:
自分に言い聞かせる意味でも進捗は工程ごとに細かく送っていますね。それに対して、エマさんは全部丁寧に返してくださいます。例えばエマさんが「さらに大きめサイズの後れ毛を1個付け足すのはどうですか」とフィードバックをくださったら、こちらでも考えて「このあたりに足せば正面向きの姿を崩さずに差し込めると思います」と返す。それを見ていただいてご了承いただく……という流れが、顔ができたときと身体ができたときの2回発生するという感じですね。

栢森氏:
ひもの先生は進捗ごとに丁寧に動画も送ってくれて、その後に細かに「ここを確認してほしい」と言ってくれるのが本当にありがたいですね。

乾物氏:
チェックするのも、結構難しいですからね。なので、先んじて重点的にチェックしてほしい箇所を伝えています。

栢森氏:
自分の身体がとても可愛く動いているのを初めて見るわけなので、すごく興奮して「全部OKです!」と言いたくなるんですが……ぐっとこらえます(笑) 髪の括り方ひとつ取っても、これからずっとその髪型で行くわけなので、「おーすげぇ!」となりながらも、一回落ち着いて冷静にチェックをして、フィードバックするようにしていますね。

フィードバックは“褒め”をセットにして

深井氏:
エマちゃんはエラーチェックとフィードバックがすごく上手いなと思いますね。「ここがちょっとおかしい感じがするので、もうちょっとこうしていただけませんか」と具体的で。

乾物氏:
横を向いたときに、脇の服の仕立てがちょっとズレていて……というようなことを、赤丸をつけて図示してくれるのが本当にありがたいです。

Live2D須田氏:
クリエイターの制作物に対して、「ここを直してほしい」という要望を伝えるのって、けっこう精神的なハードルが高くないですか。

乾物氏:
エマさんがすごいのは、褒め言葉と一緒に送ってくださるんですよ。「ここが素晴らしい」というのをまずいっぱい書いてくれて、その後に「1点だけ、ここをちょっと直してもらってもいいですか」という書き方をしてくれて……。

実際のフィードバックの様子

栢森氏:
いただくデータはすでに素晴らしいものなんですよ。でも、ちょっとだけここがこうだったらいいなということがあったときに、相手のモチベーションを下げることに繋げたくないんです。手元に来ているものは現に素晴らしいものだということを、なるべく言語化してお渡しするように心がけていますね。

深井氏:
いわゆる赤ペンを入れるときに、エマちゃんみたいに最初に「いいと思ったところ」とかプラスの評価をいただけると、やっぱり書き手としては凄く嬉しくなってモチベーションも上がるんですよね。VTuberのお仕事の話からは離れるんですけど、とあるソーシャルゲームのイラストを描かせていただいていた頃があって、その時にイラストの窓口を担当してくださっていた方が、毎回赤ペンで指摘しつつも、まず青ペンで「めちゃくちゃかわいいです!」とか書いてくれるんです。

乾物氏:
うわぁ~~嬉しい、超嬉しい!! 最高ですね、それ!

深井氏:
そう、本当に良かったんですよ!「すごく良いです!」って青ペンで書いてくれて、「でもここがもうちょっとこうなると、骨格が綺麗になると思います」とかを赤ペンで入れてくださって。あの当時、それにすごく感銘を受けました。僕はVTuber以外にも自前のコンテンツのフィギュア化の際に原型師さんとやりとりすることが多いんですけど、。その時に僕も青で一回、「前回よりめちゃくちゃ良くなりました!ありがとうございます!」と書いてから、「でもここがもうちょっとこうなると顎が長く見えなくていいと思います!」とか、赤ペンで監修するという風にやっています。

乾物氏:
私も何かお頼みする時は、褒め言葉を必ずセットで送るようにしていますね。自分がやってもらって嬉しかったことはやるようにしています。

Live2D須田氏:
企業としても色々クリエイターさんと仕事することがあるなかで、まずモチベーションを崩させないっていうところは意識することが多いですね。そのうえで言語化も丁寧にしていかなければならないのはなかなか難しいところですが、エマさんはどのようなことを意識してフィードバックをしていますか?

栢森氏:
たとえば衣装だったら、自分が頭の中でもともと考えていた衣装デザインと、深井先生の中でのデザインというものがそれぞれあったときに、先生が考えてくれたデザインを活かしつつ、自分の希望とうまくすり合わせていきますね。自分がずっと着ていくものになるので妥協はしたくないです。

言語化するのはものすごく難しいところでもあるので、文章よりも画像やイラストなどを用意する。下手でもなるべくわかりやすくすることを心がけるのは、依頼側としてものすごく大事だと思います。

乾物氏:
フィードバックのなかで印象に残っているのはこれですね。もっと胸に重量を出したいとのことで、GIFアニメにして送ってきてくれて(笑)

実際に送られたGIF

一同:
(笑)

栢森氏:
重量感が出たらいいなと思っていて……。サイズがあるのであれば前に少し屈んだ時に多分もうちょっとズンとなるかなぁと思って。

Live2D須田氏:
ウィンドウからはみ出てますね(笑)

深井氏:
「ここをもうちょっとこんな感じにしてほしいんですよね」とテキストで送るのはすごく簡単なんですけど、「こうですか」「もうちょっとこうです」「こうですか」「行き過ぎです」というやり取りをするのは面倒くさいですからね。

乾物氏:
こうして求める正解を先に出してくださるんですよね。

盛り上がるやり取りに、ここまで話を聞いていたCLIP STUDIO PAINT武田氏からも質問が飛ぶ。

CLIP STUDIO PAINT武田氏(以下CLIP STUDIO PAINT武田氏):
思い描くイメージを、イメージ通りに具現化する力って、イラスト制作でもなかなか納得いく仕上がりにならない等、良くぶつかる壁だったりすると思います。文章化や画像化含め、ある程度自分でアウトプットする経験を積む中でブラッシュアップされる力という側面もございますが相手にも分かってもらえる様にイメージを共有するための工夫は、どういうことをするのが有効だと思いますか。

乾物氏:
私の友人のVTuberは、参考資料を大量に集めていました。たとえば、髪飾りの質感が思っていたものと違ったときに、自分のイメージや好みにもっとも合う質感の材料や材質の画像を探してきて「こういう風にしたいのですが、できますか」と。何枚も集めてきてお送りしていると聞きました。

CLIP STUDIO PAINT 武田氏:
自分でアウトプットが難しいイメージを、今の世の中にあるものから組み立ててイメージの共有をしていくというのは、すごくいい方法だと思います。前述の「熱意」にも関わってきますよね。ただそういうときに、もらったイメージの中でこの質感とこの質感のものを合わせると要素が喧嘩してしまう等、実際形にする際に悩むケースも生まれると思います。そういった場合どういう風にバランスを取っていかれるんんでしょうか。

深井氏:
そういうこと、エマちゃんとも何回かあったよね。

栢森氏:
それこそ学生メイド服がそうでしたね。もともとメイド服を着たいと思ったときに、学生感とメイド感を両立させた一着に落とし込めないかということを相談したんです。メイド感の方ではフリルだったり頭の装飾だったりするけれど、上からカーディガンを着ることで学生感が出せるよね、ということで最終的にまとまったのですが、その一段階前の案では先生がメイド感強めのラフと、学生感強めのラフをそれぞれ仕上げてくださったんですよ。

深井氏:
どちらが強い方が君のイメージに近いか、と最初に確認したんだよね。

栢森氏:
それがものすごくありがたくて、学生感強めラフで良かったところと、メイド感強めで良かったところをピックアップして「こことここを、こうしたらどうですか」とすり合わせて今の形ができあがっていきましたね。

深井氏:
僕がすごく大事にしているのが、VTuber側が「これを着てみんなの前に立ちたい」と思っているものにどれだけコミットするかなんです。俺が何を着せたいか、ということを優先するべきではないと思っているので、最終的に「君が着たいんだったら、どうぞこれを着てくれ!」というところに落ち着きます。

栢森氏:
そうですね。先生から「いや、俺はこれが良いと思うからこれで!」という押しつけもなく、でもこちらの考えを全部呑むというわけでもなく、寄り添って一緒にかたちを作ってくれるというのが本当にありがたいです。

ラフに対する栢森氏のコメント。互いに意見を出し合い、衣装が出来上がっていったという

深井氏:
僕はもともと工業デザインをやってたんですが、工業デザインではデザイン要件というものが最初に出てくるんですよね。VTuberデザインでは、本人がどういうことをやりたいと思っているか、そして本人のやりたい方向性に合致しているか、これを見た人たちがどういう反応をするかという3つくらいは最低限考えて、その要件から着地点を見つけていっています。

CLIP STUDIO PAINT 武田氏:
ただ単に発注者がリテイクを出しているんじゃなくて、あくまでもそれぞれが考えるイメージを色んな形で具現化をして、最高の形になるようすり合わせていく、という姿勢が大事なんですね。そういう目線でコミュニケーションしていくことが、お互いがやりたいことや創造性を発揮していくところに繋がっていくのかなと感じました。

Live2D須田氏:
最初はクリエイターのモチベーションを保つために”褒め”を行っていくという話でしたが、そもそもとして成果物に対して「ここがいいと思っている」を知れることで、目指すべき方向性がわかりやすくなるというのはありそうですね。そういう「いいな」と思ったという感想を伝えることも含めて、良いものづくりをする上での”フィードバック”になっているんですね。

自分に合った環境を探してみるのが大事

Live2D須田氏:
VTuberを生み出すにあたって、深井先生とひものさんのようにデザイン担当の反応をもらいながら打ち合わせていくケースはどのくらいあるんでしょうか。

乾物氏:
少ないほうですね。だいたいの場合、デザイン担当の方はお披露目のときに初めて動いているところを見るか、VTuberさん側が個別に「動きができました!」と言って送ってくださるかです。このチームは密にやり取りができていて、打ち合わせもできるのでとても貴重ですね。

深井氏:
僕個人としては、こういったクリエイティビティはチーム戦だと思っています。我々は個人事業主ではあるんですけど、一緒に仕事をする人はいるし、その送り出す先にはユーザーの皆さんがいらっしゃるということは、常に意識していますね。

栢森氏:
深井先生はすぐ「空いてたら行くよ」って言ってくださいますよね。

深井氏:
「二人で相談してきます」とかいう時も、「俺入らなくていい? 必要だったら呼んでね」って。

CLIP STUDIO PAINT 武田氏:
これ大事ですよね。Live2Dにかかわらず、ひとつのコンテンツで創作する手が複数あるところに対して、ただ「任せた」は絶対良くないですものね。

深井氏:
そこから発生するトラブルが「思ってたのと違う」ですからね。その「思ってたのと違う」をどれだけ潰せるかというところが、人と一緒に仕事をしていくうえで大切なところだと僕は思うので。

乾物氏:
モデラーもイラストレーターも、一人で静かにコツコツパソコンに向かってできるお仕事だという印象が強いと思うんですが、実はコミュニケーションがめちゃくちゃ大切なのがフリーランスのクリエイターかなと思ったりします。

深井氏:
それに関しては、僕は去年トゥギャッターにまとめられちゃったことがありましたね。「イラストレーターになりたい子の相談を受けることがあるけど、深井は決まって“好きなものを描いて・褒められて・お金が貰える上に・会社に行かなくていい”っていう仕事ではないからそこは覚えといてね~、と伝えている」っていう話をしたら、それがなんかバズってしまった。重鎮の漫画家さんも「そうですよね~」って言ってて、畏れ多かったです(笑)

Live2D須田氏:
とはいえ、みんなイメージとしては、家にこもって何かをやってる仕事というイメージにはなりがちですよね。

深井氏:
仕事場でずっと絵を描いていたい、というタイプの人でめちゃくちゃ売れている人は、2000年代くらいまでは主流だったかもしれませんけど、2020年代は真逆の方が多い印象です。。皆さんめちゃくちゃ喋りますもん。打ち合わせの現場に行くとか、個展を開いたときに在廊して来てくださる方にずっとお話しできるとか、そういう高いコミュニケーション能力とか、イメージ伝達能力を持っている人が多いです。

コミュニケーションによってつながりが生まれて、人づてに仕事が増えるケースが2020年代はメインになってきてるなという感じはしますね。コミュニケーションが苦手な人はいるかもしれないですが、考えていることを人に伝えるというのはぜひ意識していただきたいなと思います。

乾物氏:
私は学生の時本当に友達が少なくて教室の隅にいるタイプだったんですけど、意外となんとかなってるので(笑) 気質としてコミュニケーションがあまり得意ではない人もいるかもしれないですが、意外と後から身につくものでもあります。

あと、私は実は秘書さんを雇ってまして、請求書やスケジュールのやりとりはお任せしています。作業に集中しすぎてまめな連絡を忘れがちになるタイプなので、そこは完全に秘書さんにお願いして補っているんです。そういう方法もあったりします。

Live2D須田氏:
絵を描いてお仕事にしたいなとか、VTuberになってみたいという方って結構いるとは思うんですけど、意外と焦らなくてもいいというか。まずは自分を大事にしてくれる環境だったりとか、逆に自分が誰かを大事にできるぐらいの安心感がある環境だったりとか、そういうところをまずしっかり作っていくみたいな部分も結構大事なのかなという感じはしますね。

深井氏:
「自分はこういうタイプだから、これができない」じゃなくて、「なんで自分はこういうタイプなんだろう?」って考えるとか、もしくはここからより幸せな、楽しい方向に行くにはどうすればいいかなと考えられるようになったら、きっと楽しくなるんじゃないかなと思います!

Live2D Cubism」PRO版は単月プラン2288円から利用可能。また、「CLIP STUDIO PAINT」はPC(Windows/macOS)/タブレット・スマートフォン(iPad/iPhone/Android)向けに、月額480円から利用可能だ。

[執筆:Kei Aiuchi]
[取材・編集:Aki Nogishi]

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