“バトル特化”ソウルライクアクション『Die Deep』の「パリィ」には並々ならぬこだわりがあるらしいので、開発元に訊いてみた。2種のパリィが生み出す「緊張」と「達成感」

『Die Deep』は見下ろし型のソウルライクアクションゲームだ。話を訊いた。

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デベロッパーのPINIXは2Dローグライクアクション『Die Deep』を今年の四半期に発売予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、日本語表示に対応。なお現在Steamにてデモ版を配信中だ。

『Die Deep』は見下ろし型のソウルライクアクションゲームだ。「ガル」と「サイタ」の2名がプレイアブルキャラクターとして実装されており、それぞれ異なったプレイフィールを楽しめる。「ガル」では盾を使った“パリィ”と片手剣による攻撃、「サイタ」では出血デバフを与える両手剣のアクションが軸となっている。いずれも敵の攻撃のタイミングに合わせ、盾を構えたりダッシュで避けたりと、カウンターを中心とした戦略が重要となる。

また本作は“チャーム”としてスキルをキャラクターに装備することが可能。基本性能を向上させるものから、新たな攻撃を繰り出せるものまで効果はさまざまだ。チャームはゲームの進行にあわせてセットできる数が増える。プレイの繰り返しでプレイスキルが上達する快感を得られるだけでなく、ビルドを発展させ、強力なシナジーを生み出すことも可能だ。

本作を開発するPINIXは台湾を拠点とする小規模な開発スタジオだ。2022年にはローグライクとストラテジーをかけ合わせた『Alina of the Arena』をリリースし、好評を博した。このたび、弊誌ではそんなPINIXにインタビューをする機会をいただいた。

これまでローグライクやストラテジーを手がけてきた同スタジオが、どうしてスタジオ初となる“アクションゲーム”に挑んだのか。そのほか『Die Deep』における「パリィ」へのこだわりやビルド構築のコツなど、さまざまな観点から開発元に訊いてみた。

「スタジオ初のソウルライク・アクション」という新たな挑戦

──スタジオの紹介と、『Die Deep』の簡単な紹介をお願いします。

PINIX Games(以下、PINIX):
こんにちは、PINIX Gamesです。我々は台湾の小規模な開発チームです。以前リリースした『Alina of the Arena』で私たちのことを知ってくださった方も多いかもしれません。私たちの目標は、挑戦的で戦略性の高いゲームを創り出すことです。

今回の新作『Die Deep』はアクションゲームですが、派手なコンボやスピード感を重視した作品ではありません。じっくりと戦略を練りながら戦うアクションゲームであり、無謀な突撃や攻撃を欲張るゴリ押しは、致命的な敗北と死を招くことになります。

前作『Alina of the Arena』より

──PINIXさんが2022年にリリースした『Alina of the Arena』は、Steamで「非常に好評」を獲得するなどユーザーから高い評価を得ています。前作は「ローグライク・ストラテジー」でしたが、今作は「ソウルライク・アクション」と大きくジャンルが異なります。一転して新たな試みに挑戦したのはなぜでしょうか?

PINIX:
私たち自身、さまざまなジャンルのゲームを遊ぶのが大好きなプレイヤーです。「ローグライク・ストラテジー」も好きですし、「ソウルライク・アクション」も大好物です。それ以外のジャンルも幅広く遊んでいます。ゲームの開発というのは決して簡単なことではなく、一本を完成させるまでに数年という長い時間がかかります。だからこそ、自分の開発者としての人生の中で、できる限りさまざまなジャンルの挑戦に挑んでみたいと思ったのが、今回アクションゲームという新たな方向性を選んだ理由です。

──戦闘はガードと攻撃、それからダッシュだけで完結するシンプルな操作性ですが、敵の攻撃を「パリィ」で跳ね返し、体幹ゲージを削っていくシビアな戦い方は『SEKIRO』を想起させます。『Die Deep』にインスピレーションを与えた作品があれば教えていただけますか?

PINIX:
主なインスピレーション源は、『Hollow Knight(ホロウナイト)』にて試練に挑む「愚者の闘技場」、そしてボス戦闘に特化した「神の家」です。私たちは『ホロウナイト』の戦闘テンポや、「愚者の闘技場」における連続バトルのスタイルが本当に大好きなんです。また、宮崎英高さんの『ダークソウル』シリーズが持つ、戦略的で緊張感のある戦闘体験にも強く影響を受けています。これら2つの作品の戦闘スタイルや方向性を融合させ、戦闘そのものが純粋で、集中力を求められ、プレイヤーの技術が試されるような作品を作りたいと考えました。

──最初に触れることになる「独眼戦士 ガル」はとくに「パリィ」に重点を置いたキャラクターだと思いました。本作のパリィへのこだわりについて教えていただけますか?

PINIX:
『Die Deep』におけるパリィの判定はそこまで厳しくなく、敵が攻撃してくる際には明確なUI表示(インジケーター)も現れます。他のアクションゲームに比べると、私たちのゲームのパリィはかなり成功させやすくなっていると思います。これは、プレイヤーの皆様に手軽にシステムをマスターしてもらい、達成感を味わってほしいという狙いがあるからです。また、最初のプレイアブルキャラクターとして「独眼戦士 ガル」を設定したのも、盾を持つキャラクターの方が初心者にとって扱いやすく、ゲームに入り込みやすいと考えたためです。

──「独眼戦士 ガル」はタイミングよく盾を構えることでパリィができる一方で、「二刀流盗賊 サイタ」はダッシュ回避の性能に優れているかわりに盾パリィが不可能という特徴があります。それぞれまったく異なるプレイフィールを備えていますが、今後プレイアブルキャラクターを増やしていく予定はありますか?

PINIX:
実は開発の初期段階では、もっと多くのプレイアブルキャラクターを登場させる計画がありました。しかし、私たちは非常に小さなチームであり、開発リソースが本当に限られています。スケジュールを精査したところ、キャラクターを増やすと開発期間が大幅に延びてしまうことが分かりました。

そこで、まずは今いる2人のキャラクターのクオリティを徹底的に高めることに専念しようと決めました。もちろん、将来的にゲームが発売され、プレイヤーの皆様からの反響が良ければ、以前構想していたキャラクターを追加する機会もあるかもしれません。ただ、現時点の正式リリース版においては、この2人のキャラクターがメインとなります。

普通のパリィと、“偶然の成功”が想定されたパリィ

──本作では、敵の攻撃にタイミングよく盾を構えることで「パリィ」が発生しますが、敵の攻撃に合わせて武器で反撃することでも攻撃を跳ね返せます。こちらはタイミングがシビアに感じましたが、具体的にどういった違いがありますか?

PINIX:
敵の攻撃が当たる直前の瞬間に盾を構えることで発生するアクションを、本作では「Parry(パリィ)」と呼んでいます。これは盾を持っているキャラクター、つまり「独眼戦士 ガル」だけが使用できます。

一方で、敵の攻撃のタイミングに合わせてこちらも武器を振り、攻撃を弾き返すアクションは「Clash(交鋒)」と呼んでいます。しかしこちらは操作の難易度が非常に高く、ゲーム内ではClashを正式な防御手段としてチュートリアルなどで教えていません。設計としては、Clashはプレイヤーが意図して狙うものではなく、「偶然発生するもの」として想定しています。敵の攻撃と自分の攻撃がたまたま重なってClashが発動し、本来受けるはずだったダメージを無効化できたときに、プレイヤーに「ラッキー!大当りだ!」という嬉しさを感じてもらえるような要素として取り入れています。

──うまくパリィを取るコツはありますか?特に後者の「Clash」は、偶然の発生を想定されたということもあり、狙って出そうとするとタイミングが非常に難しく感じました。

PINIX:
パリィを成功させるコツは、気持ち少し早めのタイミングで発動させることです。つまり、敵の攻撃が当たる瞬間の少し前にボタンを押すと成功しやすくなります。また、ボタンを押した後はすぐに指を離さず、キャラクターに「盾を構えた状態(ガード)」を維持させることをお勧めします。そうすれば、たとえパリィに失敗したとしても、通常のガードになってダメージを受けずに済みます。

一方の「Clash」は先ほどお話しした通り、正規の防御手段として設計していないため、狙って出すのは本当に難しいです。基本的には敵の攻撃と自分の攻撃が完全に重なったときにトリガーされるので、コツとしては敵とかなり密着した状態で立ち回り、お互いの攻撃判定が同時に発生するようにすることですね。

──本作では“チャーム”を身につけることでさまざまな永続強化を得ることができます。オススメのチャームや、シナジーが強い組み合わせなど教えてほしいです。

PINIX:
「独眼戦士 ガル」であれば、パッシブスキルの「盾突進」が実はめちゃくちゃ強いです。ただ、これに気づいているプレイヤーはまだ少ないようなので、ぜひ皆さん使ってみてください。

――アクションゲームが苦手な筆者は、歩きながらの回復を可能にする「歩み癒しの印」と回復時間を短縮してくれる「瞬癒の印」の2つが必須チャームでした(笑)

PINIX:
おっしゃる通り、初心者の方には回復系のチャーム(護符)が非常に優しくてお勧めです。「歩み癒しの印」と「瞬癒の印」は本当に強力なシナジーを持つ組み合わせですね。
他の組み合わせとして、例えば「二刀流盗賊 サイタ」を使う場合、スキル「ダガー投擲」で素早く出血状態を蓄積させ、そこから「爆血吸収」を使ってHPを回復するビルドがお勧めです。攻守を兼ね備えた非常に強力な戦術になります。

──デモ版では1つのステージと1つのボスステージが用意されています。製品版では何ステージほどの実装を予定していますか?

PINIX:
正式リリース版では、通常のストーリー進行(メインルート)として6つの基本ステージと、1つの最終ボスステージを予定しています。さらに、それぞれのボスには「亡魂の試煉』と呼ばれる、より強化された形態に挑めるモードも用意されています。これはちょうど『ホロウナイト』の「神の家」のような、やりこみプレイヤー向けのチャレンジ要素となっています。

──なおPINIXさんは、今年5月に京都・みやこめっせで開催された「BitSummit PUNCH」 にも出展されていました。そちらでの反響はいかがでしたか?

PINIX:
プレイヤーの皆様の反応はとても良く、素晴らしい手応えを感じました。京都の会場では言葉の壁もあり、来場者の方々と深く会話を交わすことは難しかったのですが、試遊してくださっている皆さんが非常に集中してゲームに入り込み、楽しそうにプレイしてくれている様子がしっかりと伝わってきました。BitSummitは本当に素晴らしい展示会ですね。出展できて心から嬉しく思っています。

──本作は今年2026年の第4四半期にリリース予定とのことですが、今後の展開予定や読者に伝えておきたいことはありますか?

PINIX:
『Die Deep』を出展していると、現地で「実際に遊んでみると、プレイ映像を見るよりもはるかに面白い」というフィードバックをよくいただきます。今回のSteam Nextフェスで得られたデータでは、ストアページでのクリックからウィッシュリストなどへの転換率(アクションを起こしたユーザーの割合)は平均値を下回っているものの、一度デモ版をプレイした後にウィッシュリストに登録してくれるプレイヤーの割合は、平均値を大きく上回っていました。

これは『Die Deep』について、これまでずっと言われてきた「見るより遊ぶ方がずっと面白いゲームだ」という評価を裏付ける結果となりました。 このゲームがユーザーの方に合っているかどうかは、やはり実際に触ってみていただくのが一番確実だと思います。現在、Steamでデモ版をいつでも遊べるように公開していますので、ぜひ皆様、実際にダウンロードして挑戦してみてください。

『Die Deep』は2026年四半期にPC(Steam)向けに発売予定だ。Steamでは現在デモ版が配信されているので興味を持たれた方はぜひプレイしてみて欲しい。なおゲーム内の日本語表記に対応している。

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Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi

レトロゲームショップに入ると真っ先にセガサターンのコーナーを確認するタイプです。

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