部族を導き、神を信仰し巨人を呼び起こす。ACTをミックスした硬派な日本製RTS『Tribal Siege』プレイレポート

 

11月13日に開催された「デジゲー博 2016」では、個性的な同人・インディーゲームが多数出展された。その中でも毛色が異なっていた作品が『Tribal Siege』だ。海外のRTSに強く影響を受けたビジュアルとゲームシステムを特徴としている。今回は硬派かつ豪快なゲームプレイを魅力としている本作のプレイレポートをお届けする。

『Tribal Siege』はRTSにアクションの要素がミックスされた作品だ。さまざまな部族の中からひとつを選び、対戦相手の部族の本拠地を打ち壊すことがプレイヤーの目的となる。施設を建設して資源を貯め、歩兵ユニットを生産し敵を攻撃。基本的には『Tribal Siege』はベーシックなRTSだが、ここにさらにプレイヤー自身が操作できる巨人の存在が登場する。プレイヤーは寺院を建設し、部族の信仰心のポイントを貯めることで巨人を呼び起こすことができるのだ。巨人は強力な攻撃力を持っており、一気に本拠地を壊す戦力になる。しかし蓄積された信仰心のポイントの分しか活動できない。

開発を担当したBOHDOKUMEN.に話を伺ったところ、『Tribal Siege』のゲームデザインは『Age of Empires』に影響を受けているのだという。たとえばゲーム内では、巨人は兵士に強く、兵士は粉砕機に強く、破砕機は巨人に強いという3すくみの相性が存在している。

本作では巨人を呼び起こすゲームメカニックを中核に置いているため、兵士の指示などの操作は簡略化されている。巨人を呼び起こすまでにどのようなタイミングで施設を建設するのか、信仰心のポイントを後半戦に備えて貯めておくのか、先手を打って敵の施設や破砕機をあらかじめ潰しておくのかといったRTSらしい駆け引きを経て、巨人による豪快なアクションで相手の陣地を破壊するゲームテンポとなっているとのことだ。

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今回の試遊デモでは、すでに巨人を呼び出すことができるシーンをプレイ。自陣に敵ユニオンが大量に攻め込んでくるのに加えて、敵側の巨人が襲いかかるシチュエーションで、プレイヤーが巨人を操ってそれらを撃破するまでを体験できた。

筆者が選んだ部族Shamo族の信仰によって生まれたニワトリ頭の巨人。遠距離攻撃や高速のステップ移動、さらには相手巨人のカウンターのスキルも持つ。
筆者が選んだ部族Shamo族の信仰によって生まれたニワトリ頭の巨人。遠距離攻撃や高速のステップ移動、さらには相手巨人のカウンターのスキルも持つ。

巨人の操作はマウスではなく、wasdをメインにしたキーボードを使用する。しかし自由移動ではなくWで前進、QやEのキーを使って左右に旋回する、いわゆるラジコン操作であり、少々クセがある。1キーから3キーには固有のスキルが設定されており、こちらはMOBAのように使用後のクールダウンは無く、連続して発動させることができる。

そのかわり、巨人は呼び出してから信仰心のポイントがどんどんと減っていく。スキルの使用でも大きく減るため、状況を見て使用しなければならない。信仰心のポイントが無くなると巨人は石化してしまい、一方的に敵のダメージを受けてしまう。今回の試遊ではプレイヤー側は信仰心のポイントがなくならないように調整されており、アクションを体験することに専念できる形になっていた。

操作に慣れないうちは敵巨人に一方的に自分の本拠地への攻撃を許してしまったが、操作を確認しているうちに敵巨人が信仰心のポイントを失ったようで石化。その間に一気にスキルを畳み込んでいくことで、なんとか撃破することができた。製品版では信仰心のポイントの使いどころや、巨人の苦手とする破砕機の対処などもゲームプレイに含まれていくようだ。

『Tribal Siege』はSteam Greenlightをすでに通過しており、現在は発売に向けて開発中。公式サイトはこちらから。RTSにアクションのエッセンスを注入した独特のゲームデザインが気になったならば、チェックしてほしい。