『Vampire Survivors』などを手がけるponcleが新たにゲームのパブリッシング部門を設立したと、海外メディアGamesIndustry.bizに報じられている。イギリス・リバプールでおこなわれた、投資家およびパブリッシャーなどの、ゲーム業界関係者向けイベントにて発表されたようだ。
poncleはイギリスに拠点を置くゲーム開発スタジオだ。ゲーム開発者のLuca Galante氏によって設立された。2022年10月には『Vampire Survivors』を正式リリース。同作はSteamにてユーザーレビューを約22万件も集め、そのうち98%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。なお8月29日にはPS5/PS4向けにもリリースされた。
そんなponcleが、パブリッシング部門の設立をおこなったと、GamesIndustry.bizに明かしたようだ。poncleによれば、この部門は“従来のパブリッシャーのようにIPの獲得を目的とするわけではない”とのこと。ゲーム開発者の支援を主な目的として、運営をしていく方針のようだ。
poncleは「誠実さ、情熱、深み」をもって作られたゲームに対し、資金提供のほか、プラットフォームのサポート、ローカライズ、品質保証(QA)、リリースの管理、開発におけるアドバイスなど、さまざまな支援を提供するとしている。加えてインディーゲーム開発者が、何度もプレイ出来て手ごろに楽しめるゲームをリリースできるように、マーケティング面でのサポートも提供するとのこと。開発者にとっては、至れり尽くせりのサポート体制となりそうだ。
この支援基準については詳しく明かされていないようだが、「即支援の対象外」となるゲームについては明言されている。具体的には、『Vampire Survivors』のようなゲーム、つまり「ヴァンサバライク」ゲームや、AIやWeb3に関連したゲーム、無料プレイ可能なモバイルゲームが対象外となるゲームのようだ。
ちなみにインディーデベロッパーがパブリッシング部門を設立する事例は他にもみられる。たとえば『Among Us』を手がけたInnerslothは、今年6月にOuterslothなるファンドを設立。インディーゲームに対し、資金の提供や開発におけるアドバイスを送るとしており、同スタジオの経験などが、他開発者にも還元されていくかたちともいえる。
支援を受ける過程では、大きく成功したタイトルをもつインディーゲームデベロッパーの経験も活かしたアドバイスも貰えることもあるのだろう。彼らからの支援を受け、新たに大ヒットを生み出すタイトルが出てくるのかという点も、期待されるところだ。