人気沸騰の『ポケモンGO』、トラブルとそれに乗じたデマ報道が相次ぐ。あらためて問われるリテラシー

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アメリカでは750万ダウンロードを突破し、調査会社の報告によれば14億円以上の売上を記録と、とにかく破竹の勢いを見せている『ポケモンGO』。目に見える数字だけでなく、教会へ人々を向かわせたり、公共施設から立ち入り禁止の警告が出るなど、現実世界を巻き込んだお祭り状態と化しつつある。

その強すぎる影響力のせいか、ゲームに関連したトラブルが後を絶たない。アメリカのミズーリ州オファロンでは、『ポケモンGO』を利用した強盗などが発生していることがCNETによって報じられている。この事件は、7月10日に4名の武装集団が『ポケモンGO』のソーシャル機能である「ビーコン」を使い、プレイヤーをおびき寄せて金品を奪ったというもの。近隣では同様の事件があり、どちらも同一人物の犯行であるとみられている。オロファンの警察は「ポケストップにビーコンを設置してプレイヤーをおびき寄せるケースが増えています。犯人たちは、駐車場や公園に実際におびき出すことが可能であると確認しているようです」と注意喚起している

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Image Credit: Polygon

とにかく『ポケモンGO』に関連した出来事は予想外のものが多く、良いニュースも悪いニュースも含めて“なんでもあり状態”になってきている一面がある。困ったのは、こうした話題性を逆手に取ってデマを流し始める人々がいるということだ。今回の『ポケモンGO』の発売に関して、もっともデマを流しているとみられるのが「cartelpress」である。cartelpressのニュースカテゴリを閲覧してみると、かなりの数の『ポケモンGO』に関連したニュースが表示される。どのニュースもなんとなく聞いたことがあるのではないだろうか。しかしこれらの情報は嘘偽りである可能性が極めて高い。

まずcartelpressが発信しもっとも流布されたであろう嘘のニュースが「マサチューセッツ州の高速道路で、ピカチューを捕獲しようとしたプレイヤーが高速道路に飛び出し交通を混乱させる」というものだ。この話は高速道路の真ん中で大柄のドライバーが「俺はピカチュウを捕まえるんだ!」と叫びながら降りて走りだすという設定のインパクトから面白がられたが、そのような事件が発生したことは現地でも確認されておらず、根も葉もない作り話である可能性が高いことが判明した。この話に尾ひれが付いたのかユーザーがアレンジしたのかはわからないが、「ミュウツーを追いかけるユーザーが高速道路を横断する」という話が、黒人射殺事件への抗議デモ映像とあわせて日本でも出回っていた。これらのニュースはともに嘘の情報である可能性が極めて高い。

次に目に入るのは「『ポケモンGO』を消去され、怒った少年が兄弟を殺害する」というもの。こちらは登場人物を増やし、犯人のセリフも引用するなど手の込んだ内容となっているが、現時点でcartelpress以外でこの事件が伝えられた様子はなく、「報道によれば」と伝える同メディアがどこの報道を元に情報を伝えているのかは不明だ。ほかにも「ゲーム内のサーバーダウンは、アメリカ人の不幸を願うISISの仕業」「『ポケモンGO』に夢中になりすぎた17歳の少年、気付かずに治安の悪い地域に入ってしまいiPhoneを奪われる」といった一見しただけでわかるデタラメな記事が投稿されている。

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これらの報道からしばらくして、cartelpress に掲載されている画像がアメリカでも有名なニュースサイト「Huzlers」でも使われているということがわかり同一人物によって運営されていることが明らかになった。Huzlersは「当サイトは、現実の衝撃と風刺を混ぜあわせ、読者を不信に陥らせることを目的としています」と堂々と公言している“デマ専門”のニュースサイトだ。Huzlersの創始者Pablo Reyes氏は、cartelpressはThe Washington Postにて友人と共に始めた新しいサイトだということを明かしており、サイトで生成されている嘘はユーザー主導で作られているものだと語っている。

Huzlersがトップページやサイトポリシーでフェイクニュースサイトであることを公言している一方で、cartelpressのサイト上にはそういった忠告は一切掲載されていない。。利用規約には「私達は、当サイトの掲載情報が完全であり正確であるように務めています。しかし、時に力が及ばないこともあり、不完全で正確でない情報を発信する時もあるでしょう。つまり、私達は当サイトにおける情報の正確性や完全性については保証しておりません」との記載だけ。“本当のことを伝えるつもりだが間違うこともある”という形でデマのニュースを流す行為は、Huzlers以上に悪質だといえるだろう。

『ポケモンGO』は、リリースされる前から「3Dポケモン図鑑forポケモンGO」「ゲットだぜ!ポケモンGO」といった多くのダミーアプリが生まれるなど、そのタイトルの存在感から、フェイクにつきまとわれ続けている経緯があるが、リリース後のニュースでもフェイクの影がゲームを追いかけているようだ。

『ポケモンGO』はアメリカ人にメートルの単位を認知させるなど、毎日驚くような伝説を築きあげており、その熱はまだまだ冷めることはない。しかし、“なんでもあり”の雰囲気に飲まれすぎて、面白そうなものをなんでもシェアをしてしまうと、たちまち混乱が生まれてしまうだろう。そして、最終的に何が本当であるかわからないという状態に陥りかねない。日本にかぎらず全世界の人々が、この『ポケモンGO』の事件を通じて、どの情報が正確であるかと認識できるよう、あらためてリテラシーを高めていく必要があるのかもしれない。

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