任天堂、「Joy-Conドリフト問題」を巡りフランス当局に約64億円支払いへ。“不具合把握後の情報発信が遅い”との指摘を受けて

Nintendo SwitchのJoy-Conのドリフト問題に関して、Nintendo of Europeがフランス当局と、3500万ユーロの制裁金支払いを含む和解に応じたことが明らかとなった。

フランスの競争・消費・詐欺防止総局(DGCCRF)は6月8日、Nintendo SwitchのJoy-Conにおけるいわゆるドリフト問題に関して、任天堂の欧州法人であるNintendo of Europeが3500万ユーロ(約64億円)の制裁金支払いを含む刑事手続き上の和解に応じたことを発表した。

Joy-Conのドリフトとは、アナログスティックに触れていないのに勝手に入力がおこなわれる現象のこと。内部パーツの何らかの不具合が原因だと考えられており、欧米では製品の構造的な欠陥だとして集団訴訟にも発展している。2020年に米国にて集団訴訟が提起された直後に、任天堂は同国内でのサポート対応を変更。ドリフトの症状が発生した場合、そのJoy-Conが保証期間内か否かに関わらず一律無料で修理するようになった。またその後、欧州でもEEA加盟国および英国・スイスで無償修理が提供されている(関連記事)。

今回DGCCRFは、2020年にフランスの消費者団体(UFC-Que Choisir、現・Que Choisir Ensemble)の告発を受けて調査をおこなってきたことを報告。DGCCRFの調査部門であるSNEは、任天堂がJoy-Con の不具合を把握した時点からではなく、2020年以降になって初めて情報を発信していたとの判断を示しているという。SNEは任天堂のJoy-Con のドリフトについての情報発信が遅く、かつ断片的であったとし、これによって消費者がアフターサービスの利用を思いとどまり、さらに一部の消費者が新しいJoy-Con を購入し直すことにつながったと判断しているとのこと。

SNEはそうした判断をもとに、2025年にナンテール検察局に調査結果を送付。検察官の同意を経て、消費法典L523-1条以下に基づく刑事手続き上の和解案としてNintendo of Europeに3500万ユーロの支払いが提示され、同社はこれを受け入れたという。また同社はフランス向けの任天堂公式サイトのトップページに声明を掲載することを承諾したとのこと。本稿執筆時点では掲載されていないものの、後日今回の和解に関する声明が掲載されるものとみられる。

欧米を中心に長らく問題となってきたJoy-Conのドリフト現象について、今回はフランス当局が調査に基づき、任天堂の情報発信に問題があったという判断を下した格好だ。なお任天堂はNintendo Switch 2のJoy-Con 2については、「全部イチからつくり直し」しているという。スティックはドリフト防止に定評あるホールセンサー式ではないものの(関連記事)、耐久性の向上もアピールされている。Joy-Conにおける課題も踏まえて、再設計がおこなわれた可能性もありそうだ。

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Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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