『The Tape』ある日、恐怖のビデオテープが送られてきた…映画「リング」の影響を伺わせるホラーゲーム


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第146回目は、『The Tape』を紹介する。本作は一人称視点のホラーアドベンチャーゲームだ。インディーゲームにおいては、星のような数の一人称視点ホラーゲームが日々登場しているが、本作はそのなかにおいても“恐怖のビデオテープ”という映画やドラマなどではありふれた題材をテーマに選んだ作品だ。

恐怖のビデオテープ

『The Tape』の主人公は、ある日ドアの下に奇妙なVHSテープが挟まれているのを発見する。テープにはタイトルなどは書かれておらず、どんな内容なのか、誰が送ってきたのかもわからない。軽い好奇心で古いVCRプレイヤーにてテープを再生した主人公は、この世のものとは思えない恐怖体験を味わうことになる。

本作に関する説明はほぼこれだけであり、ゲーム中にどのようなキャラクターが登場するのか、どのようなメカニックが搭載されるのかは明らかにされていない。一方でトレイラーのクオリティは非常に素晴らしく、映画「ザ・リング」を思わせるビデオテープ特有の擦り切れやノイズが入った映像は非常に怖い。

一人称視点ホラーゲームにおいて、幽霊やゾンビなどの「怪異」をどれだけ怖く描くかということはとても重要だ。インディーデベロッパーにとって、開発のリソース的に豪華絢爛なグラフィックや演出を描くことは難しい。実際に『The Tape』を開発している作者Irondust氏が現在Steam早期アクセスでリリースしている『Putrefaction』は、お世辞にも絶叫は挙げられないタイトルだ。

いかにそういったチープさを撮影手法やプレイ感覚でどうごまかすか、どうやって怪異に凄みを効かせるかは、ホラーゲーム開発において非常に重要である。そういう意味で、グラフィックの低いクオリティを隠すと同時に恐怖感を与えることができるビテオテープ風という演出は、なかなか興味深い試みである。

『The Tape』の発売時期や対象プラットフォームなどは一切不明だ。現在はSteam Greenlightに登録されている。