Steamで発売直前に「成人指定」されたゲームの開発者が“そんなにエッチじゃない”と困惑。無事解除され、“思わぬ宣伝効果”まで

発売前に突如としてSteam上で「成人指定(アダルトオンリー)」の扱いを受けたゲームが注目を集めている。

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パブリッシャーのWadjet Eye Gamesは9月23日にアドベンチャーゲーム『Nighthawks』を発売予定。発売が間近に迫るなか、9月13日、本作は突如としてSteam上で「成人指定(アダルトオンリー)」の扱いを受けることとなった。その後、開発元はValveは本作を実際よりもずっとセクシーだと思い込んでいるとして異議を申し立て。そして9月15日に本作の成人指定が解除された。開発元は今回の騒動についてストレスフルな数日だったと振り返りながらも、Steamのウィッシュリスト登録者数が「一夜にしてほぼ倍になった」と明かし、結果として“プラス”な出来事だったと語っている。PC Gamerが報じている。

『Nighthawks』はヴァンパイアをテーマとしたアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは自身の死から6か月後、ヴァンパイアとして蘇る。本作の世界では、ヴァンパイアの存在はすでに世の中に知られているが、人間社会はいまだにヴァンパイアを受け入れていない。プレイヤーは、人間とヴァンパイアが共存する唯一の都市へとたどり着くが、そこでも相互に疑念と不信が渦巻いていた。この退廃した街で、プレイヤーはアウトサイダーたちと交流しながら、あらたな人生を歩み始める。ナイトクラブを経営して一大帝国を築くことも、ヴァンパイアとして己の欲望や野心を追い求めることも可能。プレイヤーの選択によって物語は無数に枝分かれしていくという。

本作は2018年にKickstarterにてクラウドファンディングを実施し、目標額の12万5000ドル(現在のレートで約1900万円)を上回る13万6128ドル(約2100万円)を獲得していた。開発を手がけるのはThe Curiosity Engineで、パブリッシングは『Unavowed』や『The Excavation of Hob’s Barrow』などで知られるWadjet Eye Gamesが担当。ポイント&クリックやテキストアドベンチャーなどのジャンルで、物語性の高さで評価を集めてきたスタジオだ。

そんな『Nighthawks』は発売日を2026年9月23日に予定していたが、発売日が目前に迫った9月13日、突如としてSteamから成人指定(アダルトオンリー)の判定を受けたという。開発元によれば、本作は大人向けのゲームではあるものの、ヌードやセックスシーンといった描写に関しては非常に穏やかに作られており、あっても基本的にコメディタッチのものだという。Valveがまるで本作をポルノゲームのように扱っているとして、開発元は本作の成人指定を解除するようValveに異議申し立てをおこなっていた。

なお、Steamにおいては、成人指定のレーティングが付与されると、販売面で不利に働く可能性がある。成人向けゲームはデフォルトの状態ではSteamの検索結果に表示されず、表示するにはユーザーが年齢確認を済ませたうえでコンテンツの表示設定を変更する必要がある。また、一部の国では年齢確認にクレジットカードが必要になったり、発売そのものが不可能になる場合もある。実際に、本作の開発者であるRichard Cobbett氏によれば、『Nighthawks』が成人向けの扱いになったことでドイツなど一部の国で販売対象外になったという。

そんな『Nighthawks』だったが、9月15日に成人向けのレーティング指定が解除されたそうだ。開発者のDave Gilbert氏およびCobbett氏は、このようなことが起きた経緯はともかくとして、異議申し立ての審査をValveが迅速に進めてくれたおかげでゲームが予定通りリリースできるようになったと、Valveに感謝を伝えている。ただ、本作が成人指定を受けたことや、その後の変更理由について、Valveから明確な説明はなかったといい、本作が成人向けのゲームと判断された原因は謎のままとなっている。

ただ、この発売直前の混乱に反して、両氏は今回の出来事は結果的に「プラス」だったと受け止めているようだ。というのも、本作が突然の成人指定を受けたことで注目を集め、複数のメディアでも取り上げられた結果、Steamのウィッシュリスト登録者数が「一夜にしてほぼ倍増」したのだという。Gilbert氏は、抗議のためにウィッシュリストを登録したユーザーも多かったはずだと冷静な分析を交えながらも、「Steamのアルゴリズムに人気のゲームだと錯覚させた」と皮肉な喜びを伝えた。

一方で、Gilbert氏は、今回の問題が迅速に解決したのは、自身の人脈とファン層、そして影響力が比較的あったからだという考えを伝え、ほかの多くの開発者は同様の事態に直面しても、スムーズな解決は難しいかもしれないとの見解を示した。今回の一件を通じて、インディー開発者がこうした問題に直面する可能性があることをValveに認識してもらえたとして、今後はほかの開発者がより容易に対処できるように願っていると同氏は語った。

『Nighthawks』が、プラットフォーム側の判断によって突如として成人指定を受けたことは、Steamの不透明な審査基準の問題を改めて浮き彫りにしたといえる。Steamの審査をめぐっては、ホラーゲーム『HORSES』が、2023年に同プラットフォームでの販売を拒否されていたことが注目を集めていた(関連記事)。同作についてValveは「未成年が関与する性的行為」を問題視していると伝えられた一方、開発元は該当する描写は存在しないと反論。ただValveは再審査後も販売拒否の判断を維持しており、双方の見解は食い違ったままであった。

また、昨年7月にはSteamの開発者向けガイドラインが改定。「Steamで公開すべきではないもの」の項目に、「決済会社・クレジットカード会社の基準に抵触する可能性のあるコンテンツ、特に特定の種類の成人指定コンテンツ」が新たに追加され、その後多数の作品がストアから削除されていた(関連記事)。こうした基準の具体的な適用範囲が見えにくいSteamの審査に対しては、批判の声も多く寄せられる状況となっている。

とはいえ『Nighthawks』の一件に関しては、結果的にウィッシュリスト数の増加という“怪我の功名”ともいえる解決を迎えた。Gilbert氏が自ら語るように、今回の迅速な解決には同氏の人脈や影響力が関係した可能性があり、解除に至った具体的な理由も不明。少なくとも異議申し立てにより、当初の判断は見直されることになった。

『Nighthawks』は9月23日にPC(Steam/GOG.com)向けに発売予定だ。なお、日本語表記には現時点で対応していない。

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Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi

レトロゲームショップに入ると真っ先にセガサターンのコーナーを確認するタイプです。

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