Steamゲームの“デモ版の人気”、製品版でどこまで伸びるか大調査。「2~4倍ぐらい」が目安か

2024年1月から2026年8月に発売された作品の中から、デモ版のピークCCUが50人を超えたSteamゲーム2569本について調査がおこなわれた。

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マーケティング調査機関のGameDiscoverCoのSimon Carless氏は9月8日、ニュースレターを配信。Steamにおけるデモ版の同時接続プレイヤー数(以下、CCU)と製品版のCCUとの関係が分析されている。

同氏いわく、Steamゲームの多くで、デモ版からユーザーの関心度が分析されているこの時代に、デモ版のCCUと製品版のCCUとの間にどのような関連があるのかはこれまで本格的に調査されていなかったという。そこで同社は、2024年以降の1時間ごとのCCUデータと、2018年以降の日ごとのピークCCUデータを用いて、傾向分析をおこなった。

前提として、2026年のSteamで売上上位100位に入ったタイトルのうち、58作品に発売前のデモ版が存在したとのこと。上位20作品ではデモ版が存在する作品は『Windrose / ウィンドローズ』や『PRAGMATA』など計6タイトルと少ない一方で、81位から100位の帯域では4分の3にあたる15タイトルにデモ版が存在するそうだ。売上上位タイトルではデモ版が出る作品数が比較的少ない一方で、それより下の層ではデモ版が出ることは一般的となっている傾向がうかがえる。

Image Credit: GameDiscoverCo

そしてSimon氏は2024年1月から2026年8月に発売された作品の中から、デモ版のピークCCUが50人を超えたSteamゲーム2569本について調べた。なお、条件に当てはまる2569本は、同期間にSteamで発売された約5万5000本のうち、約4.7%にあたるものとなっている。調査の結果、デモ版のピークCCUに対する製品版のピークCCUの倍率は、中央値が3.01倍になったとのこと。

これを具体的に当てはめると、デモ版のピークCCUが200人であった作品であれば、製品版のピークCCUは600人ほどがひとつの目安となる。そして予約販売がないゲームだと仮定すると、大まかな換算では、初週に1万2000本、最初の1年で3万5000本の売上ペースが見込まれるという。

Image Credit: GameDiscoverCo

ただし、前述した3.01倍というのはあくまで中央値。たとえば『Dispatch』はデモ版のピークCCUが881人だったのに、製品版のピークCCUは20万9608人と、倍率は実に237.92倍に達する。そして『Megabonk』が160.45倍、『エスケープ フロム ダッコフ』が69.75倍と続いている。GameDiscoverCoはこうした作品が非常に強力なフックやゲームデザインにおけるループを備えているとして、デモ版の時点では良好な注目を集めつつ、製品版では非常に高いCCUを記録した例であるとの見方を示している。

なおSimon氏は、倍率上位の作品群に、俗にフレンドスロップと呼ばれる低価格でマルチ要素のある作品があまり含まれていないことにも言及している。これについては、もともと安価であるため、デモが用意されないまま発売されることも多い可能性を挙げた。ただし、『Abiotic Factor』や『LORT』のように、倍率の高い協力プレイ対応作品も存在することを伝えている。

Image Credit: GameDiscoverCo

なお、Simon氏は「より“普通”に近い」範囲のタイトルとして、中央値付近のランキングを紹介。3.3倍の『Road to Vostok』や、2.34倍の『Dead as Disco』などが並んでいる。一部外れ値は存在するものの、このゾーンの作品の多くは、デモ版時点でピークCCUとして数千人を集め、製品版でもその数倍の堅実なCCUを記録している。倍率上位の作品群とは異なる傾向も見られるわけだ。同氏は今回のデータから製品版のCCUを見積もる際には、2倍から4倍程度を基準にスタートするのがよいとの見解を伝えている。

とはいえ、『Drive Together』や『Ghostbane』のように、製品版のピークCCUがデモ版のCCUを下回った作品も存在する模様。これらの作品の特徴として、カジュアルなプレイヤー層には魅力的に映った一方で、製品版では「execution-light」、すなわちアイデアを十分に形にできていなかったのではないかと推察されている。ほかにも、デモ版でのマーケティングに集中させていたものや、相場に対して強気な価格設定をおこなったものなど、考えられる要因はさまざまあるという。

Image Credit: GameDiscoverCo

今回は、開発者がデモ版のデータを製品版のパフォーマンス分析に用いる際の一つの目安となりうるデータが示されたといえる。ジャンルや価格帯などの条件によっても左右されると見られるものの、自身のゲームと似た属性の作品が、デモ版と製品版とでどの程度の飛躍を遂げたのかを調べることで、分析に活かせる新たな発見もありそうだ。ちなみにGameDiscoverCoのニュースレターではこれまでに、たとえばウィッシュリスト登録数がどのように売上に繋がっているかを、評価や発売までの期間などさまざまな観点から比較するといった分析がおこなわれてきた(関連記事)。今回の分析も含めて実際に応用する際には個別の条件を踏まえて検討する必要があるものの、発売前に得られるデータから発売後のパフォーマンスを予測しようとする試みとして、今後も注目されるところだろう。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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