『NIKKE』絵師は新作『MIRESI』では“太ももを太くしすぎて時々自制する”。なので他を大きくして、それぞれの豊満へ。「セクシー+精巧3Dモデル+360度鑑賞」で切り開く地平線

本作の方向性やフェティシズムの表現、そして本作ならではのゲーム体験について話を訊いた。

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スマイルゲート・メガポートは9月17日から9月21日まで、「東京ゲームショウ2026」にて『MIRESI:視えない未来』のブース出展をした。ブースでは本作の試遊台を展示したほか、キャラクターたちのエピソードを描いたアニメーションを上映。さらに、ブース内のメインステージでは本作の魅力的なキャラクターたちに扮した人気コスプレイヤーがイベントを彩っていた。

本作は、基本プレイ無料のタイムトラベルRPGだ。『勝利の女神:NIKKE』や『セブンナイツ2』などの人気タイトルに携わった主要開発メンバーが設立したゲームスタジオ、CONTROL9が開発を手がけている。本作のアートディレクターを務めるのは、『勝利の女神:NIKKE』などで知られる著名イラストレーターのヒョルラ氏。同氏の描くキャラクターデザインを3Dモデリングで巧みに再現しており、没入感の高いビジュアルが特徴となっている。

本作の舞台は、複数の時空が交錯する世界。プレイヤーは「議員」として、滅亡の危機に瀕した世界を救うため、「エンデ」「ティエリア」「イツカ」といった個性豊かな少女たちと共に旅に出ることになる。戦闘システムには、作品のテーマである“時間”の概念を反映したリアルタイムターン制バトルを採用。キャラクターの配置や移動が勝敗を左右する、戦略性の高い体験が楽しめるという。

弊誌はこのたび、CONTROL9の代表で本作のディレクターであるチョ・スング氏、クリエイティブディレクターを務めるクォン・セウン氏、アートディレクターであるヒョルラ氏にインタビューを実施した。本作の方向性やフェティシズムの表現、そして本作ならではのゲーム体験について話を訊いた。

キャラクターひとりひとりに一球入魂のクオリティ

――それぞれ自己紹介をお願いします。

チョ・スング氏:
CONTROL9代表のチョ・スングです。『MIRESI:視えない未来』(以下、MIRESI)のディレクターを務めています。約19年間ゲーム開発に携わってきて、『リネージュ』シリーズや『セブンナイツ2』などを開発してきました。

クォン・セウン氏:
『MIRESI』のクリエイティブディレクターを担当しているクォン・セウンです。ゲーム業界には企画として約23年携わっていて、ボードゲームからコンソール、PCゲームまで、さまざまなゲームを開発して、代表作としてはPC版の『リネージュ』や『リネージュM』のディレクターを務めました。

ヒョルラ氏:
ヒョルラです。『デスティニーチャイルド』と『勝利の女神:NIKKE』のアートに携わり、現在は『MIRESI』のアートディレクターをしています。

――皆さんはご自身をどんなクリエイターだと思いますか。

チョ・スング氏:
私は挑戦的で、新しいことにチャレンジしていくタイプです。アイデアをただのアイデアで終わらせるだけではなく、それを実現させられるクリエイターだと思います。

クォン・セウン氏:
私は骨の髄までゲームの企画者だと思います。小さい頃からノートのページを破ってレーシングカーを作ってみたり、消しゴムを削ってさいころを作ったり、何かを作ることが好きでした。今も常に新しいものを作りたいと思っていて、『MIRESI』の戦闘システムもふたつの要素を組み合わせて新しいシステムを作っていますし、そういった部分が強みじゃないでしょうか。

ヒョルラ氏:
僕はとても“酷い”アーティストだと思っています。自分で表現したい方向性は決まっていて、それを追求するために常に向き合っています。ただ、そうしているとほかのアーティストから「ちょっとそれはやり過ぎじゃないか」と言われることがあります。ただ現在、シーンで自分のアートに対して「これでいける」ということはわかっていますので、常にその道を追求していきたいと思っています。

――『MIRESI』はUnreal Engineで描かれた3Dキャラクターの立体表現が凝っていて、ひと目でリッチさが伝わるグラフィックです。キャラクターひとりをとってもディテールの作り込みが凄まじいですが、どれぐらい気合いを入れて作っているんでしょうか。

ヒョルラ氏:
まず、モデリングはキャラクターによって変わってきますが約10万ポリゴンを基準としています。ボーン数に関しても230本ほど作っています。

――ポリゴンもさることながら、ボーン数はかなり多いですね。なぜそこまで力を入れているんでしょうか。

ヒョルラ氏:
それは初期段階から『MIRESI』を打ち出す方向性として、ある種ブランドイメージを作るようなかたちでキャラクターのグラフィックを追求するという目標がありました。なので、ひとつを見てもクオリティが高く作られています。キャラクターの人数はある程度は確保する必要はありますが、その必要な数の中でなるべくクオリティを上げていって、ユーザーの皆さんが満足いただけるようにしていきたいと思っております。

キャラクターごとに異なるフェティシズムを

クォン・セウン氏:
ヒョルラのアーティストとしての特徴としては、ひとつひとつの絵の密度が高いんですね。『MIRESI』ではその絵を3D化するときに、密度をうまく落とし込んでいます。この密度の高さが本作では重要で、本作のバトルではリアルタイムバトルとターン制バトルを組み合わせていて、いつキャラクターが止まってもキャラクターの表情が可愛く見えたり、ちょっと間抜けな顔をしていたり、そういった『MIRESI』だけの魅力をお届けするために力を入れているんです。

――ヒョルラさんの絵は可愛さもセクシーさもあります。『MIRESI』ではどの部分でフェティシズムを表現できたと思いますか。

ヒョルラ氏:
このキャラクターはこの部分を魅力にしようと決めて描くわけではなくて、そのキャラクターに合うところに一番似合うフェティシズムを詰め込もうと考えています。たとえばティエリアの場合、彼女は全身が衣服に覆われていつつも体のシルエットは見えるようになっています。その中でも強調する胸の部分を一番露出させるようなかたちで、アクセントになる部分を作っています。

ティエリア

イツカとエンデの場合はティエリアとは反対に、下半身の方に露出をもっていくようにしていて、また違った設計だとわかってもらえると思います。ちなみに、たとえばイツカに水着スキンを作るとして、髪を上げてうなじが見えるような、そんなフェティシズムをお届けすることも可能です。

イツカ

エンデ

――毎回キャラクターごとにこだわりポイントをそれぞれ決めるのは結構大変なのでは。

ヒョルラ氏:
大変ですが、テーマをひとつ決めて描くというのもデザイナーの仕事だと思います。自分はキャラクターの下半身を太めに描く傾向があって、しかもその描き方にずっとこだわってきていて、ある程度自然とどのキャラクターも下半身が太めになってしまうんですね。それで『MIRESI』は“太もものゲーム”みたいな感じになったとして、最初こそ注目はされると思います。

ただ、その後の展開でキャラクター作りの幅が狭まっていきますし、キャラクターの魅力を太ももだけに絞るのはもったいないですね。私には今後、いろいろなキャラクターの魅力を表現していく自信があったので、今作ではいろいろなフェティシズムを表現する方向性にしております。

――ヒョルラさんはキャラクターを描く際に「これはセクシーだぁ……」と思って描くんでしょうか。それとも自分としてはただの作品、芸術として世に送り出した結果、周りが「これはセクシーだ」と喜んでくれているんでしょうか。

ヒョルラ氏:
両方ですね。自分の好みとみんなの好みが重なったときに良いキャラクターが生まれるんだと思います。

たとえば、イツカの場合は個人的に太ももがもっと太くてもいいと思っていて。

――もっと!?これで!?

ヒョルラ氏:
最初は自分の理想の太さで描くんですけど、ほかの人に話を聞いて、あるいは自分の中でも一定のラインを超えるとちょっと大衆向けじゃないかな、というセンサーが働くんです。そこを上手く調整しながらアウトプットして今のイツカが生まれました。

――スングさんとセウンさんは『MIRESI』の3Dモデルのどこにセクシーさを感じていますか。

チョ・スング氏:
個人的には脚が好きですね。実は太い脚はそこまでなんですが……、先日公開されたアスタロトの脚も太いんですが、ヒョルラさんが描いた絵で見るとすごく可愛いらしく感じたので、ディテールによってセクシーな部分は異なってくるかなと思います。

脚だったらタイトジーンズを穿かせたり、ルーズソックスを履かせたり裸足にしたり、いろいろな表現ができる脚が一番魅力的じゃないでしょうか。

クォン・セウン氏:
特定のキャラクターのどの部位が好きというわけではなくて、そのキャラクターに合ったセクシーさがそれぞれにあると思います。一番重要なのは、キャラクターの体型に合った大きさや構造をしているのか、要は自然に見えつつセクシーさを感じられるのが一番大事じゃないでしょうか。

――『MIRESI』のようなモバイル対応のターン制のゲームにはUnityを採用することが多い印象です。本作はUnreal Engine、しかも5を採用しています。なぜUnreal Engine 5で開発することになったのでしょうか。

クォン・セウン氏:
開発を開始したとき、実はUnreal Engine 5が注目を集めていた時期で、NaniteやLumenといった機能をおもに使っています。Naniteは背景などを含めたすべての素材に採用していますね。『MIRESI』では、ヒョルラのアートを3Dでなるべくうまく表現するために必要なものだと思っています。

――なぜNaniteやLumenを導入したかったんでしょうか。ゲームに何らかの効果を与えたかったんですか。

クォン・セウン氏:
Lumenはビジュアル的な効果として必要でした。シェーディングするときにUnityの場合は別の機能の追加開発が必要なんです。本作ではヒョルラのアートのシェーディングに力を入れていて、そのクオリティを高めるためにはUnreal Engine 5を使った方が、今後の最適化のことまで含めて効率が良いと判断しました。

――Unreal Engine 5を使っているということで、ヒョルラさんはアニメ調だけどちょっとリアルにもしたいという気持ちもあったと。

ヒョルラ氏:
自分の画風がリアル寄りを追求しているところもありますので、そういう気持ちはありますね。そもそも自分の画風を自然に3D化するのに、そうせざるを得ないところもあるかと思います。

推しキャラを好きな顔、好きなポーズで残せる「フィギュアシステム」

――本作は可愛らしい女の子たちが目を引きつつ、リアルタイムにターン制を組み合わせた本格的なゲームシステムを採用されています。プレイヤーにはしっかりと腰を据えて遊んでほしいのでしょうか。

チョ・スング氏:
本作はキャラクターコントロールのようなプレイヤースキルで攻略していくようなゲームではなく、思考と戦略性で攻略していくゲームを目指しています。でもひとつのバトルに腰を据えて挑まないといけない、すごく時間がかかるゲームにはなっていません。たとえば、ステージの推奨を超える戦闘力をもっている場合は簡単にクリアできます。逆に戦闘力が推奨より低くても、ちゃんと考えて戦略を練って戦うことでクリアできるというところを目指しています。

オート機能もあるので普段はサクサクと進めて、壁に当たったときに思考と戦略を駆使して強敵に挑んでほしいですね。あとは、本作をもっとじっくり深くプレイしたいという人にも満足できるようなコンテンツも用意しています。

クォン・セウン氏:
補足すると、一般的な育成系RPGは戦闘力が高ければ敵を簡単に倒せるのは当たり前だと思います。でも『MIRESI』にはちょっと違った点があって、敵と自分の戦闘力が同等だった場合、ほかのゲームと比べて攻略の幅が非常に広くなっています。リアルタイムで戦闘が進行していく中で、キャラクターの配置が少しでも異なるだけで戦略が変わってくるんです。その幅の部分が味わい深いゲーム性になっていると思います。

――ベテランゲーム開発者である皆さんから見た、『MIRESI』だからこそ提供できるユニークなゲーム体験はどの部分ですか。

チョ・スング氏:
本作には、ほかのゲームでは体験できない戦闘システムを採用しています。そして、“時間”というキーワードを軸とした世界観やストーリーがあり、戦闘システムも含めて時間という軸で繋がっています。あとはヒョルラの密度の高い2Dアートを、クオリティの高い3Dで楽しめるようになったのもポイントだと思います。あと、本作には「フィギュアシステム」というものがあります。リアルタイムで進む戦闘中に推しキャラクターの好きなポーズをしたときに止めて、それをフィギュア化できる機能なんです。これも本作ならではのゲーム体験じゃないでしょうか。

ちなみに、他社のゲームでフォトモードがある作品は、格好良いシーンを上手く撮れるじゃないですか。でも、『MIRESI』の場合はいつでも撮れてしまうので、たまには情けない顔も撮れるんですよね(笑)

――ヒョルラさんはキャラクターが情けない顔をしているのはOKなんでしょうか。アーティストの方は気になりそうなところですが。

ヒョルラ氏:
たとえば、スポーツでVARで試合映像を止めてチェックをすることがあるじゃないですか。良い表情もあったり、たまたま変な顔になってしまっていたり。いつも可愛い表情で撮られたいというのは本心ですが、技術的に無理なのは承知していますので……。でも、本作のキャラクターデザインを好んでくれるユーザーでしたらそれはそれで楽しんでくれるんじゃないでしょうか。それが本作で笑える要素のあるコンテンツとして採用するのであれば、アーティストとしては問題ないですね。ぜひ楽しんでほしいです。

――なるほど。

ヒョルラ氏:
ちなみに、表情の話ではないんですけど、開発チーム内でも同じような話があったんですよ。バグではないけどなんかおかしく見えると。そこで開発チーム内で開発を進めながらひとつずつおかしいところを調べて、モデリングが変に映らないように努力をしています。

クォン・セウン氏:
個人的に『MIRESI』で一番推したいところが好感度システムですね。いろいろな作品で採用されているシステムではありますが、本作の場合は好感度が上がるにつれて、目に見えて好感度が上がっているとわかるような体験にしたいと思っております。呼び出したキャラクターとの好感度が低いうちだと気まずい雰囲気になりますが、好感度が上がるにつれていろいろ親密になった様子を見せてくれるんです。そういったインタラクションが変化するところも力を入れていく予定ですので、楽しみにしてください。

ヒョルラ氏:
ふたりが本作の良いところをしっかり紹介してくれたので自分のことになりますが……、私だけがお届けできるアートを皆さんにお届けできるかなと思っています。私は人とはちょっと違ったフェティシズムをもっているとは思っていますが……、それがハマる人にはきっとご満足いただけるはずです。

――ありがとうございました。

『MIRESI:視えない未来』は、iOS/Android/PC向けに基本プレイ無料で配信予定。公式サイトにて事前登録を受付中だ。

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