大ヒット協力おっさんドライブ『RV There Yet?』、実は「息抜き」で作られていた。本命ゲームから“現実逃避”、2か月ちょいでマッハ開発

当時のメインプロジェクトの息抜きに作られた作品であったという。

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Nuggets Entertainmentが手がけた協力型アドベンチャーゲーム『RV There Yet?』は、発売後たちまち10万人を超える同時接続プレイヤー数を記録し一躍人気作に。開発者によれば、そんな本作は当時のメインプロジェクトの息抜きに作られた作品であったという。

『RV There Yet?』は、最大4人プレイに対応する、協力型アドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)。プレイヤーたちは、休暇に山奥のマバッツ渓谷でキャンプを満喫しに来たおじさん。ところが帰路につく際には、トラブルによって来た道が使えなくなっていた。そのためキャンピングカー(RV)を運転して迂回路を進み、ときにはアイテムや車搭載のツールを用いて、道を切り開いたり車を修理したりして帰宅を目指す。

本作は10月21日にリリースされ、同月25日には10万人の同時接続プレイヤー数を記録。そして発売からわずか4日間で100万本の売上を達成したことを発表していた。ユーザーレビューではこれまでに約6万8000件のレビューを受け、うち90%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。『R.E.P.O.』や『Peak』といったいわゆる「フレンドスロップ」と呼ばれる類の作品として、2025年のヒット作となった(関連記事)。

海外メディアGamesIndustry.bizは6月23日、Nuggets Entertainmentの共同創設者であるTim Badylak氏とKristoffer Andersson氏が語った本作開発の舞台裏について、5月に開催されたゲームイベント「Nordic Game 2026」での発言も交えて報じた。なお両氏はともに『Satisfactory』や『Goat Simulator』の開発元として知られるCoffee Stainの出身だ。

二人がCoffee Stainを離脱してNuggets Entertainmentを共同設立した後、スタジオでは農業シム『Among The Wild』を開発していた。しかし開発から4年半が経過し、チームは完全に燃え尽き状態にあったという。気が狂いそうになりながらも自分に言い聞かせてひたすら取り組み続けていたが、あるとき限界が来たという。

『Among The Wild』

そうした流れで、スタジオでは『RV There Yet?』のコンセプトが支持を集め、『Among The Wild』の完成まで待つのではなく、新作に取り組むことにしたそうだ。そのときBadylak氏は、『Among the Wild』を今すぐ作る必要はないが、『RV There Yet?』のほうは今すぐ作ったほうがよいかもしれないと言い切ったといい、そのことを誇りに思っているそうだ。同氏は「The momentum was key(勢いが重要だった)」と語っている。

実際の開発は、チームの残りのメンバーが休暇をとっている間に、4人のメンバーでおこなわれたという。チームは1週間でゲームの核となる部分を固め、当時にはすでにRVやウィンチのシステム、そして喫煙要素などが実装されていたとのこと。その後、約8週間で『RV There Yet?』の完成にまでこぎつけることとなった。

これほどまでに早く完成させられた理由について、Badylak氏はチームが『Among The Wild』の開発を通して少なくとも4年半ともに仕事をし、なかには10年以上前から関係のある者もいたことを説明。チームの絆や共に育てたユーモア、そして創造性の文化がなければ『RV There Yet?』を作れなかったとしている。また開発スピードを上げることができた工夫として、イエスかノーかの判断を迅速に下すというチームの姿勢があったという。30分ぐらいで分からないものは、ゲームに入れるべきではないとの考えのもと、すばやく決断する方針をとっていたそうだ。そうした、数週間しかかけることができないという時間的な制約に加えて、『RV There Yet?』のアイデアに対してスタッフたちの熱意がずっと続いていたことも要因だったと振り返っている。

なおNuggets Entertainmentは今年3月に新マップを制作中であることを発表しているが、これが本作最後の大型アップデートになり、その後は別のプロジェクトに移る予定だという。何を制作するべきか見極めるのには時間がかかるかもしれないとBadylak氏は話しており、『Among the Wild』の開発に戻るか、新作を作るかは決まっていないそうだ。ただ、スタジオにとって『Among the Wild』は今でも特別なゲームであり、挑戦する価値があると考えているとのこと。過去のような難航に陥ってしまうのが怖いともしつつ、燃え尽きればまた新しいゲームを作ることができるとして、それこそがまさに私たちがすべきことなのかもしれないと語っている。

『A Short Hike』

『R.E.P.O.』や『Peak』といったいわゆる「フレンドスロップ」と呼ばれる類の作品として、大きな人気を獲得した『RV There Yet?』。メインプロジェクトの開発から離れて素早く作られたからこそ、流行に乗り多くのユーザーに遊ばれたといえそうだ。ちなみに同様の経緯で生まれた作品としては、Steamユーザーレビューで1万9000件中99%という高評価を獲得しているアドベンチャーゲーム『A Short Hike』などがある。同作は、RPG作品の開発に疲弊した開発者が、息抜きとして自然をテーマにした作品を作る中で、本格的なタイトルへと発展していったという経緯がある。困難なプロジェクトから逃避してゲーム開発の楽しみに立ち返ることは、思わぬヒット作を生む可能性を秘めているのかもしれない。

『RV There Yet?』はPC(Steam)向けに配信中だ。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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