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突然大ヒット中のデッキ構築ローグライク『Gambonanza』開発者、売上詳細データを公開し「成功理由はよくわからない」と困惑。鳴かず飛ばずの過去作から一転、謎ヒット
個人ゲーム開発者のBlukulélé氏は5月19日、今月リリースしたばかりの新作『Gambonanza』の売上推移などについて共有した。

個人ゲーム開発者のBlukulélé氏は5月19日、今月リリースしたばかりの新作『Gambonanza』の売上推移などについて共有した。売上の推移や、ウィッシュリスト登録件数を伸ばすために取り組んだこと、手元に残った収益などの数字が明かされた興味深い報告となっている。
『Gambonanza』はチェスをモチーフとしたデッキ構築型ローグライクゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/iOS/Androidで、ゲーム内は日本語表示に対応している。プレイヤーは特殊な効果を持つ駒やタイルを集めてシナジーを構築し、敵の駒を獲ってステージを攻略していく。なかでも「ギャンビット」と呼ばれる特殊能力の存在が特徴で、特定条件を満たすことで敵のターンをスキップするなど強力な効果を発揮できる。
同作は5月1日にリリース。リリースから半月後の5月16日には、Steam版とモバイル版の合算で売上が20万本を突破したことが伝えられるヒット作となった。そんな同作の売上やSteamウィッシュリスト登録件数の推移について、Blukulélé氏はXにて報告を実施。同氏によると「本当の数字を共有したかった」そうで、さまざまな数字を交えつつ『Gambonanza』が売上を伸ばしていった経緯が語られている。
過去作は“合計売上700本”
まずBlukulélé氏は、これまで手がけた過去作の売上について言及。同氏はこれまでツインスティックシューター『OVERWHELMED』とタワーディフェンスアクション『Sunstone War』の2作品をSteamでリリースしているが、売上は両作あわせて700本に達しない程度だったという。前作の発売時点のウィッシュリスト登録件数は2000件程度だったそうで、それほど大きな収益には繋がらなかったようだ。
一方、過去作とは桁違いのヒットとなった『Gambonanza』では、まず発表当初からウィッシュリストの登録件数の伸びが驚くほど好調だったという。ストアページ公開からわずか5日で、前作を大きく上回る3500件のウィッシュリスト件数を記録したそうだ。その後も順調に数字を伸ばし、3週間で1万件を突破。ストアページ開設の1年後には6万件に達し、そこから半年でウィッシュリスト20万件に到達したという。

とんとん拍子の注目
ウィッシュリストの登録件数が好調だった理由について、Blukulélé氏はまず発表トレイラーがYouTubeなどのSNSで注目されたことをあげている。本稿執筆時点で、同氏の過去作のトレイラーの視聴回数がそれぞれ数千件程度なのに対し、『Gambonanza』発表動画の視聴回数は約58万回だ。かなり広く視聴されたことがうかがえる。公開当時のBlukulélé氏のYouTubeチャンネル登録者数はわずか12人だったそうで、動画の伸びはまったく想定外だったという。またトレイラーはXでも注目を集め、このふたつのプラットフォームを中心に発表初期の知名度を伸ばすことができたそうだ。
しかしBlukulélé氏自身はなぜ『Gambonanza』の動画が伸びたのかについては、理由を掴めていないとのこと。同氏はポストに寄せられた質問に答えるかたちで、成功の理由については「正直なところランダムな気がする(It still feels a bit random to me honestly)」と語っている。本作のコンセプトや魅力がなんらかの理由でユーザーに響いたと思われるが、同氏自身にもはっきりした答えはないようだ。いずれにせよトレイラーが注目を集めたことで、『Gambonanza』は発表から一日1000件を超えるウィッシュリスト登録を稼ぐことができ、初期の勢いを得ることができたという。

またSteamでのイベントの参加もウィッシュリストを伸ばすのに有効だったそうだ。Blukulélé氏はSteamで2025年7月に開催された、ストラテジーゲームのイベント「TactiCon 2025」にデモ版を出展。まだ開発初期のバージョンでバグが多いことが分かっており、プレイヤーの反応が怖かったそうだが、結果的には大きな反響を得られたとのこと。一週間で6240件のウィッシュリスト登録があり、知名度の向上に役立ったそうだ。さらにリリース前に2026年2月のSteam Nextフェスに参加した際は、当時10万件のウィッシュリスト登録があったところ、フェスの終了時には13万8000件まで伸びたそうだ。全体として、Steamのイベントへの参加は効果的な施策だったという。
そうしてウィッシュリスト登録数は順調に伸びていき、2026年5月1日のリリース時には20万件のウィッシュリスト登録件数があったそうだ。そんな『Gambonanza』は、最初の24時間で2万本を売り上げたとのこと。そして初日を終えても勢いは衰えず、発売4日で5万本に到達し、8日で10万本を突破。発売から14日経った時点で、約13万本まで売上を伸ばすことができたそうだ。またモバイル版も2週間で7万本の売上があったそうで、Steam版との合算で20万本の売上になったそうだ。

人生を変える成功に
ウィッシュリストのコンバージョン率は12.1%だったそうで、アップデートやセールを待っている潜在的なプレイヤーがたくさんいると考えているという。また同氏は予想していなかった点として、リリース後もウィッシュリスト登録件数が伸び続けたことを挙げている。配信時点の20万件より数が増え、現在では30万件のウィッシュリスト登録があるそうだ。口コミのほか、SNSでシェアされた面白い瞬間を見たり、ストリーマーの配信で興味をもったりした人たちがやってきており、興味をもつ人が増えていると感じているとのこと。
そしてBlukulélé氏は収益についても明かしている。税金やプラットフォーム手数料などもろもろを差し引き、手元に残る金額として約22万ドル(約3500万円)を得たという。個人開発者としてはかなりの大金であり、同氏にとって人生を変える成功になったそうだ。「しばらくのあいだ経済的なプレッシャーを感じずにゲーム作りに集中することができる」として、遊んでくれた人や口コミを広めてくれた人、フィードバックを送ってくれた人など、すべてのプレイヤーに感謝の言葉を伝えている。またパブリッシャーも助けになったそうで、Stray Fawn とSidekickとの契約はマーケティングや数字の面のみならず、Blukulélé氏の体調管理も含めたゲーム制作全体に有益だったとのことだ。

最初の2作では商業的な成功とはいかなかったものの、3作目で大きな収益を手にしたBlukulélé氏の『Gambonanza』。同作が注目を集めた理由自体にはBlukulélé氏にも確信はないようだが、初期のトレイラー公開から勢いを手にし、Steamのイベントに参加するたびに勢いを増していったという経緯のようだ。同氏は商業的にはあまり振るわなかった過去作の開発経験も役立ったと語っており、本作の開発では過去に学んだことをすべて活かせたと感じているという。
同氏は成功に喜びつつ本作の開発を続けているようで、まもなくバージョン1.2.0をリリース予定とのこと。バージョン1.3.0も計画にあり、その後は少し時間を取って休み、リチャージする予定だという。人気を博した『Gambonanza』とBlukulélé氏の今後の展開も注目されるところだ。
『Gambonanza』はPC(Steam)/iOS/Android向けに配信中。 ゲーム内は日本語表示に対応している。
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