発売後すぐスタジオ閉鎖された『The Day Before』、非正規Steamキー販売サイトにて数万円で販売され始める。わずか4日で販売中止の“希少価値”からか

 

非正規のゲームキー販売サイトにて、『The Day Before』のゲームキー(製品コード)の価格が高騰を見せている。同作は発売からわずか4日足らずで開発元FNTASTICが閉鎖を発表。早々に販売中止となったことで希少価値を見込んだ値段設定がおこなわれているようだ。Kotakuなどが報じている。


『The Day Before』は、パンデミック後のアメリカ東海岸を舞台とするオープンワールドサバイバルMMOと標榜されていた。2021年1月に発表されたのち、SteamDBにおけるSteamウィッシュリスト登録者数で1位になるなど大きな注目を集めた。幾度も発売延期を重ねながらも12月8日にPC(Steam)にて早期アクセス配信開始。一方でサーバー問題や品質面などの課題を数多く抱えていたことから多くの不評が寄せられる結果となった。

そうしたなかで開発元のFNTASTICはスタジオを閉鎖し、『The Day Before』の開発を中止すると発表。あわせてSteamでの本作の販売も停止されている。

そんな本作のゲームキーの価格が、非正規のゲームキー販売サイト(いわゆる鍵屋)にて高騰していることが注目されている。弊誌で確認する限りでは、本稿執筆時点では500ドル(約7万円)以上で本作のゲームキーが販売されているサイトが複数見受けられる。Steamで販売されていたときの定価は39.99ドル(国内向けには4500円)であったため、かなりの高騰ぶりだ。


本作は先述のとおり品質面にさまざまな課題を抱えており、さらに開発中止が決定しており今後アップデートもおこなわれない見込みだ。そうした作品の価格が高騰している点は奇妙に思える。

ただFNTASTICは閉鎖発表の際に、先行きは不透明ながらサーバー自体は稼働し続けると伝えており、現時点でもプレイ自体は可能と見られる。また作品が12月8日から12日までの約4日間しか販売されなかったことで、流通しているゲームキーは相当少ないだろう。


非正規のゲームキー販売サイトでは基本的に、登録・承認された販売者であれば自由に値付けしてキーを販売可能なようだ。そのため本作においては、物珍しさからプレイしたいといったユーザーや、コレクション需要なども見込まれて高い価格設定がなされているのかもしれない。実際に購入されているかは不明ながら、そうした需要を見越した値付けがおこなわれはじめたと見られる。

なお非正規のゲームキー販売サイトでは個人間で取引がおこなわれることもあり、購入したゲームキーのやり取りのほか、クレジットカード情報の扱いなどを巡ってトラブルに発展するケースが問題視されている。またそもそもゲームキーの出所が不明瞭であり、不正な手段で調達されている可能性も考えられる。PCゲームを購入する際には正規の販売サイトを利用するか、各プラットフォームで購入するのがよいだろう。

【UPDATE 2023/12/22 20:05】
FNTASTICは『The Day Before』のサーバーを現地時間1月22日に停止することを発表した。

https://twitter.com/playdaybefore/status/1738112110385914052