『メイプルストーリー』公式、「寝ながら狩りをできるアイテムを求めた」として謝罪。公式SNS運用の難しさ


『メイプルストーリー』公式Twitterアカウントは10月17日、本日午前9時59分頃に投稿したツイートについて謝罪した。「寝ながら狩りをできるアイテムを求めた」からのようだ。

『メイプルストーリー』はネクソンが手がけるオンラインRPGだ。日本でのサービスは2003年から続いており、MMORPGとしてはかなり長寿タイトル。さまざまなアップデートがなされており9月のアップデートではマイホームを実装。今でも数多くのユーザーからプレイされている。


同作公式Twitterアカウントでは、同作のマスコットキャラであるメイプルキノコがゲーム情報を発信している。かわいらしいゲームの雰囲気を表すかのような、ゆるめのつぶやきが日々投稿されている。問題となったのは、本日のツイートだ。メイプルキノコは現実の季節が秋になったことにふれ、眠いことを表明。「寝ながら狩りができるアイテム」を求めたわけだ。


一見するとなんの問題もないゆるいツイート。しかしながら、一部ユーザーからは批判の返信あり。というのも、「マクロツールの使用を推奨しているのではないか」との意見が寄せられているのだ。

マクロツールとはさまざまな意味があるが、オンラインゲームにおいてはアプリケーションソフトウェアの自動操作を可能にする補助ツールとして認知されている。諸入力操作を自動化および反復化することで、プレイしていない間でもいわゆる「稼ぎ」などのゲーム内活動が可能となる。入力せずとも操作を可能となることで、ゲーム内経済のバランスが崩れたり、サーバーの負荷を増大させたりなどさまざまな問題を抱えており、多くのオンラインゲームにて禁止されている。

『メイプルストーリー』もマクロツールに悩まされるタイトルのひとつ。ネクソン公式も不正プレイとして「自動操作によるプレイ(マクロ)」をあげており、そうしたプレイをするアカウントについては利用制限をおこなうことを示唆しているほか 、ゲーム内でもマクロツール防止の対策やマクロツール利用者への処分がおこなわれている。マクロは同作が長年対策をとっている不正のひとつなのである。そしてユーザーからの関心も高いトピックでもある。

そんな中で「寝ながら狩りできるアイテムないぷる?」としたメイプルキノコの投稿が、マクロ示唆ではないかと取り沙汰されたようだ。同ツイートの返信欄は、特定のマクロユーザーの報告やマクロ示唆への不満などが寄せられている。同ツイートについて、『メイプルストーリー』公式Twitterアカウントは引用RTにて「誠に、申し訳ございません。マクロのことを指してるわけでないですぷる。」とコメントしている。問題のツイートから約4時間のスピード対応であった。


公式Twitterアカウントが「マクロ」について言及することも、謝罪時の語尾について「ぷる」をつけるのも珍しく、多くの人々の注目を集めているようだ。最初のツイートについては、直接的にマクロ推奨を示唆しているわけではない。運営として触れないでおくこともできていたはず。わざわざ目立つかたちになっても後から言及・謝罪したということは、「マクロを推奨している」と誤解されることが看過できなかったのかもしれない。結果的に、一連のツイートには怒りというより「笑った」という声が多く届けられている。ある種の誠実さがユーザーに伝わったのかもしれない。

余談となるが、公式Twitterアカウント運用にてキャラクターをもっている場合は、謝罪時の使い分けが重要になるだろう。たとえば『スプラトゥーン』公式Twitterアカウントは、普段は「で・ある調」でつぶやくが、お詫び時には「です・ます調」となる。『メイプルストーリー』公式Twitterアカウントは、以前より普段の告知にもお詫び告知にも語尾に「ぷる」をつけている。この口調により、謝罪時には愛嬌を感じ得る一方で、ふざけているとの指摘を受けることもある。公式Twitter上での人格調整は、どの企業も苦労していそうだ。


『メイプルストーリー』はPC向けに基本プレイ無料で配信中。モバイル向けには『メイプルストーリーM』も配信されている。



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