株式会社ポケモンは9月7日、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下、ポケモンSV)の新情報を公開した。新映像含め多くの情報がお披露目されたが、ある点が注目を集めている。それはボーマンダが地上に足をつけていることである。
ボーマンダはドラゴンポケモンだ。初登場は『ポケモン ルビー・サファイア』。タツベイ、コモルーを経て進化する最終形態である。合計種族値は600を誇り、とくに攻撃力が高い。ドラゴンタイプとして過去作でも並々ならぬ強さを誇ってきた。一方でボーマンダの描写については賛否両論が存在していた。それは浮いていることである。
ボーマンダは初登場時含め2Dでは地に足をつけていた。しかし『ポケモン』シリーズは『ポケモンX・Y』より3Dモデルを採用。その際にボーマンダを含む飛行・浮遊要素のあるポケモンの多くは“浮く”姿として描写されてきた。それぞれのポケモンの飛行・浮遊要素がはっきり確認できるようになった一方で、「宙吊りにされているようだ」という意見も根強かった。
ボーマンダは『ポケモンX・Y』より待機モーションなどは浮き状態に。状況によっては地上に足をつけることもあるものの、近作ではよく見る場面では基本的には宙吊り状態であった。ボーマンダ自体がもともと2Dでは座っているかのような待機モーションだっただけに、そのまま吊られているようにも見えなくはない。人気ポケモンだっただけに、こうしたモーションは賛否あったのだろう。
しかしながら今回公開された『ポケモンSV』新映像では、ボーマンダはなんと地に足をつけている。しっかり大地を踏みしめているボーマンダの顔は、どこか嬉しそうだ。隣ではワタッコも地に足を付けて跳ねている一方でファイアローは宙を羽ばたいており、特に鳥ポケモンが飛ぶような変化となるのかもしれない。こうした点がSNSなどでは注目されているようだ。ボーマンダは人気ポケモンであり、対戦環境でも活躍したポケモンなだけに、単純に同ポケモンの参戦自体も喜ばれているのだろう。
ちなみに『ポケモンSV』で「立った」と報告されたのは、ボーマンダだけではない。同じく長年宙に浮いており、その描写に賛否があったシビルドンも地に足をつけることに成功している(関連記事)。シビルドンはとくせいとしてふゆうをもっており、3Dモデルになった際に宙吊り描写に変化。そして『ポケモンSV』で地に足をつけることに成功した。パターンとしてはボーマンダとシビルドンはかなり似ている。前述したようにファイアローは飛翔状態で描かれている以上、すべての飛行・浮遊ポケモンが地に足をつけているわけではないだろう。
となると、それぞれのポケモンにあった描写を個別に見直しているのかもしれない。だとすれば、最新作は旧来の『ポケモン』ファンにとっても嬉しい作品になりそうである。なお一部SNS上で常に「立て」「立つな」と議論されているニャオハは今回の映像でも鎮座したままであった。ここまで立つ描写に注目されていると、ニャオハとしても立ちづらそうである。
新ポケモンだけでなくおなじみのポケモンたちの描写もこだわられている『ポケモン スカーレット・バイオレット』は、11月18日発売予定だ。
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