『幻塔』のキャラモーションに『原神』からのコピー疑惑が浮上。ただし“繰り返す歴史”を感じる者たちも

Level Infiniteは8月11日、『Tower of Fantasy(幻塔)』のiOS/Android向けサービスを開始した。さっそく盛況の気配を見せているほか、本作のキャラクタークリエイト機能などがSNS上で注目されつつある。一方、海外掲示板Redditでは、本作と『原神』のキャラモーションを比較する動画が投稿され、議論を呼んでいるようだ。

Level Infiniteは8月11日、『Tower of Fantasy(幻塔)』のiOS/Android向けサービスを開始した。さっそく盛況の気配を見せているほか、本作のキャラクタークリエイト機能などがSNS上で注目されつつある(関連記事)。一方、海外掲示板Redditでは、本作と『原神』のキャラモーションを比較する動画が投稿され、議論を呼んでいるようだ。

【UPDATE 2022/8/13 22:16】
記事タイトルの表現について修正


『幻塔』は基本プレイ無料のSFオープンワールドRPGだ。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)およびAndroid/iOS。SteamおよびEpic Gamesストア向けには、後日リリース予定。舞台となるのは、地球を離れた人類が移住したアイダ星だ。人類はこの星で大災厄に見舞われるも、その生き残りたちは荒廃したアイダ星で力強く生き続けていた。プレイヤーは、そうした生き残りのひとりとして、人類の未来をかけた冒険を繰り広げることになる。

本作には大自然やサイバーパンクを感じさせる街などさまざまなロケーションが存在。プレイヤーは乗り物なども駆使しつつ自由に世界を駆け巡り、探索や釣り・狩りなどのアクティビティを楽しめる。また、戦闘はアクション性重視となっており、多彩な武器を組み合わせての戦闘スタイル構築といったシステムを導入している。

本作は中国生まれ・オープンワールドARPGといった点や、その内容の相似から人気タイトル『原神』になぞらえられることも多い。そうした中、『幻塔』におけるキャラモーションが『原神』に似ているとして、海外掲示板Redditに比較動画が投稿されている。


上の投稿は、『幻塔』と『原神』のキャラの、攻撃などのモーション比較動画だ。そっくりとはいい難いものの、武器をおさめる際のモーションなどには似通った動作も存在。やや恣意的な面も感じるものの、描画の雰囲気も含めて共通点は感じる映像だ。ただ、同スレッド内では「似ていない」「似ている」と両論が見受けられ、「モーションというより全体が似ている」とする旨の声もある。

ただ、モーションの類似性を強く感じるユーザーもいるようで、スレッド内には「モーションがコピペ(copy pasted)」であるとの感想も。ユーザーの感じ方はそれぞれであるものの、全体として『幻塔』はどこか『原神』に似ているとする意見が多数のようだ。そして、「『原神』もリリース時にまったく同じ批判を受けた」と指摘するユーザーもいる。

上のスレッドは『原神』のリリース当時、2020年10月に投稿されたスレッド。投稿者が提示したのは、『原神』に登場するノエルと『ニーア オートマタ』に登場する2Bについて、攻撃やダッシュなどのモーションを比較した動画だ。スレッド内には、『原神』には複数のゲームからコピーした寄せ集めた要素が見られるとの意見が寄せられている。特に、動画での『原神』側のダッシュモーションは、2Bによく似ているとの声が散見される。ほか、スレッド内には『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』との類似点を指摘するユーザーも。以上のように『原神』にもリリース当時、さまざまなゲームに似ている、という声が上がっていたわけだ。

ちなみに、スレッド内ではあるユーザーが、そうした指摘が的外れではないとの見解を示している。同ユーザーによると、当時の『原神』のユーザー向けアンケートにおいて、同作が影響を受けたと見られるゲームがリストアップされていたとのこと。すなわち、『原神』開発元であるmiHoYoも、さまざまな作品の影響を自覚しつつ開発にあたっていたとの見解だろう。特に『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』については、miHoYoの開発陣が自ら『原神』開発において大きな影響を受けたゲームのひとつとして名前を挙げている(IGN)。

『原神』


新規ゲームが制作される上で、過去の傑作などの影響を受けることは少なくないと思われる。一方で、長期間にわたって運営されるゲームは、人気作品を真似するだけでは立ち行かないだろう。『原神』はリリースから2年弱が経つ現在でもその人気を保っており、破格の売上を計上していると見られる(関連記事)。そうした成功は、miHoYoがほか作品の影響を受けるだけに留まらず、『原神』を独自の作品として育ててきた結果とも考えられる。

『幻塔』には、モーションの一部に限らず多岐にわたって『原神』の影響が垣間見える。また、もともとユーザーから『原神』と同ジャンル作品としての期待を受けていた面もあり、両作が比較されるのは仕方がないだろう。

一方で『幻塔』には『原神』との差別化が図られている部分もあり、SF要素などによるデザイン面のほか、シームレスマルチプレイや数十人単位でのボス討伐など、マルチプレイコンテンツ面などが挙げられる。『幻塔』が今後、そうした独自の持ち味をいかにして発揮していくのか。そしてそれは、ユーザーに受け入れられるのか。新たな中国生まれのオープンワールドARPGの今後に注目していきたい。

『Tower of Fantasy(幻塔)』
Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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