『エルデンリング』の“嫌われトリオ”がひっそりと弱体化か。悪逆非道暴力軍団が更生、褪せ人の気持ち考える

 

『エルデンリング』にて多くのプレイヤーの憎しみを集めたとある敵が、ひっそりと弱体化されていたとの報告があがっている。4月19日に配信されたパッチVer.1.04にて、熾烈な集団攻撃がやや緩和されたようなのだ。本稿には、サブダンジョンボスに関する記述などが含まれるため留意されたい。


『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPG。本作の特徴のひとつは、多彩な強敵との戦いだ。ストーリー上で相まみえる大ボスから、サブダンジョンの奥で待ち構える厄介なボスまで用意されている。そうした強敵は姿かたちや取ってくる戦術もさまざまで、時にはプレイヤーを歯噛みさせるほどの非情な戦術を見せる者もいる。なかでも、大ボス格の強敵たちに負けず劣らず、プレイヤーの怨嗟の声を浴びている敵が「結晶人」である。


結晶人が多くのプレイヤーに嫌われる背景には、そのギミックがあるかもしれない。結晶人は結晶でできているため、防御力が高くかなり怯みづらい性質をもっている。そのかわりに、打撃武器などで体勢を崩させ、体にヒビを入れると有利になる仕組みもあるのだ。ただ、それでも比較的対処し辛い敵ではある。ロボットのようなギクシャクとした動きから繰り出される猛攻は、多くのプレイヤーを屠ったことだろう。さらには、この結晶人は複数体のグループで出現することも。なかでも、「サリアの隠し洞窟」で登場する腐敗した結晶人のトリオは本作の鬼門のひとつとして名を馳せている。

腐敗結晶人トリオは、槍・杖・輪刃とそれぞれ違う得物をもってプレイヤーを待ち構えている。遠近の戦闘に対応するパーティーとなっているわけだ。杖タイプの結晶人は攻撃のペースはさほどでもないものの、避けづらい魔術攻撃をしばしば放り込んでくる。輪刃タイプについては頻繁に遠くから武器を投げつけてくるほか、接近すると楽しげに回転攻撃を繰り出してくる。槍タイプについてはとにかく攻撃性が高く、常にプレイヤーを追いかけ回してチクチクと絶え間なく突付いてくるのだ。

そして、この3人のコンビネーションがひっきりなしである点が厄介。ただでさえ怯みづらい結晶人が、こちらの気持ちや状況などお構いなしに非道な攻撃を好き勝手に放ってくるのである。その上問題となるのが、この腐敗した結晶人たちがその名の通り「朱い腐敗」の状態異常をもっている点だ。そのため、ガードや回避を重視しても異常蓄積でジリ貧になりやすく、難易度上昇に拍車をかける。しかし、そんな『エルデンリング』随一の暴れん坊たちが、先日のVer.1.04パッチからマイルドな挙動になったとの報告が、SNSなどであがっているのだ。


実際に挙動が変化したのか確かめるべく、筆者は最新Ver.1.04のPC版『エルデンリング』にて、サリアの隠し洞窟に向かった。結果としては、めちゃくちゃお行儀がよくなっていた。変更の性質上、あくまでも筆者の感覚による部分はあるものの、変化は明らかだ。まず、戦闘開始直後こそは以前と同じような、3体同時攻撃による手酷い歓迎が健在な印象。一方で、その後は集団攻撃はほぼ止み、1体ずつ落ち着いて戦える流れとなった。槍タイプのみ積極的に攻撃してくるものの、杖タイプと輪刃タイプは静止して戦闘を見守るばかり。まるで授業参観のようである。また、筆者が杖タイプに集中して攻撃し始めると、今度は槍タイプと輪刃タイプがぴたりと静止。プレイヤーの気持ちを考えて空気を読んでくれるようになった。しかし、急に丸くなった結晶人たちを見ていると、なぜか以前の猛攻が恋しくなる気もするので不思議だ。


また、SNS上では、ほかの複数ボスについても変更が加えられているとの声もある。しかしながら、筆者が「人さらいの乙女人形」2体戦で感触を確かめてみたところ、むしろ以前より連携力が増したかのような攻撃で返り討ちに遭った。ただ、厳密に挙動を分析したわけではなく、また、ほかの複数体ボスは挙動が大人しくなっている可能性もあるだろう。苦戦していた複数体ボスがいる方は、一度様子を見に行ってみてもよいだろう。

なお、『エルデンリング』Ver.1.04パッチノートでは今回の変更について明示はされていなかったものの、「いくつかの敵や武器などのバランスを調整」との記述はあった。人の気持ちを考えるようになった結晶人トリオも、そうした調整のひとつだと考えられるだろう。同パッチにはほかにも、チュートリアルがわかりやすくなる配慮や、こまやかな不具合修正などもひっそり盛り込まれている(関連記事1関連記事2)。パッチノートには明示されていない、遊びやすさを向上する隠れた調整が、まだ潜んでいるかもしれない。




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