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“人類そっくりの異星人”と出会うが、わかりあえない。「理解」と「理解しあえない」の葛藤を描くSteam『マイ・プラネット─MOON CHILD─』をもう遊んだか
『マイ・プラネット─MOON CHILD─』は、異星人と関わることで我々という存在を見つめ直し、分かりあえなさを深掘りする姿勢だ。

Steamでは日々数多くのゲームがリリースされている一方で、個人や少人数チームによる国産タイトルには大作の話題に隠れながらも、独創的なアイデアや強いこだわりを持つ作品が少なくない。本連載「見逃してない? 国産Steamタイトル発掘録」では、同人・インディーゲームを中心に、国産Steamタイトルを毎回1本ずつピックアップして魅力を伝えていきたい。
異文化交流SF×サスペンスアドベンチャー
連載第1回となる本稿では、同人サークルD.U.F.F. がリリースしたビジュアルノベル『マイ・プラネット─MOON CHILD─』を紹介。DLsiteやBOOTHでは2025年9月より発売されていたが、Steamでは2026年7月1日にリリースされたばかり。なお年齢制限が設定されているが、暴力描写によるもので性表現は含まれないため、気になるユーザーは安心してほしい。
地球環境が崩壊し月面へと移住した人類は、新たな居住地を探す国家プロジェクト「方舟」を開始。月面基地の教育期間「アカデミー」に通う主人公ジナンは紆余曲折の末、探索クルーの一員としてスラム出身のヒトリコとともに未知の惑星へ降り立つ。そこで待ち受けていたのは、人類とよく似た姿を持つ異星人と謎の怪物だった。

『マイ・プラネット─MOON CHILD─』は、一見すると王道のファーストコンタクトSFだが、「異星人と出会うこと」そのものが主題ではなく、異星人と関わることで我々という存在を見つめ直し、分かりあえなさを深掘りする姿勢だ。
物語は惑星探索と異星人との交流を描く現在パートと、月面基地での日々を振り返る回想パートを交互に描く構成。現在では未知の土地を歩き文化の異なる人々との交流に向き合い、一方の過去では、ジナンとヒトリコの関係性や月面社会の姿が少しずつ明かされる。二つの時間軸は独立しているようでいて、読み進めるほど互いを補完し合っていく。

本作をプレイして惹かれたのは、「理解できそうで出来ない」という絶妙な距離感だった。異星人は人類と同じように暮らし、言葉を交わして社会を形成している。だが価値観には決定的な隔たりがあり、そのズレがSF×サスペンスアドベンチャーの物語に静かな緊張を生み出していた。互いを理解したと思えば思わぬ行き違いが起こる積み重ねは、未知の惑星を探検するワクワク感だけでなく、異文化と向き合うストーリーへと繋がっていた。
キャラクターも物語を支える大きな魅力で、ジナンと軽妙なやり取りで場を和ませるヒトリコの掛け合いは心地よく、シリアスな展開の合間に自然な息抜きを生み出していた。特に異星人側のヒロイン・ノーラは、普段は感情をあまり表に出さないからこそ、わずかな表情の変化が強く印象に残るのも印象的だ。漫画家としても活躍するD.U.F.F.のヒラタ氏が描く立ち絵やイベントCGは、そうした機微を丁寧に表現しており、ドラマを支えていた。530円で7〜10時間という破格のボリュームも含め、週末にまとめてプレイするのがおすすめだろう。
『マイ・プラネット─MOON CHILD─』はPC(Steam/DLsite/BOOTH)向けに発売中。
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