『レインボーシックス シージ』Ubisoftが専門のチートツール販売業者を相手取り提訴。未成年者が運営し母親も関与か

Ubisoftが、『レインボーシックス シージ』用のチートツールを専門に扱う販売業者を相手取り、デジタルミレニアム著作権法違反であるとして、アメリカ・カリフォルニア州にて提訴していたことが明らかになった。

Ubisoftが、『Tom Clancy’s Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』用のチートツールを専門に扱う販売業者を相手取り、デジタルミレニアム著作権法違反であるとして、アメリカ・カリフォルニア州にて提訴していたことが明らかになった。海外メディアPolygonなどが報じている。

問題の販売業者はMizuSoftと呼ばれる会社で、2017年からチートツールの開発と販売を続けてきたようだ。壁越しにも確認できるESP(プレイヤー情報)表示やプレイヤーキャラクターの着色、リコイル削除、FOV変更、ダメージブーストなどをセットにした「Rainbow Six Siege – Budget Edition」と呼ばれる商品を扱っており、ESP表示にはゲーム内アセットを利用するなど、“あまり目立つことなくチート行為をしたい人向け”のツールであると宣伝。価格は1日利用権が11.99ユーロ、7日利用権は29.99ユーロ、30日利用権が69.99ユーロ。毎日24時間のサポート対応もうたっていた。ただ、今回Ubisoftが訴訟を起こした翌日10月24日に販売サイトは閉鎖している。

訴状にてUbisoftは、このチートツールの販売によってMizuSoftは毎月数千ドル(数十万円)の売り上げを得ていた模様だとし、さらにこのツールは本作のプレイヤーによってこれまで数千回使用されていたと主張。Ubisoftのビジネスは、楽しくフェアなゲーム体験をすべてのプレイヤーに提供することによって成り立っているとし、このチートツールの販売によって、同社および同社のビジネス上の利益に多大かつ取り返しのつかない損害を与えたとしている。

MizuSoftを運営者であり被告のひとりはJ.V.L.と呼ばれる人物で、オランダ・ズーテルメールに暮らす未成年者とのこと。そして、J.V.L.の母親Sandra Rijken氏も被告として名を連ねている。Rijken氏はWebデザイン会社を営んでいるが、チーツツール販売によって得た収益からのMizuSoftのほかの運営関係者への報酬の支払いに、会社を通じて関与していたと見られるとUbisoftは指摘している。そして同社は、違反行為一件あたり法定損害賠償金額の上限である2万5000ドル(約270万円)を支払うよう求めた。

*『レインボーシックス シージ』では、10月23日から11月6日にかけてハロウィンイベント「DOKTOR’S CURSE」が実施されている。

発売からもうすぐ4年になる『レインボーシックス シージ』だが、サービスとして長期的な運営とアップデートが続けられており、またeスポーツ分野への進出もあって大きな人気を保っている。直近のUbisoftの財務目標資料の中でも、本作は特筆すべき勢いを見せていると言及されている(関連記事)。一方で多くのプレイヤーが集まるタイトルには、こうしたチートツールを販売して旨味を得ようとする業者が現れてしまう。

ただUbisoftは、チート使用者に対しては初犯であっても永久禁止措置にするなど厳しい対応を取っており、また不正な外部ソフトウェアへの対策もおこなっている。今回のMizuSoftおよびその運営者らに対する訴訟は、そうした活動の一環として問題の根源を断つ狙いがあると見られる。同種の販売業者はほかにも多数確認できるため、今後もこうした訴訟が続くことになるかもしれない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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