PC版『PUBG』チートやラグなどの課題を改善する大規模な計画を発表。専用サイト「FIX PUBG」にて対策状況を報告

バトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)を手がけるPUBG Corporationは8月8日、PC版『PUBG』について今後3か月のうちに取り組む改善点の詳細と、それぞれの提供予定時期をまとめたロードマップを掲載する「FIX PUBG」を公開した。同社は、バグに加えゲームのパフォーマンスや快適性の問題が『PUBG』の真のポテンシャルを制限しており、多くのプレイヤーから「Fix the game(ゲームを改善してくれ)」という声が寄せられていると説明。今後開発リソースをゲームの改善に注ぎ込み、このFIX PUBGにて進捗を報告する。

FIX PUBGでは、8月から10月までのロードマップが公開されている。改善項目は、大きく分けてクライアントのパフォーマンス・サーバーのパフォーマンス・チート対策・マッチング・バグ修正および調整の5項目だ。順にそれぞれの内容を見ていこう。

8月8日現在のロードマップ

クライアントのパフォーマンスについては、まずキャラクターモデルの扱いについて挙げられている。その中には、キャラクター移動時のパフォーマンスコストの最適化や、スムーズなゲームプレイを実現するためのレプリケーションコードの改善、そして使用されていない武器のモデルの最適化が含まれる。次に挙げられているのはエフェクトの最適化で、こちらもゲームの動作向上につながる。すでに環境や車両破壊、煙のエフェクトに関しては修正済みと報告されており、銃や射撃時に地面に反映されるエフェクトの最適化を残すのみとなっている。

ゲームプレイ中のマップの読み込みの最適化もおこなわれる。すでにデータの読み込みについての最適化は完了しており、マップ全体の平均ロード時間は14.4秒から5.6秒へと改善されたという。今後は、テクスチャや物理オブジェクトに関する最適化をおこなう。そして最後に、フレームレートの低下問題が挙げられている。PUBG Corp.によると、今年の第1四半期以来プレイヤーの平均FPSは向上してきており、現在は最小システム要件のPCにて60FPS、推奨システム要件では80FPSだという。しかし一方で、約10秒ごとに60FPS以下に落ち込む現象が続いているため、今後はこの点の改善に取り組む。

サーバーのパフォーマンスにおいては2点挙げられており、まずTick Rateの改善がおこなわれる。現状、ゲーム開始時など多くのプレイヤーが近い距離にいる状況では、いわゆるサーバーのフレームレートを示すTick Rateが低下しやすい傾向にあり、アイテム取得時やオブジェクトへの干渉時、ほかのプレイヤーの動きにラグが発生したり、移動時に引き戻されるような問題が起こる。本作では、ほかのプレイヤーやアイテム、車両、ドアの位置情報などを、プレイヤーのPCとサーバーとでレプリケート(複製)している。PUBG Corp.は、プレイヤーの近くにあるオブジェクトについては可能な限り頻繁にレプリケートし、遠く離れた場所にあるものは頻度を落とすことで最適化を図ると説明。また同時に、ゲーム開始時の航空機での移動および、そこからの降下から着地までの流れについても、Tick Rateの向上により改善させるとしている。まずは8月上旬に試験的な修正をおこない、Tick Rateをモニターしながら今後の改善計画を練るとのことだ。

もうひとつの改善点は、Desync(同期ズレ)の問題である。たとえば射撃時に撃った側が標的へのヒットを確認した場合は、当然ながら実際に着弾しているはずである。しかし、もし撃ったプレイヤーのPing値が高かったりTick Rateが低かった場合、ヒットを確認し実際にそうカウントされたとしても、相手のプレイヤーからは外したと見えていることが起こる。Tick Rateおよびキャラクターの移動におけるレプリケーション手法の改善により、こうした問題が発生することを抑えられるだろうとのこと。また、Ping値の高いプレイヤーと低いプレイヤーがマッチングされないような取り組みもおこなうとしている。

FIX PUBGでは、早期アクセスに当たるGame Preview中のXbox One版の改善計画も公開。現時点で挙げられている2項目はすでに達成

次にチート対策について。『PUBG』においてはすでにチート対策は導入されているが、さらなる手法を導入して両方を組み合わせることで、ゲームのメモリにアクセスする悪意あるプログラムの検出およびブロックをおこなうとのこと。そうして本作の対戦環境を包括的に守りたいとしている。具体的には、メモリへのアクセスを試みるチーターの検出およびBANをおこない、また疑わしい挙動を見せるプログラムや、最初の防衛ラインを突破した不正プログラムの検出をする。続く防衛ラインを守るためには、機械学習技術を用いて、より迅速かつ効率的にチートブロックサイクルを向上させていくとのことだ。そして、ゲームロジックの暗号化、DLLインジェクションのブロックなどもおこなうことで、チート行為の根本的なブロックを目指すとしている。

PUBG Corp.によると、これまでにおこなってきたチート対策やチーターのBANが功を奏してか、チーターと疑わしきプレイヤーの数は、今年の第1四半期と比較して80パーセント以上減ったという。この“チーター率”の減少は各種対策の結果ではあるが、さらに削減すると今回のロードマップに目標として組み込まれている。そのほか、チートプログラム提供者への法的措置や、チーターのブロックを目的にプレイヤーのハードウェア情報を取得するためのポリシーの追加を計画しているとのこと。

また、ほかのプレイヤーのチート行為や嫌がらせ行為を発見して運営に通報した場合、15日以内にそのプレイヤーがBANあるいはペナルティを課された際には、その結果の通知を受け取ることができるようになる。自らの報告が確実に結果に結びついたと実感できると同時に、運営側としても対策をおこなっていることをアピールできるといったところだろうか。

マッチングの改善については、より速くより適切にプレイヤー同士を繋ぐというシンプルな目標が掲げられている。ただし、システムを正しく構築するためには時間が必要で、現時点ではプレイヤーのPing値や使用言語、物理的な距離といった要素をもとに、どのようなシステムにすべきかを検討している段階だそうだ。また、よりシステマチックにするため、MMR(Matchmaking Rating)の最適化や、リーダーボードのリセット間隔をのばすことも検討しているとのこと。PUBG Corp.は、すべてのプレイヤーに快適でフェアなゲーム体験を届けることを目標としているが、マッチングは複雑なシステムであるため軽率な約束はしたくないとし、進捗状況は随時公表するとのことだ。

バグ修正およびゲームの調整については100項目が挙げられており、これまでに37項目の対応が完了している。たとえば、銃をドロップしてふたたび拾った際にレティクル設定がリセットされる問題や、マップの特定の場所でプレイヤーがスタックする問題、あるいはマップ内の特定の建物の壁が透けて見える問題などが修正されている。今後は、UAZの衝突ダメージがほかの車両よりもオブジェクトに当たった時の方が大きい問題の修正や、ロード画面へのキーマップやTipの表示、ミニマップのさらなる拡大表示、また各種UIのバグ修正などが挙げられている。本日だけでおよそ30項目のバグが修正されており、順次対応していくのだろう。各修正・調整項目の詳しい内容は公式サイトを確認していただきたい。

PUBG Corp.はこのFIX PUBGのために、数か月にわたってプレイヤーからの声を吸い上げ、対応の優先順位を決めてきたという。コミュニティでは、対応が遅すぎるという声や、これまでに改善を約束しつつ反故にされたこともあったなどといった辛辣な意見もあるものの、現在開発チームが何に取り組み、いつまでに実現する計画なのかを可視化することは、おおむね好意的に受け止められているようだ(Reddit)。

PC版『PUBG』においては、好調な売り上げを記録しつつも、同時接続ユーザー数は下降傾向にあるとされる(関連記事)。FIX PUBGには、去っていったプレイヤーからの信頼を取り戻す意図もあるかもしれない。具体的なロードマップを示し、期限を切って実現を約束したことで、開発チームには大きなプレッシャーがかかっているはず。本作のプレイヤーの方は、FIX PUBGにて各項目の進捗状況をチェックしてみてはいかがだろうか。

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