『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』山中P&関根Dインタビュー。実はデッドプールの見つかってない小ネタはまだある。“日本語公式SNS”の行方など、根掘り葉掘り訊いた

『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』の開発を手がける、アークシステムワークスの山中丈嗣氏と関根一利氏にインタビューを実施した。

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アークシステムワークスが手がけ、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが8月6日より販売している『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』。本作は、マーベル・コミックのヒーローとヴィランが激突する対戦格闘ゲームだ。アークシステムワークスとマーベル・ゲームズとのタッグで制作されている。

本作は4v4タッグ制となっており、ヒーローとヴィランを組み合わせて自由にチームを編成可能。マーベルファンにはお馴染みのステージにて、さまざまなキャラがアッセンブルする、ハイペースで派手なバトルが繰り広げられる。操作面では、従来の格闘ゲームの操作でもシンプルな操作でもアクションをおこなえる仕組みを採用。カジュアル層からコアプレイヤー層まで、幅広いプレイヤー層が楽しめるゲームになっている。

このたび弊誌は、アークシステムワークスにて本作のプロデューサーを務める山中丈嗣氏、およびゲームディレクター兼リードバトルデザイナーを務める関根一利氏にインタビューする機会をいただいた。インタビューではリリース後の反響や今後のプランなどについて話をうかがうことができたので以下にその様子をお届けする。

反響は上々

――本作の発売からまだ約3週間と間もないですが、デザインやゲームシステムなどについて、ユーザーからの反響はいかがでしょうか。

山中丈嗣氏(以下、山中氏):
キャラクターデザインについては、モデルの作りやモーションの多彩さ、それにかっこよさ、可愛さなどで総合的に好評をいただいており、ありがたく受け止めております。

また本作は昨年の6月の発表の時から、アークシステムワークスがマーベルキャラクターのデザインを手がけるということで注目をいただきました。それに“日本から世界へ”というキャッチコピーのもと、当社のアニメ表現で作るとどうなるか、といったところがお見せできた。プレイヤーの方々にも喜んで受け止めていただいて、「この方向に進んでよかった」と考えています。

関根一利氏(以下、関根氏):
本作については、入り口が広く、やり込めばとことん掘り下げられるものを目指していました。なので本作の最初の触りやすさ(ボタン連打で技がつながる機能、クイックスキルなど)での反響は良かったです。コンセプトとして、“誰でも全部の演出を見れる”という点も念頭に置いていたので、間口をちゃんと広くできたのかなと思います。

――特に印象に残ったユーザー感想などはありますか。

山中氏:
いただいたコメントの中では「日本の漫画/アニメとアメコミが“アークらしく”美しく融合した」というものがありました。これはまさに企画当初に思い描いていた反応そのものだったので、印象に強く残っていますね。

関根氏:
すでに「プレイ時間が100時間を超えた」という方や、「トレーニングモードで100時間超えてます」というような、研究に没頭されているプレイヤーさんもいらっしゃいました。間口の広さを見せられた一方で、やり込みに耐える作品にできたのかなと思っています。

――本作の発売前にはCBT、EVOでの試遊、オープンベータなど複数回ユーザーが体験できるタイミングがありました。そうしたタイミングで、開発チームが意図しなかったテクニックや反応はありましたか。

関根氏:
テクニック面では正直意図しなかったものはなかったです。試遊可能な期間が長いわけでもなかったので、やはりリリース後の方が圧倒的に出ているかなという状況です。

一方で、「意図しなかった反応」としては、レスポンスやシステムの使い方などの点でさまざまなフィードバックをいただきました。そこに関しては次のCBTのバージョンであったり、EVOでの試遊であったり、オープンベータでの調整として対応してきました。

――プレイヤーの声に応え、順次調整されていったのですね(※)

※たとえば今年3月には、CBTでのフィードバックを受け、アシストとの交代操作がアッセンブルボタンからタッグボタンへと変更されるなどした

出たての“カオス”を楽しんでほしい

――操作体系については、近年リリースされる格闘ゲームでは特に、遊びやすく、かつ従来操作の単なる下位/上位互換にはならないことを念頭に置いたシステム実装されています。本作においても「クイックスキル」などが搭載されていますが、導入にあたって苦労した点などはありますか。

関根氏:
自分は『グランブルーファンタジー ヴァーサス』の開発にもかかわっていたので、導入の苦労はその時に経験済み、という感じです。デザイン上の考え方としては、ワンボタンでの入力は、成立までに少なくとも数Fかかるコマンドよりも圧倒的に強いと思っていて、そのバランスを取るために“コマンド入力時のダメージを上げている”という認識です。

ただどっちの入力方法にも双方の面白さがあるので、どちらも蔑ろにはしたくないという想いもあります。意見としては(使う/使わないの)片側からの意見が多くなってしまいがちですが、なるべく多くの人に遊んでもらいたいので、どちらも尊重しつつ、遊べるかたちを模索している状態です。

――先日米国で開催された格闘ゲーム大会「CEO 2026」では、特にスパイダーマンやブレイド、マグニートー、マジックなどが多く見られたように思います。こうしたキャラの使用率については、想定内でしたでしょうか。

関根氏:
いえ、全く予想していなかったですね。というのも、地域や各プレイヤーによって遊び方は差があると思っていて、たとえば日本で同じように『MARVEL Tōkon』の大会を開いたとしても、同じ結果にはならないと思います。「CEO 2026」はリリースから2週間経ってないくらい(8月15日~8月17日開催)でしたしね。それにトーナメントシーンは最初に見つかったものに追随する傾向もあると思います。

ただ、現状のトレンドについては把握しています。今回優勝したSonicFox氏が使用していたグリーンゴブリンについても、ポテンシャルは高いと思いますが習熟度を上げるには時間が必要になると思うので、この先どうなるかも、まだわからないですね。

――ちなみに現時点でのランクマッチ/カジュアルマッチで、特に使用率が高いキャラについて、可能であれば教えてください。

山中氏:
統計情報はまだ開発側でも精査できておらず、推定での話になりますが、初動としては「覚えやすく、長所がはっきりしているキャラ」の使用率が高い傾向はあるかなと思います。その点スパイダーマンやマジックは、遊びやすくて人気も高いというところで、使用率が高いのかなと。

実は、まだデッドプールの見つかってない小ネタあり

――ところで、制作中作るのが一番楽しかったキャラをあえて挙げるのであれば誰になるでしょうか。

関根氏:
作るのは楽しかったですけど、デッドプールは苦労しましたね(笑)

一同:
(笑)

――とにかく小ネタが多いですからね。

関根氏:
デッドプール制作にあたっては関わるセクションがあまりに多かったですね。「これはどこのセクションになるんですかね?」という感じで(笑)なのでここは背景の人、ここはイラストの人、ここはモデラーさんにやってもらって……とまず担当するセクションを振り分けるところから始まりました。やったことないことに挑戦したので苦労もしましたが、楽しかったです。

もちろん他のキャラの表現でも新たな試みに取り組んでいます。それにキャラクターはいっぺんに全員出来上がるわけではなく、五月雨式に作っていくところなので、その時々に楽しい瞬間はありましたね。

――お話いただいたデッドプールには、アークシステムワークス内の格闘ゲームだけでなく、他社作品も含めた数多くのネタが仕込まれております。そうした小ネタについての選出基準はあったのでしょうか。

関根氏:
設定としては、デッドプールは第四の壁を飛び越えて格闘ゲーム雑誌を読んで覚えて帰ってきたことになっているので、「デッドプールが決めた」というのが一番正しいんですけど(笑)皆が笑顔でゲームできるような感じであればいいかな、という基準になっています。

――面白そうであればなんでも検討してみよう、という感じだったんですね。

関根氏:
そうですね。できる限りやってみる、という感じではありました。ちなみに今ネタが動画やサイトなどでまとめられていると思いますが、実はまだ全部は見つかっていないです。

山中氏:
デッドプールについては、ネイティブの方でないと気づきにくいかと思いますが、ボイスでも遊んでいますね。

関根氏:
勝利台詞だったり。それこそキャラクターセレクトにも仕込んでいます。皆さん格闘ゲームネタからリファレンスを探されていますが、原作(コミックス)や映画からも小ネタを仕込んでいるので、ぜひ探してみてください。

――プレイアブルキャラについては、すでにフェニックス・サイクロップスの参戦が決定しています。今後もキャラが追加されていくかと思いますが、個人的に参戦させてみたいキャラなどはいますか。

山中氏:
具体的にはお伝え出来ませんが、基本的なスタンスとして、ユーザーの方々が望むキャラというのはリサーチしています。そのうえで格闘ゲームとして面白そうで、盛り上がりそうなキャラを幅広く選定し、決めているということだけお伝えしたいなと思います。

――なお本作では隠しプレイアブルキャラとしてエピソードモードに登場する「チャンピオン」が存在します。エピソードモードには他にも「プロモーター」が登場しますが、こちらのプレイアブル化の予定はあるのでしょうか。

山中氏:
こちらも明言はできませんが、様子を見て人気があるようだったら、そうしたことも選択肢としてはあるかと思います。

今後のゆくえ、そして“日本語公式”

――今後の展開について、キャラ調整を含めたゲームの調整にあたり、特に頻度などについての方針はありますか。

関根氏:
まず、不具合修正はできるだけ早くおこないたいです。またベータのタイミングからユーザーのフィードバックを貰いつつ開発するスタイルを取っているので、バランス調整的な部分でも、アンケートなどを取りフィードバックは貰っていく方針です。そして我々チームのスケジュールなども加味しつつ適切なタイミングを判断できればと思っています。なので頻繁にアップデートしたい、じっくりアップデートしたいとかはまだ決まっていないです。

ただ今情報はいろいろな場所にあり、それをすべて見て集めるのは難しい。なので、しかるべき場所で伝えていただき、コミュニケーションを取りつつ開発を続けていきたいです。ゲームバランスの現状としては、今のカオスをひとまず楽しんでいただければと思います(笑)

――コミュニケーションの窓口として、少なくともX(旧Twitter)上では日本語公式アカウントがなく、英語アカウントのみとなっており、時には関根さんが引用する形式などで日本向けに情報を発表する様子も見られました。こちらについて、日本向けの窓口を新たに設ける想定はありますか。

山中氏:
日本語ユーザーに向けて、直接日本語で公式からアナウンスする専用のチャンネルがないことに不安や不便さを感じているプレイヤーがいることは承知しています。具体的に、「これからこうしたサービスをします」とアナウンスできる情報は現時点ではありませんが、そういった意見も受け止めております、とだけ伝えさせていただければと思います。

――マーベル作品が好きだけど格ゲーはあまり覚えがない……という人に向けた、おすすめの遊び方があれば教えてください。また本作の購入を検討しているプレイヤーに向けて、ひとことあればお願いいたします。

山中氏:
発売後からユーザーの方々に評価していただいており、間口が広く、コアなゲーマーの方にはやりごたえのある、骨太なシステムを提供できたと思っています。普段格闘ゲームをプレイされないマーベルファンの方には、ボタン連打でスーパー/アルティメットスキルなどまで繋がるので、まずはそうした遊び方で触れていただければと思います。

ストーリーもエピソードモードというところでかなり力を入れており、好評をいただいていると思います。ですのでそのあたりを遊んでいただいて、まず格闘ゲームに触れるというところからスタートしていただければと思います。

そのうえで、もう少し真剣にやってみたいなと思っていただけたら、キャラクターレッスンなど、トレーニングモードも充実していますので。練習いただいたり、シングルモードを遊んでいただければと思います。「アルカディアランブル」というハードル低めなモードも導入しておりますので、そちらも触れていただければと思います。本作はマーベルファンで格闘ゲームを触ったことがない方でも遊べるようになっているので、信じていただいて、ぜひ一度手に取っていただければと思います。

関根氏:
エピソードモードについては、真島ヒロ先生や大沢祐輔先生、別天荒人先生など著名なクリエイターの人たちがモーションコミックを担当してくださっているので見ていただければと思います。それに日本語のキャラクターボイスを務める方々もめちゃくちゃ豪華で、声を聞いてるだけでも楽しいので、マーベル好きな人も、マーベルを知らない人でも、とりあえず触ってみたら、楽しく遊べるようになっていると思います。

単純に触って遊ぶだけで、マーベルってこんなかっこいい世界なんだなって知れると思うので、そうしたきっかけで遊んでもらえたら嬉しいなと思います。

――ありがとうございました。

『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』はPS5/PC(Steam/Epic Gamesストア)にて販売中だ。

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