“カウンター特化”武術ソウルライク『猿公剣』は、あえて「回避なし」のシビア仕様。攻防一体の骨太アクション、バランスの取り方を訊いた

『SWORD SAGE:AWAKENING(猿公剣)』のプロデューサーに実施したインタビューの内容をお届けする。

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中国成都のゲームスタジオ「剣猫熊(Sword Panda)」が開発するアクションゲーム『SWORD SAGE:AWAKENING(猿公剣)』は、先日「Bilibili Game First Look」に出展され、最新のプレイアブルデモが公開された。過去2年間に公開されたデモ映像と比較すると、グラフィック表現からアクションの手触りに至るまで明らかな進化が見られ、完成度が著しく向上していることが窺える。リリース時期はまだ未定であるものの、そう遠くないだろう。

『猿公剣』は中国の神話や民話をモチーフとしたアクションRPGだ。中国古代伝説「白猿と越女」からインスピレーションを得ており、主人公の「裴三娘」が数奇な運命を経て妖怪と戦い、最終的にかつての師「猿公」を超え、新世代の剣聖となるまでの物語が描かれる。

弊誌は「Bilibili Game First Look」にて本作の取材をおこない、デモ版を試遊。その後、弊誌を含むメディア陣は本作のプロデューサーである武侠(Sam Wu)氏に合同インタビューを実施した。そのインタビューの詳細をお届けする。

——本作はどれくらいのボリュームを想定した作品ですか?現在ゲームの開発進捗はどの段階でしょうか?

武侠氏:
現在の開発進捗はおよそ60%といったところです。メインストーリーの想定プレイ時間は約15〜20時間で、ゲームの規模感としては中規模のタイトルとして開発しています。

——事前の紹介では、ゲームのストーリーは比較的軽快で楽しいものになるとのことでしたが、終盤までそのトーンは維持されるのでしょうか? 実際体験した範囲では結構シリアスに感じました。

武侠氏:
本作の大半のストーリーは、紹介の通り比較的軽快で楽しいものであり、我々がメインに掲げているのは「ハッピーな修仙」(修仙:修行を積み超自然的な力を得る)です。ただおっしゃる通り、一部のサブクエストにはもちろんユーモアに溢れた笑える内容もありますが、悲しい展開やダークな内容も含まれます。基本的にはさまざまなテイストが混ざり合っていますが、全体としてはやはり楽しい方向性に寄せています。

私たちが言う「楽しい」というのは、決してナンセンスなドタバタ劇という意味ではありません。ゲームには明確なメインストーリーが存在します。ただ、例えばレッサーパンダが物を掴むような細部の描写において、同ジャンルのゲームと比べるとよりコミカルで楽しい表現手法を取り入れているということです。また、主人公の物語における立ち位置としても、深く重い恨みや復讐心を抱えるような設定にはしていません。

――一ステージの音楽が印象的で、Lo-Fiミュージックのような独特の雰囲気を感じました。本作の音楽のコンセプトについて聞かせてください。

武侠氏:
音楽は、私が非常に尊敬している作曲家の薄彩生氏にお願いしました。彼は過去に『フィスト 紅蓮城の闇』や『Phantom Blade Zero』、『Tides of Oblivion』などの楽曲を手がけた方です。私たちも以前一緒に仕事をしたことがあります。コンセプトとしては、今回は中国風の楽曲とジャズを融合させる試みを行いました。なぜジャズを選んだかというと、我々の地元である四川にはリラックスした穏やかな雰囲気があり、それがジャズと非常にマッチする素晴らしい試みだと思ったからです。最終的なゲーム内では、こうした中国の伝統音楽とジャズが融合した楽曲を多くお聞きいただけるはずです。

——主人公の足は機械の義足であり、ストーリーの背景にも機械に関する要素が含まれています。本作の世界ではこうした技術は一般的なのでしょうか?本作における機械技術の位置付けについて教えてください。

武侠氏:
ゲームの設定上、これらの機械は道家の「機関術」に由来するものです。この世界における機械技術は非常に希少なものであり、妖怪退治の専門家「捉妖人」や特定の兵士などしか使用できません。一般の平民がこうした機械技術に触れる機会はないのです。

——今回のデモ版で体験できる武器は2種類のみでしたが、リリース時にはどれくらいの武器種が登場する予定ですか?

武侠氏:
最終的な武器の大きなカテゴリは3種類になる予定です。今回皆さんに体験していただけなかったもう1つの武器種は「双剣」です。武器のカテゴリ自体は少なめですが、武器のモーションやメカニクスは非常に豊富に用意されています。個々の武器ごとに付与されている「奥義」が異なり、さらに紫レアリティの武器には特殊なプロパティが付いており、それによって武器の性能も変化します。そのため武器種は少なくとも、各カテゴリの武器は非常に奥深く、奥義スキルの種類も多岐にわたります。

——本作には「回避」アクションがありません。多くのゲームにおいて、回避は敵に包囲されたり圧迫されたりした際にピンチを脱する手段として存在しています。そのためデモ版では一度追い詰められてしまうと、抜け出すのが困難でした。製品版では、プレイヤーに包囲を切り抜ける手段は用意されるのでしょうか?

武侠氏:
その点については、我々も多くのフィードバックを受け取っています。一般的な回避アクションをいれなかった大きな理由は、もし回避が存在すると、我々が設計した「避青入紅」システムの利用をプレイヤーに促すのが難しくなるからです。避青入紅は中国武術の峨眉剣法における技の一つで、『青』は敵の武器、『紅』は敵の身体を指します。簡単に言うと、敵の攻撃をかわすのと同時に相手の身体を攻撃するという意味です。ここから着想を得て、本作では攻防一体の特徴的なカウンターシステムを採用しています。

しかし回避が存在していると、プレイヤーは間違いなく、より簡単な回避ばかりを選ぶようになるでしょう。「避青入紅」のテストプレイの反響は悪くないのですが、確かに包囲されたときの問題はずっと指摘されています。つまり「囲まれた時はカウンターして戦いたいわけではなく、単にその場から早く離脱したいのだから、逃げるための手段が必要だ」ということです。

製品版では序盤は複数の敵に囲まれて一斉攻撃されるような状況にはあまり遭遇しません。そこでプレイヤーには「避青入紅」を多用する戦い方に慣れてもらいます。しかし中盤以降になると、一対多の状況が増えてきます。その時のために、クールダウン付きの強力なアイテムのような「寶具」や、「仙術」のようなものを用意しており、プレイヤーはピンチから脱出できるようになります。この「寶具」は、使用時に時間がかかったり硬直が発生したりしない、即時発動型のものにする予定です。

——「避青入紅」システムについて、上中下それぞれの攻撃方向に対応して入力する必要があると思うのですが、どの方向に入力しても回避が発動することがあると気づきました。正しい方向に入力した場合、何か特別なメリットはあるのでしょうか?

武侠氏:
実のところ、敵の通常攻撃に対してはどの方向に入力しても「避青」(回避)自体は成功します。しかし、正しい方向に入力した場合のみ、回避後に「入紅」(カウンター)を発動させることができます。また、ボスの大技など、画面に明確に「上・中・下」の指示が出る攻撃に対しては、正しい方向を入力しなければ避青にも失敗して攻撃を食らってしまいます。

——この「避青入紅」システムは、アクションが苦手なプレイヤーにとっては少し複雑かもしれません。ゲーム内に何か救済措置はありますか?

武侠氏:
本作には、初心者プレイヤーのクリアを助ける二つの装備品が存在します。現在の設定では、3回ゲームオーバーになるとこれらの装備が支給されるようになっています。一つは、「避青入紅」で上中下の方向を無視できるようになり、どの方向に入力しても成功扱いになるという効果です。もう一つは、「避青入紅」が完全に自動で発動するようになるというもので、極端な話、防御ボタンを押しっぱなしにしているだけでクリアできてしまいます。つまり、これは実質的な「公式チート」であり、誰でも必ずこのゲームをクリアできるようにするための措置です。

——他の中国風のゲームと比べて、本作の最大の差別化ポイントはどこにありますか?

武侠氏:
現在発売されている中国風のゲームの中で、本作のような「修仙」や「仙侠」(神話の要素を取り入れた武侠物)に特化したシングルプレイのアクションゲームはまだ存在しないと考えています。これこそが我々の最大の強みです。純粋な「武侠」や「武術」のゲームではなく、よりファンタジー色が強く、「仙侠」の特徴を色濃く持っているのが本作の持ち味です。

——とはいえ、デモ版をプレイした範囲では「修仙」や「仙侠」といった要素はそこまで多くないように感じました。いわゆる仙侠らしい「高魔(強大な魔法)」があまりないと感じたのですが、今後のゲームの進行において、より強力で魔法的な力は登場するのでしょうか?

武侠氏:
実はデモ版の中にも、一気に数十本の飛剣を放てるという、かなり「高魔」を感じられる「寶具」が一つ用意されていました。ただおそらく、お金が足りずに買えなかった人がほとんどだったのだと思います。ゲーム後半になれば、まさに「高魔」な効果を持った、見た目も非常にクールな大技やアイテムを多数獲得できるようになります。

——ありがとうございました。

『SWORD SAGE:AWAKENING(猿公剣)』はPC(Steam)向けに開発中だ。

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Nep333
Nep333

AUTOMATON中国語版編集長。

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