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キャンピングカー冒険ゲーム『アウトバウンド』は、サバイバルなのに“脅かされない”優しさがある。“ゴミ集め”と探索を続けていたら、いつのまにか疲れた心もリラックスしきっていた
キービジュアルの犬だけを目当てに『アウトバウンド』を始めたが、プレイしているといつの間にか心が癒されていた。

オランダを拠点とするデベロッパーSquare Glade Gamesは『Outbound(アウトバウンド)』をPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに、5月11日にリリースする。またNintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5向けには5月14日発売予定だ。なおNintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5向けのパッケージ版は6月25日に、セガから販売予定だ。
『アウトバウンド』はが手がけるまったりとした探索ゲームだ。である。プレイヤーは1人、郊外の広大なキャンプサイトを訪れ、キャンピングカーを運転して思いのままに旅をすることになる。事前におこなわれた開発資金のクラウドファンディングでは目標額3万ユーロ(約550万円、以下レートは本稿執筆時点)のところ、それを大幅に上回る約26万5000ユーロ(約4900万円)の調達に成功した注目作だ。
本作に関して、真っ先に筆者の目に飛び込んできたのは、ボーダーコリーと思しき元気そうな犬の姿だった。犬が出る探索ゲームということで、筆者の心は踊った。筆者が事前に知っていたのは、本作はこの犬と一緒にキャンピングカーで旅をするゲームということだけだ。なぜ旅をするのか、旅の最中でどういうことをするのか。そういった情報については一切知らぬまま、筆者は本作のプレイレポートの執筆を二つ返事で引き受けた。

私事ながら、プレイレポートを書くことになった際、やや込み入った作業が重なっていた関係で疲れ気味であった。それだけならば珍しいことでもないが、折悪しくもプライベートな部分でも立て込んでいたのだ。とはいえ、今回プレイするのは犬が出るゲームである。犬と聞いただけで、筆者には元気が湧いてきた。多少の疲れなど、犬と一緒に冒険するためなら気にならないものだ。本稿では、そうして意気揚々と挑んだ『アウトバウンド』の魅力をお伝えする。
ここではリラックスして良いのだ
本作のゲームプレイはキャンピングカーでの移動と、車から降りての探索や採集が基本となる。周囲にあるランドマークを目指したり、斧やツルハシなどのツールを作ったりと、細かな目標は示されるものの、その先に何が待ち受けているかはわからない。主人公は都会の喧騒を離れ、1人で気ままに冒険へと繰り出したため、旅そのものが目的と言える。自由に冒険できるとは言え、次に何をするかはタスクとして示されるため迷うことはない。このタスクをこなすも、無視して旅するもプレイヤーに委ねられている。
ゲームシステムとしては、体力ゲージと満腹度ゲージ、それから車のバッテリー残量のゲージが存在している。徒歩での移動の際にはダッシュも可能だ。ここまで見て、筆者は「走ることを強いられる場面」や「体力ゲージや満腹度ゲージを管理する必要性」が出てくるのではと少し身構えた。これがホラーゲームであれば、ダッシュできることは即ち何者かに追いかけられることを意味する。本作に登場する危険とはいかなるものかという懸念が、筆者の中には浮かんでいた。

そんな心配とは裏腹に、最初の数日をプレイしても危険が迫ってくる様子はいっさいなかった。体力ゲージは常に満タンである。満腹度は時間経過とともに少しずつ減っていくものの、少し見回せばお腹を満たせるベリーやキノコがすぐに見つかる。ではバッテリー管理が難しいかと言えば、そんなこともない。近未来を描いた作品であるため、本作に登場するキャンピングカーは電気自動車であり、その辺に転がっている木材や植物の繊維を突っ込めばあっという間にバッテリーをフル充電できる。
これではあまりにも緊張感がないのではと一瞬思ったが、すぐに思い直した。3つのゲージは、まさにこの「ここでは緊張する必要がない」ことを示すためのものだと、数日経って筆者にもわかってきたのだ。バトルはないし、必要な物資は旅の最中にいくらでも転がっている。わざと高所から飛び降りると多少のダメージはあるものの、一晩寝れば全快だ。あえて繰り返し飛び降りて体力ゲージを削りきってみたが、翌日に体力が少し回復した状態でのリスタートとなった。ペナルティは一切ない。この土地では、肩の力を抜いて油断しきっていても何も問題はないのだ。

もっと「ゴミ」が欲しい
さて、冒険することになる土地はどこか都会から離れた郊外のようである。そこかしこにキャンプサイトがあり、焚き火を灯すことでその場所を訪れたことになる。キャンプサイトには資材置き場があり、焚き火に使える木材をはじめとした物資を入手できる。また、キャンプサイトには以前来た人のものだろうか、ガラクタが残されていることがある。わざわざ拾えるということは何か意味があるのではと予想し、筆者はゴミ拾いを盛んにおこなうことにした。キャンピングカーの収納にはいくらでも物資を詰め込めるので、ゴミがいくらあっても問題はない。
キャンプサイト以外にも、石が積み上げられている「ケルン」や、さりげなく置かれている小人人形の「ノーム」などの探索要素があり、それぞれ見つけた数がカウントされていく。どこを訪れても何かしらの成果があるのは探索好きとしては嬉しいところだ。そんな中、筆者がもっとも興味を惹かれたのは、新たなクラフトレシピを獲得できる「電波塔」と、カプセルトイをランダムに入手できるガチャガチャの2つだった。

電波塔では家具やツールなどのレシピを獲得できるが、その際に「ダウンロードバウチャー」という通貨アイテムが必要となる。このアイテムは、なんとガラクタを加工することで手に入る。それまでなんとなくしていたゴミ拾いが、実は宝探しだったわけだ。そのことに気がついた筆者の目には、あちこちに散らばっているガラクタがすべて有用な資源として映るようになった。また、ガチャガチャで必要なのはコインやメダルではなく「ボトルキャップ」、つまりビンの蓋である。何をするにもゴミが有用。ゲームシステムが善行を推奨している。もっとゴミを探し集めたいという思いに駆られ、筆者はキャンピングカーを全速、本作においては時速30kmほどで運転した。選択した車種やアップグレードにより最高速度は変わるようだが、筆者のキャンピングカーは積載量を優先したためこれが限界なのである。
キャンピングカーを超えた、「移動式の家」
あちこちをゆったりと見て回ってレシピを集めていくと、ベッドを作れるようになった。キャンピングカーにはもともと寝台が存在するが、それとは別にベッドを作れるらしい。最初、筆者はベッドの種類でも変更できるかと思い寝台に合わせてベッドを置こうとしたが、赤い表示になり置くことができない。もしやと思い、筆者はキャンピングカーの上に登った。半信半疑でベッドを置こうとしてみると……置けるではないか!
それから筆者は床のレシピを手に入れ、キャンピングカーの上に広々とした床を設け、ベッドを置いてみた。なんと本作では、キャンピングカーの本来の幅や全長から大きくはみ出すかたちで床を広げられるのだ。キャンプを撤収すれば床も、その上に置いた家具類もすべて一瞬で収納される。また展開にあたっても、キャンプを設営すれば一瞬で展開完了だ。なんという超技術であろうか。


置けるのは当然ベッドだけではない。キャンピングカーの上に広げた床にはさまざまな装飾品や、食料を栽培する設備などの実用的なものも置くことができる。ただでさえ食料は簡単に手に入るのに、栽培すれば探す必要もなくなるわけだ。ゲームを進行すればキャンピングカーの上に風力発電などの設備も置けるようなので、そうなれば木材をバッテリー燃料として投入する必要すらなくなりそうだ。ちなみに木材の加工も、食料の加工も、素材を投入すればあとは設備が自動で進めてくれる。こんなに至れり尽くせりでは、なんだかダメ人間になってしまいそうだ。せめてゴミくらいは拾わねばなるまい。
犬への道はまだ長そう
キャンピングカーが移動式の住居レベルでカスタム可能と気づいて、俄然楽しくなってきたものの、筆者にはひとつ気がかりな点があった。なかなか犬が出てこないのだ。お楽しみ要素なのかもしれないが、これでは筆者自身がおあずけを食らった犬である。
それどころか、あちこち冒険してみても人っ子1人見当たらない。残されたメモや置き手紙から読み取れた範囲では、どうやらこの土地の住民たちは「フェスティバル」のために出払っているらしく、訪れた観光客のために家も施設も開け放っているようだ。どの家にもカギがかかっていないのは不用心にも思えるが、本作の近未来世界ではいろいろなものが満たされているため、もはや盗むとか盗まれるといった発想は存在しない、豊かな世界なのかもしれない。

今後、残されたメモからどんなストーリーが浮かび上がってくるか、そしてどこで犬と出会えるかは、目下筆者の楽しみとしているところである。幸い、ガチャガチャのカプセルトイから、かわいい犬と猫の首振り人形を入手することができた。助手席の前のスペースに置けば、リズミカルに首を振っている姿が時々目に入る。実際の犬は物資を取ってきてくれたり、少し運んでくれたりもするようなので、人形とは比にならないかわいさであろう。そんな犬と出会うためにも、筆者はゴミを拾うのだ。
自由に探索できるゲームには、戦闘や落下といった危険がつきものである。それはそれで旅のスパイスとしての良さもあるが、ゲームの中でわざわざ危険に晒されるのは苦手という人もいるだろう。本作はそんな人にうってつけの、ゆったりと何にも脅かされず、急かされずに探索できる作品だ。本作を始めたとき、ちょうど疲れ気味だった筆者も、いつの間にかすっかりリラックスしきっていた。普段の忙しない日々から遠ざかりたい人は、本作で気の向くまま、まったりとキャンピングカーを走らせてみるのも良いかもしれない。
『Outbound(アウトバウンド)』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Xbox Series X|S 向けには5月11日に発売予定だ。Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5向けには5月14日にリリース予定で、国内パッケージ版もセガから6月25日に販売予定。またXbox Game Pass向けにも展開される。
Outbound ©2026 Square Glade Games. Published by Silver Lining Interactive. Developed by Square Glade Games.
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