『原神』女性キャラ4人の“肌隠し”系衣装発表。日本では追加扱いも、中国では強制差し替え濃厚でお詫び

 

miHoYoは1月5日、オープンワールドARPG『原神』について、複数キャラクターの新衣装を実装すると発表した。女性キャラクター4人について、やや肌の露出を抑えた再設計衣装が追加されるという。この変更について、中国と日本国内ではやや対応の違いがあるようだ。


『原神』は、中国を拠点とするmiHoYoが手がけるオープンワールドアクションRPG。本作にはさまざまな見た目と能力および背景をもったキャラクターが登場し、作品を彩っている。今回miHoYoが公式Twitter上で発表したのは、女性キャラである「ジン」「アンバー」「ロサリア」「モナ」4人の衣装の再デザイン版だ。


「オルタコスチューム」と呼ばれるこの衣装は、全体的に肌の露出やセクシーさを抑える傾向のデザインとなるようだ。具体的には、現行のデザインに比して、胸元の露出や肌が透けるタイツなどの部位が少なくなっている。発表された画像は参考用のため、リリース時に変更が加えられる可能性にも留意したい。なお、日本国内向けの発表によれば、現行のデフォルト衣装は引き続き保有されるとのこと。つまり、新規スキンのような立ち位置だ。Twitter上ではさっそく新旧のコスチュームを比較するユーザーも現れている。

一方で、miHoYoによる中国向けの発表ではやや説明が異なっている。まず、日本向け発表では言及されていない要素として、Ver.2.5アップデート配信とともに「キャラクターアート(立绘表现)」も変更されるとの記述がある。すなわち、少なくとも中国向けには、新衣装が公式なキャラクター衣装になると示唆されている。ほかには、空中飛行時における特定視点からのキャラクター挙動の調整や、カットシーンでの表現も調整されるようだ。発表のなかでmiHoYoは中国語圏のプレイヤーたちに深く謝罪するとともに、変更に伴う補償として1200原石を配布すると伝えている。日本国内向けの発表とは、かなり温度差がある対応だ。また、英語圏向けの発表についても、日本向けに準拠した内容となっている。


こうした差異の背景にあると考えられるのが、中国国内において強まる表現規制だ。昨今の同国では、ゲームなどのコンテンツ内容を制限する動きが強まっている。昨年9月には、同国の業界団体多数が協賛する“自主規制”ガイドラインが発表された。このガイドラインには、性的な表現などの自粛も含まれている(関連記事)。そして、miHoYoもこのガイドラインに協賛する企業のひとつなのだ。つまり、露出を抑える衣装変更は、性表現自粛の一環とも考えられる。中国ユーザーに向けて比較的手厚い補償がおこなわれた点も、同国の『原神』にてオルタコスチュームが基本衣装となる可能性を示唆している。

『原神』では、先ごろにも表現自粛をうかがわせる出来事があった。新キャラクターである「申鶴」の“へそ”が消えた問題だ。このキャラクターは昨年11月の発表時点では、腹部にタイツ地越しのへその描写が見て取れた。しかし、後のキャラクターアートでは、タイツ地が厚くなったようにへそが消失している。些細な違いではあるものの、素肌を感じさせる描写の修正は、今回のオルタコスチュームと共通している。一連の変更は、miHoYoによる表現自粛の本格化の結果とも考えられるだろう。


今回の新衣装発表からは、中国の特殊な事情に起因するmiHoYoの難しい立場がうかがえた。露出の自粛傾向は、本作における今後のキャラクターデザインにも影響していくのだろうか。『原神』では本日1月5日より、新大型アップデートVer.2.4「流るる星霜、華咲きて」が配信中だ。




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