ローグライト宇宙アクション『ENDLESS™ Dungeon』の地獄だった「マルチプレイ悪戦苦闘」冒険記。難しくて困難だらけ、だが面白い(攻略メモあり)

セガは1月18日、ローグライトアクションゲーム『ENDLESS™ Dungeon(エンドレスダンジョン)』のPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S版を発売した。本稿では、マルチプレイで本作をプレイした際の楽しさを伝えたい。

セガは1月18日、ローグライトアクションゲーム『ENDLESS™ Dungeon(エンドレスダンジョン)』のPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S版を発売した。本作は、2023年10月19日にPC(Steam)版も発売されている。このたび、筆者は、普段からさまざまなゲームを遊んでいる友人たちと一緒に、本作のPC版をプレイする機会をいただいた。本稿では、マルチプレイで本作をプレイした際の楽しさを伝えたい。

『ENDLESS™ Dungeon』とは?

『ENDLESS™ Dungeon』は、放棄された宇宙ステーションが舞台のローグライトアクションゲームである。見下ろし型視点のアクションシューティングとしてゲームが進んでいく。プレイヤーは、宇宙ステーションへたどり着いたヒーローの1人だ。ヒーローたちは、宇宙ステーションから脱出するため、コアと呼ばれる最奥への到達を目指すことになる。

本作では、敵がはびこる宇宙ステーション内を、3人1組のチームで進んでいく。宇宙ステーションの中に広がるダンジョンを探索するヒーローたちはメインウェポンの銃での攻撃に加えて、それぞれが所持するスキルを使用可能。スキルは範囲攻撃や味方の回復や強化など、それぞれのクラスに応じた効果があり、それらも駆使してコアを目指すのだ。


ヒーローたちがダンジョンを進んでいくには、クリスタルが必要である。しかし、ダンジョン内の敵は、クリスタルを運ぶクリスタルボットにも攻撃を仕掛けてくる。そのため、ヒーローたちは敵からクリスタルボットを守らなければならない。アクションシューティングの要素に、迫りくる敵からクリスタルボットを守るタワーディフェンス的な要素があるのが、本作の特徴のひとつだ。本作には、1人で3人のヒーローを操作するシングルプレイはもちろん、最大3人まで参加可能なマルチプレイが用意されている。

このたび、筆者がマルチプレイに臨むことになった3人の友人は、普段からボイスチャットで話しながらFPSやSLG、格闘ゲームなど、日頃からいろいろなゲームをプレイしている関係性。しかし、ローグライト経験は浅い3人である。あえて挙げるなら、筆者がローグライクRPGをプレイした経験がある程度だ。そんなローグライト初心者3人でコアを目指した模様をレポートしたい。

探検隊、ダンジョンに足を踏み入れる


ゲームを開始すると簡単なチュートリアルが始まる。マルチプレイは、チュートリアル後からすぐにプレイが可能となっているので、筆者たちは早速合流。本作における拠点となるロビーは、バーカウンターとステージが用意された、ヒーローたちにとっての憩いの場。ここからダンジョンへ出発できるほか、ヒーローや武器の強化や、クエストの確認などができる。とはいえ、ゲームを始めたばかりではできることが少ないので、早速ダンジョンへ潜ってみることにしよう。

ロビーにあるステージではライブを披露してくれる。ステージ中央の人物は、本作で共同楽曲制作をおこなったレラ・リンのアバターだ。


ダンジョンに向かう際は、マルチプレイでもシングルプレイでも、同じヒーローを選択することができない。筆者はバンカー、残る2人はゼドとスウィーパーを選択。ちなみに、この時点で本作の前知識などはほとんどないため、当たって砕けるつもりのプレイである。各ヒーローの性能に対する理解度もほぼゼロの状態だ。なお、ダンジョンの難易度は4段階あり、出発する前に選択する方式。まずは最初ということで、一番簡単な難易度であるフレンドリーを選択し、我々はダンジョンへと足を踏み入れた。

一行がダンジョンに入ると、スロットに収められたクリスタルボットと同じ部屋からスタート。ダンジョンは全4つの階層(フロア)から成り立っており、ひとつのフロアにはランダム生成で生み出された複数の部屋がある。ダンジョンに降り立ったヒーローたちは、まずは次のフロアへと続く道を探していくことになる。勝手がわからない筆者たちは、ひとまず手分けして開くことができる扉を開けまくっていき、どんなものがダンジョン内にあるのか探索をスタート。


本作の基本的な操作は、PCのキーボードとマウスで操作する際には、WASDキーでキャラクターを移動させ、マウス操作で銃を撃つというわかりやすい作りであり、ゲームに慣れ親しんだ人であれば、直感的にプレイできるだろう。そんなわけで、一行は初プレイのゲームながら、ゲーマーとしての勘だけでダンジョンを進んでいく。

ダンジョン内には、ヒーローたちの探索の手助けになるものがいろいろと設置されている。たとえば、ヒーローやタレットのレベルアップができる装置や、リソースの獲得量を増やせるジェネレーター、さらには回復アイテムを作成できる装置やアイテムが入っているボックスや武器を売ってくれる商人などが存在している。


これらの要素はどれも重要なものではあるものの、その重要性を一行はまだ知らない。さらに言えば、協力プレイをしているはずが、ほぼ個人プレイである。ボイスチャット最大のメリットである意思の疎通のしやすい状況だというのに、一応の報告と何となくの相談をするくらいで、いわば独り言のようなものである。3人とも「とりあえず一番簡単な難易度だし」という理由から湧き上がる自信を胸に進んでいくのみだ。

しばらくダンジョンを探索して、一定時間が経過したりクリスタルボットを移動させたりすることで、WAVEと呼ばれる敵が大量発生する時間がやってくる。WAVE中は、お待ちかねの本格的な戦闘の時間である。WAVE中にスポナーと呼ばれる敵の出現ポイントから大量発生した敵は、クリスタルボットを目指して迫りくる。そんな敵の進行ルートにタレットを設置してみるなど、“それっぽい動き”もおこない、最初のWAVEは難なく撃退に成功する。

調子に乗った探検隊、奥地で巨大な敵に遭遇


クリスタルボットをスロットに設置して開く扉をいくつか開けていくと、一行は次のフロアへ。初見プレイながらも、無事にひとつ目のフロアであるアストラル湾をクリアし、次なるフロアであるレイバーコロニーに足を踏み入れる。この辺りから、一行はWAVEで大量に出現する敵に対処し切れなくなってくる。なぜならば、敵が徐々に硬くなってくるからだ。「硬い」と言いながら迫る敵を倒し切れず、時折クリスタルボットにダメージを追わせ、奥へと進んでいく一行。そんな一行の前に、大型の敵バグママが突如現れる。

バグママは、独自の体力ゲージをもつ敵であり、いわゆるボスキャラの1体だ。酸を吐いたり、ヒーローたちの頭上から石を落としてきたりといった攻撃をおこなってくる。しかも、バグママ戦の最中にも通常の敵が出現し、容赦なくクリスタルボットに襲いかかってくるのだ。タレットを設置して防御を固めるものの、これまでの道のりで傷ついたクリスタルボットは、一行の奮闘もむなしく破壊されてゲームオーバーとなった。

本作で幾度となく見ることになるゲームオーバー画面


これが筆者たち一行のファーストプレイだ。『ENDLESS™ Dungeon』というゲームを甘く見た末に、一番簡単な難易度フレンドリーでこの結果で恥ずかしい限りである。そして、本作が力任せのプレイでは攻略が難しいゲームであることが、ファーストプレイで明らかになってしまった。

“死んで覚える”を繰り返すローグライト


ファーストプレイでは、ボイスチャットがあるのにも関わらず、意思の疎通がほとんどできていなかった。各々が自分のプレイに必死だったので仕方ないものの、「ヤバい」と言っていた記憶しかない。その点も反省して、なるべく声を出していく方針で攻略していくことになる。

そして筆者たち一行は、再びダンジョン探索を開始。ちなみに、ダンジョン内で鍵を手に入れると、出発先のフロアやフロアを越えた先の中間地点で選択できる行き先が増える。以降は、筆者がバンカーのクエストを進めたかったため、本部と呼ばれるフロアからスタートし、自動製造工場を経由してコアを目指すルートを進めていく。ここからのヒーローの構成は、筆者がバンカー、残るふたりはダメージの高い武器を装備できるブレイズとコムラッド。おそらく火力的には問題ない構成だろう。

とはいえ、コアを目指す道のりは険しいもので、理想どおりに進めることは難しい。一行は何度もリトライを繰り返すこととなった。たとえば、WAVE中に敵に圧殺されそうになったので回復アイテムを使おうと思ったら、誰かが使ってなくなっていたり、筆者以外の全員が気づいたら静かにダウンしていたり、ファーストプレイとさほど変わらない死因も多々である。そんな地獄のような状況の中でも、一行は少しずつ成長してダンジョンでの立ち回りを覚えていくのだ。

新生探検隊、再びダンジョンへ

本作で探検する宇宙ステーションの構成。円の外側からフロア1となり、中心のコアに向けて進んでいく


何度かのトライで、一行は敵の種族に対して有効な武器の属性を使用することで段違いに戦闘が楽になることに気づいた。今回のルートを例に挙げると、フロア1の本部にはボットとブラーと呼ばれる種族の敵が出現するため、電気と光属性の武器を持っていると楽に進行できるのだ。続く自動製造工場は、ボットとブロッブが出現するため、電気と酸属性の武器が有効である。このルートを進む場合、ひとまずは電気属性の武器があるといいだろう。加えて、研究ターミナルで各属性のタレットを設置できるようにし、武器の属性が合わなくて火力が足りないという状況にも備えていく。

プレイを重ねるごとにそれぞれの立ち回り、そして3人での連携にも慣れてきて、最初のフロアである本部は難なく通過できるようになった。そして、シェルダイバーというボスが待ち受ける自動製造工場も、多少クリスタルボットにダメージを追わせつつも攻略していく。攻略にあたって属性を意識するようになったおかげで、敵に押されてジリ貧になるというシチュエーションが少なくなった。


いよいよダンジョンの最奥へ。そして……


そんな立ち回りでダンジョンを進み、自動製造工場の次に選んだ3つ目のフロアである生命孵化装置も攻略に成功。一方で、クリスタルボットの体力もじわじわと削られていた。そんな一行を最後に待ち受けるのがコアである。コアに入ると、パーティにデバフ効果が発生するため、さらなる苦戦を強いられることは必至だ。しかし、ここまでの道のりでフードには余裕があったため、回復アイテムは潤沢。タレットを設置するためのリソースも豊富で、準備は万端だ。

一行はリソースや回復アイテムを減らしつつもコアを進み、いよいよ最後のボスに遭遇する。ところが、ボスからの攻撃の正体がつかめず、一行が蓄えていた回復アイテムもどんどん減って残りわずかに。それでもヒーローとタレットによる攻撃で敵の体力を減らしていき、回復アイテムが尽きた頃、まさにギリギリの状況で見事撃破に成功した。


無事にコアの突破を果たした一行は、エンディングを迎え、エピローグを見ながら感想戦。最後のボス戦で回復アイテムがなくなったときは、全員が「正直終わった」と思っていたようだ。クリアまでに幾度の再トライを重ねて、苦労したからこそ、3人とも今ではなかなか味わえない達成感を得られたのだった。

何度も死んで得た攻略の糸口(攻略メモ)


そんな楽しみつつ苦労を重ねてクリアに至った筆者たち一行。攻略の鍵は、プレイを繰り返すうちに、さまざまな気づきを得ることができたことだろう。これからダンジョン攻略を目指す人に向けて、そのうちのいくつかを紹介したい。

まずはヒーローの構成だ。ヒーローは所持しているスキルのほか、装備できる武器がそれぞれ違っている。筆者たちが使用したヒーローでは、バンカーやスウィーパーがハンドガン系、ゼド、ブレイズ、コムラッドが狩猟ライフルなどのヘビーガン系を装備できる。ハンドガンは連射速度が早めのものが多い代わりにダメージは低めで射程距離も短めな傾向だ。ヘビーガンは、ダメージが高く、射程距離が長めのものが多い。筆者としては、ハンドガンが1人、ヘビーガンが2人の構成に安心感があった。

なお、ダンジョン内のアップグレード施設を利用してヒーローのレベルを上げることで、新しいアップグレードを入手できる。筆者が使用したバンカーのアップグレードには、範囲内の敵のターゲットを集めることができる特性も。クリスタルボットに集まる敵をバンカーで誘導し、その間にほかの味方に攻撃してもらう、といった作戦も可能だ。

筆者が使用したバンカーは、防御向けの性能をもつヒーローだ。


そして先述したとおり、武器には、ダメージや発射レートのほかに、属性が設定されている。属性は無属性のほか、酸、火、電気、光の5種類が存在。そして、ヒーローたちが戦う敵には、それぞれ属性に対する弱点と耐性がある。さらに武器にはレアリティがあり、レアリティが高いほど1発のダメージが高い。高レアリティ・高ダメージかつ適した属性の武器を探すようにしたい。また、武器でカバーできない属性は、研究ターミナルでタレットを用意するといいだろう。

武器はロビーでセルを消費することでMODを装着することが可能。好みの武器を見つけたら装着しておこう。


ちなみに、ダンジョン内ではアップグレードや商人との取引、タレットの設置など、さまざまな行動に各リソースが必要だ。リソースには、サイエンス・インダストリー・フードの3種類があり、これらは扉を開けるごとに初期状態で5ずつ増加するほか、ボックスを開けたりオブジェクトを破壊したりすることで入手できる。また、ダンジョンにあるジェネレーターを使うことで、扉を開けた際のリソース獲得量を1種類だけ増加することも可能だ。リソースはパーティで共有となるため、使う時は報告・相談すると攻略がスムーズになるだろう。


あとは、なるべく無作為に扉を開けないことも意識したい。WAVE時、敵はスポナーから発生し、基本的にはクリスタルボットを狙って進んでくる。そこで、スポナーからクリスタルボットまでのルートをひとつに絞ると、敵の襲撃に対処しやすくなるのだ。扉をすべて開いて、クリスタルボットが待機するスロットまでのルートを複数用意してしまうと、こちらは分散して敵の襲撃ルートを見張る必要がある。つまり、パーティの火力が分散してしまうため、敵を抑え切れない場面が出てくるわけだ。しかしながら、各種リソースや武器の入手のため、開けられる扉は開けていきたいのが悩みどころだ。


もし一緒に遊べる人がいなくても……?


『ENDLESS™ Dungeon』は、経験と知識を積み重ねてクリアをしていく、まさしくイメージしていたローグライトらしいゲームだった。筆者たちは、今回は難易度フレンドリーでのクリアを果たしたので、次はイージーでの攻略を目指していきたいと考えている。上の難易度を目指す以外にも、ヒーローごとのクエストやチャレンジ要素の達成など、まだまだやることは残っている。

ヒーローの強化要素


本作は、気の合う友人とプレイすると楽しいゲームであることは、ここまでに述べたとおり。一方、1人プレイでもダンジョン探索の楽しさを味わえるゲームだ。1人プレイの際には、最大3人のパーティで、操作するヒーローを1人で切り替えてプレイするスタイルとなる。残る2人のヒーローは、操作しているヒーローについてきて自動で武器による攻撃をしてくれる。

スキルなどは、操作するヒーローを切り替えたときにしか使えないため、すべてのヒーローの性能を使い切ろうとすると操作が非常に忙しくなる。しかしながら、本作の肝となるリソースの管理などの点で、自分の考えだけで進めることができるというアドバンテージも。筆者も本稿執筆にあたって、改めて調べ物をしようと1人プレイをしてみたところ、戦略を自分だけで組み立てていくという、マルチプレイとはまた違った楽しみ方ができるという印象を受けた。あいにく一緒に遊べる人がいないという場合でも、本稿を読んで興味をもった人は、ぜひ一度プレイしてみてほしい。

ENDLESS™ Dungeon』は、PC(Steam)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。

Koutaro Sato
Koutaro Sato

何でも遊びますがメトロイドヴァニアとトレハン、ゲーム内の釣りが大好物。クリエイターやプレイヤーの人となりと、彼らが生み出す盛り上がりが大好きです。

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