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『ファイナルファンタジー レゾナンス』先行プレイ感想。懐かしいだけじゃない、新しい未来の可能性を感じさせる1作
本作の体験版を先行してプレイする機会に恵まれたため、現時点で判明している作品の内容を紹介していきたい。

——もしも『ファイナルファンタジー』がドットのまま進化を遂げていたら、という作品コンセプトで話題になっている『ファイナルファンタジー レゾナンス』。このたび本作の体験版を先行してプレイする機会に恵まれたため、現時点で判明している作品の内容を紹介していきたいと思う。なお、記事の内容はあくまで開発中のものであることに留意してほしい。
『ファイナルファンタジー レゾナンス』はスクウェア・エニックスが送る『ファイナルファンタジー』シリーズ最新作。発売日は2026年10月22日(PS5/Xbox Series X|S/XBOX on PC/Nintendo Switch 2/Nintendo switch版)、Steam版は10月23日を予定している。
本作はスマートフォン向けに展開されていた『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(以下、FFBE)』を買い切り型のゲームに作り直した作品となっており、HD-2Dにて描かれたグラフィックスをはじめ、ターン制コマンドバトルの導入など、もしも『ファイナルファンタジー』がドットのまま進化を遂げていたら、という作品コンセプトのもと開発されたゲームになっている。
もしもFFがドットのまま進化を遂げていたら

本作をプレイしてまず目に入るのはHD-2Dによって描かれた、数々の美麗なアートワークである。HD-2Dという技術自体は既に数多くの作品に使われているが、『ファイナルファンタジー』シリーズに用いられるのは初めてのことになる。そして、筆者が思うHD-2Dの面白さには「作品ごとに使い方が違う」という点が挙げられる。HD-2Dは昔ながらの「ドット絵」と最新の「3DCG」を組み合わせた映像表現ではあるが、その組み合わせ方が作品によって違うのだ。
「ドット絵」は複数の色を隣り合わせにすることによる、視覚認識を通じた情報の密度を特徴としており、『ファイナルファンタジー』シリーズの初期作にてプレイが想定されていた、小さい画面と少ない情報量でも豊かな表現が可能になっていた。一方で「3DCG」は空間の余白を活かす、映画のスクリーンのようにハードウェアの画面が横に広がった、現代の表現である。小さい画面に適した方法と、大きな画面に適した方法。両者を組み合わせたものがHD-2Dであり、その組み合わせ方にも多様な表現がある。今回『ファイナルファンタジー レゾナンス』が主だって採用しているのは、シネマティックなカメラワークだ。
本作ではカットシーンにてカメラがギュルン、ギュルンと動きまくる。ズームやパンはもちろん、広い空間を活かした自由自在なカメラワークが、小さくまとまりがちなドットによる絵作りに壮大さをプラス。同時に、花火大会のように弾け、画面中いっぱいに咲き誇る豪奢なエフェクトが合わさることで、昔ながらの「ドット絵」と最新の「3DCG」を組み合わせた、本作ならではの映像美が成立している。「もしもFFがドットのまま進化を遂げていたら」。これが本作のコンセプトではあるが、まるで美化された思い出をそのまま出力したような光景が画面上に広がっている。

また、このコンセプトはゲームプレイの中核となる戦闘システムにおいても一貫している。『ファイナルファンタジー』シリーズの戦闘システムの系譜と言えば、『ファイナルファンタジーIV』におけるATB(アクティブタイムバトルシステム)の導入に端を発する、ターン制コマンド式戦闘の良さとリアルタイムな没入感を融合する試みが有名である。この試みはやがて3Dアクションゲームである『ファイナルファンタジーXVI』にたどり着く。……だが本作の戦闘システムはそれ以前のシリーズや『ファイナルファンタジー タクティクス』で見られた、ターン制を重視する戦闘の系譜にある。シリーズ中でいちばん内容が近いのは『ファイナルファンタジーX』のCTB(カウントタイムバトル)になるだろう。作品コンセプトを鑑みるに、シリーズがアクションゲーム寄りにならなかったら、というイメージを通じて作られた戦闘システムだと思われる。
具体的な内容としては、敵味方の行動順が視覚化されていることを前提に、攻撃によって専用ゲージを削り切ることで、敵の行動順を変化させたり、弱体化させることができる。そのうえで特徴的なのは、キャラクターによって「ゲージを削ることが得意なキャラ」「HPを削ることが得意なキャラ」「支援が得意なキャラ」というように、役割分担がはっきりしていることだ。この仕様を通じて、行動順の調整に明確な戦略性が生まれている。ゲージが削りきれている時にはHP削り担当に行動してほしいし、敵の攻撃直前には支援担当に行動してほしい。敵の大技に関しても予兆が分かるようになっており、防御コマンドも重要である。ただ攻撃と回復を繰り返すだけでは戦闘に勝つことはできない。

ゆえに、戦闘にて重要なことは「パーティメンバーにおける役割の比重」になってくる。その調整をするためのシステムが、歴代シリーズ主人公を装備する「ビジョン」である。キャラクターたちはビジョンを装備することによって、新しく技が使えるようになる。対応するステータスも向上する。これはキャラクターごとに割り当てられた役割を強化するシステム……俗に言う「ジョブシステム」ではあるのだが、本作は装備品扱いになっていることで、自由に付け替えが可能。自分好みのキャラクターを育成することができる。たとえば、HP削り担当のキャラクターに、HP削りを補強する技を持つビジョンを装備することで、役割遂行の能力を底上げしたり、回復担当のキャラクターに防御を補強する技を持つビジョンを装備することで、自己回復とヘイトコントロールを両立するキャラを育成することもできる。
また、歴代シリーズ主人公が最新のドット技術や3Dモデルで描画されているという状態が、シリーズファンからするとたまらなく興奮する(大技の際に彼らが3Dモデルで登場するのは、原作における戦闘演出を踏襲したものだろう)。ビジョンを入手する際には対応するシリーズ作品の簡単な紹介が入るため、思い出に浸るのも良し。購入して遊んでみるのも良し。もちろん、チョコボや飛空艇といったおなじみの要素もHD-2Dにて登場する。本作が単なる懐古に浸るためのリメイク作品ではなく、新規のファンを獲得するためにあるゲームでもある、ということも伝わってくる仕様である。
スマホゲームから買い切りゲームへ

そして、本作が掲げる「進化」というコンセプトはビジュアルや戦闘といったキャッチーな要素に留まらない。本作はもともと、『FFBE』というスマートフォン対応ゲームのサービス展開中に寄せられた「スマホゲーは遊びたくない」「買い切り版なら遊ぶ」という声に応えるプロジェクトを作品開発の始点にしている。つまり、スマートフォンから各種大型ハードウェアへ、媒体が変わっている。小説が映画化されたり、漫画がアニメ化されるようなものだ。
よって、物語体験の表現方法もまた、大きく変わっている。スマートフォンゲームはプレイヤーがプレイ時間を調整できることを特徴としている都合上、プレイのテンポや勢いを重視する必要があり、表現内容が良くも悪くも大味になりがちである。一方、コンシューマ機器に対応しているゲームは、ユーザーの認識に「まとまった時間を確保する必要性」=「ゲームにプレイヤーが合わせる必要性」がある程度生まれるため、時間をかけた緻密な表現が可能になっている。その変化例として分かりやすいのは探索可能な「ワールドマップ」が導入されたこと=旅情感のリアリティが向上していることだろう。
世界全土を簡易的に描写し、渡り歩く「ワールドマップ」というシステムは『ファイナルファンタジー』シリーズがリアルな3Dによる世界描写を重視していく中で採用されなくなっていたシステムではあるが、「FFがドットのまま進化を遂げていたら」という作品コンセプトを通じて復活している。旅や冒険の表現に必要なことは、バラバラな内容のイベント群に物語的な要素を通じて一貫性が付与されることだ。『FFBE』の物語も冒険譚ではあるが、今回ワールドマップが導入され、キャラクターを実際に動かして世界を旅する必要が生まれたことで、道中に出会うサブクエストと本編に自然な繋がりが生まれ、より没入感のある体験が成立しているように思う。

また、本作の興味深い点としては「ランダムエンカウント」を通じた、懐かしいリソース管理の遊びが復活している点も挙げられる。昨今ではゲームプレイにかかる時間をプレイヤーが調整できる「シンボルエンカウント」が主流となった。これに合わせて、回復アイテムをはじめとする戦闘補助アイテムの在庫管理をする必要性も大幅に薄れている。本作ではランダムエンカウントが復活したことに合わせて、アイテムの管理や成長要素の把握による遊びも復活。弊誌に掲載しているインタビューによると、「記憶に残るバトルや探索体験」を演出するために復活させたのだという。確かに、筆者は最近、ザコ戦がレベリング用以上の意味を持たないゲームばかりプレイしていたため、冒険の前に回復アイテムを吟味して、購入することになったのは懐かしくも久しぶりの体験であった。
スマートフォン対応ゲームからコンシューマーゲーム用に調整された物語そのものについては、ぜひご自身でプレイして確かめて欲しい。大筋こそ変わっていないが、先述した映像演出を通じて、より豪華に、精細になっている。この他にも、戦闘の高速化や、ターニングポイントにおけるオートセーブ機能、難易度の調整機能など、現代におけるゲームプレイのやり方に合わせたシステムが備わっており、久しぶりにシリーズへ触れる人でもスムーズにプレイできること請け合いである。
総じて、『ファイナルファンタジー レゾナンス』は単なるリメイクでもなく、単なる懐古作品でもない。時代を創り、時代に翻弄され、常に時代と共にあった『ファイナルファンタジー』シリーズが持つ数ある可能性の1つである。それが新たな時代の萌芽となるのか、製品版の発売を楽しみに待ちたいところだ。
『ファイナルファンタジー レゾナンス』は2026年10月22日(PS5/Xbox Series X|S/XBOX on PC/Switch 2/Switch版)、Steam版は10月23日に発売予定だ。
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