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元素“連鎖爆発”ローグライクSRPG『Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅』では勝つために「親友の命」まで削る。底なしビルドと鬼畜システムの甘い誘惑、デモ版配信中
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パブリッシャーのハリソンワールドは、余烬工作室が手がける『Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅』を配信予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示に対応している。現在デモ版が配信中であり、このたびは大型アップデートが実施された。本稿ではそのデモ版をプレイし、火・水・土・木・雷の5元素を組み合わせる戦略的なバトルと、銀髪の魔女「イリス」と小さなドラゴン「ピピ」が紡ぐ、切ない旅程について紹介していく。
『Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅』は、火・水・土・木・雷の5元素を組み合わせ、地面やオブジェクトまで巻き込む「元素反応」を駆使して戦うターン制ストラテジー・ローグライクだ。プレイヤーは魔女イリスとなり、小さなドラゴンのピピと各地を探索。戦闘で宝物を集めてビルドを組み、危険を感じれば撤退しながら、弱っていくピピの故郷「雷の領域」を目指す。
本作のデモ版を遊んでまず驚かされたのは、敵だけでなく地面やオブジェクトまで巻き込み、元素反応を次々とつなげていく戦闘の奥深さだ。柔らかなビジュアルとは裏腹に、盤面の状況を見ながら一手ずつ考える必要があり、思っていた以上に頭を悩ます。ただ、そんな戦闘以上にプレイ後も頭から離れなかったのは、イリスとピピの関係だった。
後述するように、物語ではピピの身体が少しずつ弱っていく。それでもイリスは親友を救う方法を求めて旅を続けるのだが、いざ戦闘になると、プレイヤーはそのピピの体力を消費して強力なサポート能力を使うことになる。助けたい親友に無理をさせながら戦う構図に、ふと“申し訳なさ”が込み上げてくるのだ。そして、この感情の背景には、幼いころから続いてきたイリスとピピの関係がある。
「最弱の魔女」と、弱っていく親友の旅

本作の舞台となるのは、火・水・土・木・雷という5つの元素が存在する幻想世界だ。人々は古くから元素と共存してきたが、ある日を境に、それまで独立していた元素同士が「元素反応」を起こすようになる。その異変は大陸全土へ広がり、世界そのものを揺るがしていく。
主人公のイリスは、幼いころに両親から捨てられ、その後は「木の領域」の祭司に引き取られた魔女だ。人間の身体をもつため、ほかの魔女たちのように自然と共鳴することができず、「最弱の魔女」と呼ばれていた。そんな彼女の前に現れたのが、小さなドラゴンのピピだった。同じように孤独を抱えていた二人は、幼いころから長い時間をともに過ごしてきた。
しかし、元素反応が激しくなるにつれて、ピピの身体は次第に弱っていく。ピピを救う方法を探すこと。そしてピピが願う、雲の上にある故郷「雷の領域」へ帰ること。二つの目的を抱え、イリスとピピは旅に出ることになる。

作中では、ピピは自分の身体の限界を誰よりも受け入れているように見える。やがて自分がどうなるかを察し、約束を果たして最後は故郷へ帰りたいと願うのだ。一方のイリスは、そんな未来を認めたがらない。ピピの怪我についても、すぐに治るものだと自分自身に言い聞かせるように語る。幼いころからそばにいた親友が別れを覚悟し、自分だけが抗い続けている構図は胸に迫るものがある。
もっとも、物語が終始しんみりしているわけではない。途中では突然告白してきた剣士をイリスが勢いよく弾き飛ばすといったコミカルな場面も挟まれる。イリスの過去を取り巻く謎も残されており、二人は最後まで一緒にいられるのか、旅を通じてイリス自身の運命がどう動いていくのか、先が気になる導入となっている。
5つの元素が連鎖する、“盤面総動員”バトル

そんな二人が挑む戦闘は、マス目状のフィールドで展開される、ターン制ストラテジーバトルだ。イリスの基本的な行動は「移動」と「元素魔法の発動」とシンプルだが、いざ戦いが始まると考えるべき情報が一気に押し寄せてくる。
本作のフィールドには、元素が設定された地面やオブジェクトが存在し、そこへ別の元素魔法をぶつけることで「元素反応」が発生する。反応は対象によって「地面反応」と「オブジェクト反応」に分かれており、地面反応では特殊な地形やバフを持つオブジェクトが生成されるなど、組み合わせによってさまざまな変化が起こる。敵だけを狙うのではなく、周囲の地面やオブジェクトまで利用して戦況を組み立てていく仕組みだ。

たとえば、雷元素をもつ石へ火魔法を当てると「雷炎爆発」が起こり、周囲の敵へまとめてダメージを与えられる。敵が固まっているなら、直接魔法を撃ち込むよりオブジェクトを利用したほうが効率よく削れるわけだ。さらに、火と土の反応で出現する「罠の精霊」は、敵が踏むと爆発して状態異常を付与。対象が死亡するとイリスがシールドを獲得し、罠が消えたあとの地面は木の元素へと変化する。つまり、一度反応を起こして終わりではなく、罠を置いて敵を倒し、その結果生まれた木の元素の地面を次の反応へ利用する、といった具合に盤面が次々と塗り替えられていくのである。
敵側にも近接攻撃や遠距離攻撃、範囲攻撃、強化や弱体化など異なる行動が用意されている。カーソルを合わせれば、敵の攻撃範囲や移動範囲を確認できるため、「この範囲へ入らないように動こう」「先に厄介な敵を倒して安全地帯を作ろう」といった先読みが可能だ。加えて、敵のいるエリアへ足を踏み入れた際、戦闘開始前に一度だけ魔法を発動できる仕様もある。最初の一撃を直接敵に叩き込むか、地面やオブジェクトへ当てて有利な環境を仕込んでおくか。毎ターン、敵の行動と盤面の元素を睨みながら最適解を探す詰将棋のような手触りは、知恵熱が出そうなほどの遊び応えがある。
助けたい親友の体力を削る、悩ましき「祝福」

戦闘をさらに悩ましくしているのが、同行するピピの存在だ。ピピは戦闘中、一時的なシールドの付与など、イリスを助ける3種類の「祝福」を発動できる。しかし、祝福を使うたびにピピ自身の体力が消費されてしまう。体力が低下するとピピは「疲労」状態になり、0以下になれば気絶。気絶から復帰したあとは「衰弱」が付与され、以降すべての祝福の体力コストが増加するペナルティまで課せられる。
ここで、どうしても物語の背景が頭をよぎる。ただでさえピピは弱っており、彼を救うために旅をしているはずだ。それなのに、強敵に囲まれて戦況が苦しくなると「あと一回だけ」と親友の力にすがりたくなってしまう。あくまで、ゲームのリソース管理としての判断ではあるが、ストーリーを知っているからこそ、画面端でピピの体力が減っていく表示を見るたびにチクリと心が痛む。守りたい相手の体力を削って切り抜けるか、イリス一人の力で乗り越えるか。元素反応とは別の次元で、重い決断を迫られるのだ。
200種類以上の「宝物」で広がる元素ビルド

こうした元素反応を軸とする戦闘に、さらに変化を加えるのが「宝物(パッシブアイテム)」である。冒険を進めるなかで、3つの候補から宝物を獲得し、ビルドを構築していくローグライク要素だ。宝物にはC、B、A、Sの4段階のレアリティがあり、上位になるほど強力かつ希少となる。宝物は200種類以上存在。所持数そのものには制限がない一方、同時に効果を発揮できるのは最大15個までとなっている。
効果は、単純な能力上昇だけではない。たとえばAランク宝物「大爆発」は、火×雷のオブジェクト反応によるダメージを55%増加させる。さらにBランク宝物「爆能の変換」を組み合わせると、同じ反応を起こした際に周囲の地面が水の元素へ変化。爆発で敵を巻き込んだ直後、その水の元素を利用してさらに別の元素反応を狙えるようになる。
宝物が増えると、「今回は火と雷を中心に戦ってみよう」と自然に方針が決まり始める。もちろん、毎回きれいな連鎖を組めるわけではない。筆者の場合、火の元素魔法を連打して序盤の敵を押し切ることもあった。それでも条件が噛み合い、爆発や元素反応が次々と連鎖した瞬間は格別だ。じっくり盤面を考える戦略性と、一度動き出せば敵をまとめて吹き飛ばす派手さが同居しており、つい別の組み合わせも試したくなった。
「赤い霧」の先へ進むか、宝物を持ち帰るか

本作では、小さく区切られたエリアを順番に突破しながら探索を進めていく。道中にはメインルートとは別に、「赤い霧」に包まれた危険なルートも存在するが、倒れると集めた宝物をロストしてしまう。そこで頼りになるのが「撤退ポーション」だ。戦闘中に使用すると、宝物を持ったまま「始まりの地」へ撤退できる。ただし、撤退ポーションのランクによっては使用後3ターンを生き延びる必要があり、使えば即座に安全というわけではない。宝物を抱えて先へ進むか、余力のあるうちに撤退するか。探索が進むほど、目の前の報酬とロストの怖さを天秤にかける場面が増えていくわけだ。
道中ではランダムイベントも発生する。筆者が遭遇した「枯れた生命樹」では、火元素スキルの行動力消費を5減らす「枯葉の祝福」と、戦闘開始時に一時的なシールドを10得る「枯木の土壌」、そして何もせず「離れる」という選択肢が提示された。危険なルートに挑むかどうか、撤退ポーションをどのように用いるか、ランダムイベントで何を選ぶか。戦闘以外でもさまざまな決断が必要となり、遊ぶたびにアプローチも変化することだろう。

無事に拠点へ戻れば、今度は次の探索に向けた準備の時間だ。持ち帰った素材を使ってポーションを錬金し、作物を栽培して資源を育てる。苦労して手に入れた宝物についても、そのまま持ち歩く必要はない。魔女の部屋にある「アイテムボックス」へ預けておけば、次の探索で倒れてもロストを防ぐことができる。
戦い方そのものを広げる要素も用意されている。拠点ではゴールドを使って元素魔法を解放でき、計10種類から装備する魔法を選択可能。冒険中にさまざまな条件を達成すれば「称号」も手に入り、こちらも装備して旅へ持ち出せる。この「探索・帰還・強化」のサイクルはテンポが良く、探索するたびに次の戦い方が見えてくる点も、本作を繰り返し遊びたくなった理由のひとつである。
魔女とドラゴン、二人が紡ぐ元素の物語

そうした冒険を彩るのが、柔らかな線と鮮やかな色使いで描かれたビジュアルだ。イリスやピピだけでなく、フィールドや植物、モンスター、UIまで独特のタッチで統一されている。開発元によれば、本作のビジュアルはすべて手描きで制作されているという。
そして本作自体も、小さなチームから始まった作品だ。本作の開発を手がける余烬工作室の二人が出会ったのは大学時代。二人は、学生時代からゲーム業界に憧れ、「いつか一緒に自分たちのゲームを作ろう」と話していたという。卒業後、その夢を形にするためチームを立ち上げ、1年以上をかけて現在の『Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅』へと育ててきたそうだ。

今回デモ版を遊んで印象に残ったのは、奥深い元素反応のシステムだけにとどまらない。敵の行動範囲を見極めて魔法を放ち、火と雷の連鎖爆発を巻き起こし、宝物の効果で塗り替わった地面から次の手を組み立てる。危険エリアで欲と理性を天秤にかけ、追い詰められればピピの祝福にすがる。そうした一手ごとの緻密な駆け引きの傍らには、物語の中で少しずつ弱っていく親友ピピの存在が常にあった。
世界を揺るがす元素反応の謎を追う冒険でありながら、その中心にあるのは、イリスが大切な友達を故郷へ連れていくという、ささやかで切実な願いである。だからこそ筆者には、戦闘中に減っていくピピの体力さえ、単なるリソースとは思えなかった。強力な祝福を使いたい。それでも、できるだけ無理はさせたくない。そんな迷いまで抱えながら旅を続けていると、やがて気になってくるのは攻略の先に待つ二人の未来だ。ピピの願いは叶うのか。二人は別れる運命にあるのか、それとも別の結末が待っているのか。製品版で描かれる二人の旅路に注目したい。
なお本作は9月17日より開催、9月19日~21日に一般公開される東京ゲームショウ2026(TGS2026)のインディーゲームコーナーHall9-C54にて出展予定。TGS用のデモ版も用意されているので、興味のある人は足を運ぶといいだろう。
『Hope of Elements ー 魔女とドラゴンの旅』はPC(Steam)向けに配信予定。現在はデモ版が配信中だ。
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