Take-TwoのCEOが「閉鎖していない」と言っていたスタジオ2社、ひっそりとダブル閉鎖。所属レーベルも売却

Take-Two Interactiveは11月7日、2025会計年度第2四半期の決算発表をおこなった。この中では、同社のレーベル「Private Division」が売却されたことが明かされている。

Take-Two Interactiveは11月7日、2025会計年度第2四半期の決算発表をおこなった。この中では、同社のレーベル「Private Division」が売却されたことが明かされている。また同レーベルの傘下にあったIntercept GamesおよびRoll7が閉鎖されたことも明らかになった。両スタジオはかねてより閉鎖の可能性が報じられていた。

Private Divisionは、2017年に創設されたレーベルだ。主にインディースタジオ作品のパブリッシングを担当。これまでには、Obsidian Entertainmentが手がけ2019年10月に発売された宇宙RPG『アウター・ワールド(The Outer Worlds)』などを輩出。また直近ではMoon Studiosが手がけ今年4月に早期アクセス配信開始された『ノー レスト フォー ザ ウィケッド(No Rest for the Wicked)』をパブリッシングしていた。


Take-Two Interactiveは、そんなPrivate Divisionを手放すという。同社の2025会計年度第2四半期の決算発表においては、同レーベル売却の理由として、長期的な成長を見据えて中核事業とモバイル事業に集中する方針があると説明されている。買い手は実質的にPrivate Divisionが手がけている現行タイトル、および未発売のタイトルのすべての権利を購入したとのこと。なお売却先については明かされておらず、今後発表される見込みとのこと。また先述した『ノー レスト フォー ザ ウィケッド』については、Take-Two Interactiveがサポートを継続するそうだ。


「閉鎖していない」発言

そして海外メディアGamesIndustry.bizが報じるところによると、Private Division傘下にあったIntercept GamesおよびRoll7が、同レーベルの売却前に閉鎖されていたことが確認されたという。このうちIntercept Gamesは、人気宇宙開発シムの続編となる『Kerbal Space Program 2』の開発元として2020年に設立されたスタジオだ。同作は2023年2月より早期アクセス配信が実施されている。

またRoll7は、2008年に設立された英国・ロンドンに拠点を置くスタジオ。さまざまなタイトルを手がけるなか、スケボーアクションゲーム『OlliOlli』にて大きな人気を獲得。2021年にPrivate Divisionに買収されたのち、『OlliOlli』シリーズ最新作となる『OlliOlli World』や、ローラースケート・アクションシューティングゲーム『Rollerdrome』をリリースし、共に高い評価を得ていた。

Intercept GamesおよびRoll7については、コスト削減計画の一環からか、今年5月時点で閉鎖される可能性がBloombergにより報じられていた。そして5月17日におこなわれたTake-Two Interactiveの2024会計年度の業績発表において、米IGNが同社に対して両スタジオの閉鎖計画について質問。するとCEOのStrauss Zelnick氏が、「はっきりとさせておくが、我々はこれらのスタジオを閉鎖したわけではない(We didn’t shutter those studios, to be clear)」と回答したという(関連記事1関連記事2)。

『OlliOlli World』


“矛盾発言”ではないものの

しかし、今回GamesIndustry.bizがTake-Two Interactiveの広報担当者のコメントとして伝えるところによると、Private Divisionの売却前にIntercept GamesおよびRoll7は閉鎖済みであったそうだ。先述のZelnick氏による「閉鎖していない」といった発言と矛盾するようにも見える。

ただ先述のBloombergの報道においては、Intercept Gameが閉鎖される可能性についての根拠のひとつとして、米国・ワシントン州の雇用対策局が公開したレイオフ情報が挙げられていた。このなかで同スタジオが6月28日に閉鎖予定であると記載。Roll7については、同スタジオの閉鎖を提案するスタッフ宛の内部通知の存在が報じられていた。そのため、少なくとも5月17日におこなわれた業績発表でのZelnick氏の発言は、同日時点で「スタジオを閉鎖していなかった」ということかもしれない。

ただしこの際にはIntercept GamesもRoll7も存続するとは明言されておらず、両スタジオの行く末には注目が集まっていた。結果として、報じられたように5月時点で閉鎖の計画や可能性はあったようで、ひっそりと両スタジオは閉鎖に至ったとみられる。

なお先述した『Kerbal Space Program 2』は、人気作の続編とあって多くのプレイヤーを集めたものの、開発途上ということもあり評価が伸び悩んでいた。5月にIntercept Gamesの閉鎖の可能性が示された後には、「このまま開発が中止されるのではないか」といった懸念も噴出していた(関連記事)。

『Kerbal Space Program 2』

そうしたなかでPrivate Divisionは『Kerbal Space Program 2』の開発継続を表明していたものの、今回Intercept Gamesの閉鎖が明らかになったうえ、Private Divisionも売却。先述のとおり売却先に同レーベル作品の権利はすべて移管されたことが伝えられており、新たな開発元がどうなるのかも含めて今後の動向は注目される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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