Take-Two傘下の『Kerbal Space Program 2』および『OlliOlli』シリーズ開発元、それぞれ閉鎖予定との報道。コスト削減計画の一環か

 

大手パブリッシャーTake-Two Interactiveの傘下にあるデベロッパーIntercept GamesとRoll7が、閉鎖される可能性があるようだ。同社のレイオフ計画の一環であるとして、海外メディアBloombergが報じている。


Take-Two Interactiveは、Rockstar Gamesや2K、Private Divisionなどを傘下にもつ大手パブリッシャー。そのPrivate Divisionが、アメリカ・シアトルに2020年に設立したのがIntercept Gamesである。Take-Two Interactiveは、2017年に宇宙開発シミュレーションゲーム『Kerbal Space Program』のIPを買収。その後続編開発に取り組み、Uber Entertainmentを前身とするStar Theoryが開発を担当していたが、専門のスタジオとして新たにIntercept Gamesを設立したのだ。そして『Kerbal Space Program 2』は、2023年2月より早期アクセス配信が実施されている。

一方のRoll7は、イギリス・ロンドンに拠点を置くスタジオ。2008年に設立され、さまざまなタイトルを手がけるなか、スケボーアクションゲーム『OlliOlli』にて大きな人気を獲得した。そして2021年にPrivate Divisionにより買収。その後、『OlliOlli』シリーズ最新作となる『OlliOlli World』や、ローラースケート・アクションシューティングゲーム『Rollerdrome』をリリースし、共に高い評価を得ている。

『Kerbal Space Program 2』
『OlliOlli World』

今回Bloombergは、米ワシントン州の雇用対策局によって公開されたレイオフ情報およびスタジオの内部情報をもとに、Intercept Gamesが閉鎖されると報じている。Take-Two Interactiveは4月29日、同州シアトルにあるオフィスを6月28日に閉鎖し、70名のスタッフがその影響を受けると雇用対策局に報告。そうした場所や規模からIntercept Gamesのことではないかと推測され、また実際に閉鎖予定であるとする内部情報を掴んだとのこと。一方Roll7の閉鎖については、スタッフに送付された通知を入手したとして報じられている。

Take-Two Interactiveは今年4月、全従業員の5%の削減や、複数のプロジェクトの開発中止などを含むコスト削減計画を、米国証券取引委員会に報告している。今回報じられた2つのスタジオ閉鎖は、この計画の一環であると考えられるが、Bloombergからの問い合わせを受けた同社のコミュニケーション担当バイスプレジデントAlan Lewis氏は、事実関係を含め詳細を伏せたとのこと。

現時点では、Intercept GamesとRoll7が閉鎖されるとの公式発表はない。今回報じたBloombergのJason Schreier氏は、ゲーム業界内の労働問題などの報道において実績ある人物であるが、本件については今のところ事実かどうかはっきりしない状況だといえる。


ただ、仮に報道が事実だとすると、特に気になるのはIntercept Gamesが開発中の『Kerbal Space Program 2』の行方だろう。同作はいまもPC(Steam/Epic Gamesストア)向けに早期アクセス配信中。まだ開発途上で評価も伸び悩んでいるものの、人気作の続編とあって多くのプレイヤーを集めている。今回の報道を受けてSteam版のユーザーレビューには、「Intercept Gamesが閉鎖され本作の開発が放棄される」といった趣旨の不評レビューが殺到しており、ユーザーは不安に駆られているようだ。

なお前出のAlan Lewis氏は、Private Divisionは今後も『Kerbal Space Program 2』向けにアップデートの提供を続けるとコメント(Game Developer)。その開発をIntercept Gamesが担当するのかどうかには言及されなかったが、現時点で同作の開発を放棄する考えがないことを明言している。