株式会社ポケモンは9月13日、ゲームアプリ『口袋妖怪:复刻』(別名『口袋之旅』)の運営者らに対して2021年12月3日に提起していた知的財産権の侵害訴訟について勝訴したと発表した。
『口袋妖怪:复刻』は、中国にてiOS/Android向けに配信されていたゲームアプリだ。『ポケットモンスター』シリーズからのアートワークをそのまま流用したようなイラストがゲーム内でいくつも見られたほか、戦闘システムも酷似していたようだ。
また同作にはそのままのデザインのポケモンのほか、見た目にアレンジが加えられた“ポケモン”や、オリジナルのモンスターも登場していた。このほか『口袋妖怪:复刻』のアプリストア内ではサトシやピカチュウ、ミジュマルやポカブの姿も見られるキーアートも使用されており、大胆な『ポケモン』IPの盗用がおこなわれていたようだ。
なお同アプリはリリース1年後となる2016年には総売上高3億元(約60億円)を記録していたと伝えられている。月間売上は3000万元(約6億円)を超える月もあったそうだ。株式会社ポケモンは同アプリの運営元を含む中国企業6社に対し、著作権侵害などを理由とする訴訟を提起したことが過去には報じられており、今回そのうちひとつの訴訟で勝訴を収めたかたち(関連記事)。
株式会社ポケモンの報告によると、広東省深圳市中級人民法院において7月12日、『口袋妖怪:复刻』の運営に関わる3社に対してビデオゲーム『ポケットモンスター』シリーズの著作権の侵害行為及び不正競争防止法の違反行為が認定されたとのこと。广州麦驰网络科技有限公司には損害賠償金1億700万元(約23億4000万円・2024年7月12日時点のレート)の支払い命令が下されたという。また深圳市阿斯卡德信息技术有限公司、深圳市值尚互动科技有限公司および霍尔果斯方驰网络科技有限公司には、損害賠償金の一部の連帯賠償責任の負担を命じる判決が下されたと伝えられている。
なお損害賠償を命じられた广州麦驰网络科技有限公司および霍尔果斯方驰网络科技有限公司は、控訴を提起しているという。また前述のとおり株式会社ポケモンは中国国内で『口袋妖怪:复刻』以外の著作権侵害をおこなった会社に対しても訴訟を提起しているとみられ、それぞれ今後の裁判の動向は注目される。