「ゲーム史上もっとも恐ろしい地獄」を目指す。サバイバルホラー『Agony』のKickstarterキャンペーンが開始

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記憶を失った魂として地獄をさまよう一人称視点サバイバルホラー『Agony』がKickstarterでのクラウドファンディングを開始した。目標資金額は悪魔のナンバーをもじった6万6666ドル。対象プラットフォームはPC(Windows)およびPlayStation 4/Xbox Oneを予定しており、2017年中旬に発売予定だ。

『Agony』の開発を担当しているのは2016年に設立されたばかりのMadmind Studio。2015年にはスタジオ設立者のTomasz Dutkiewicz氏が『Sacred Agony』という別のタイトル名でKickstarterでのクラウドファンディングを実施したが、途中でキャンセルされた。その後、Dutkiewicz氏はMadmind Studioを立ち上げ、今年の5月に『Sacred Agony』を『Agony』と名を改めて再発表。8月に開催されたゲームイベントのgamescom 2016を経て話題となっていった。パブリッシャーにはPlayWay S. A.がついている。

※閲覧注意。動画内にはグロテスクな表現あり

とにかく上記のゲームプレイ動画を見ていただきたい。壁をつたう触手、忍び寄る奇形の悪魔、地獄に落ちた人間たちのうめき声、猟奇的なオブジェ、骸の山、赤く染まった炎の海、心臓を締め付けるような音楽。これだ、こういう地獄を待っていた。古くは詩人ダンテが肉付けした地獄のイメージをそのまま具現化するのではなく、Madmind Studioは異端かつオリジナリティを追求した新しい地獄像を生み出そうとしている。Unreal Engine 4がその手助けをしており、美しくも死を連想させるマカブラ風味の地獄絵図が、次々とプレイヤーの網膜に焼き付けられる。『Agony』は身震いするような恐怖を誘い出すため、網膜からプレイヤーの心の奥底へと潜り込み、死と苦痛への恐れを引っ張り出してくれるだろう。

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これまでに公開されてきたゲームプレイ動画では、「走る」「かがむ」「息を止める」「松明を振る/投げる」といったアクションが確認できる。悪魔の視界に入らないよう息をひそめるステルス行動と、アイテムを使ったパズル要素が合わさり、受動的ではなく能動的な恐怖体験を味わわせてくれそうだ。道中では隠されたノート、手紙、ペインティングを集めていくことで物語の謎を紐解いていく。

プレイヤーが置かれた終わりなき「Agony(苦痛)」から逃れるためには、「赤い女神」を探し出さなければならない。彼女のもとへと辿り着くまでには険しい道のりが待っているが、プレイヤーには地獄をさまよう人間や悪魔にとりつく能力が与えられている。まず基本的にプレイヤーは人間の姿をした「Martyr(殉職者、苦難を受ける者)」として行動する。敵につかまり死亡した際は魂が身体から抜け出し、「Eternal Soul(不滅の魂)」として次の肉体を求めて浮遊することになる。「Demon(悪魔)」は特別な力を持っており、彼らに乗り移ることで他の悪魔たちを葬り、隠された道を探し出すことができる。

女型の悪魔からは『サイレントヒル』シリーズのナースのようなエロチズムを感じとれるのは筆者だけであろうか
女型の悪魔からは『サイレントヒル』シリーズのナースのようなエロチズムを感じとれるのは筆者だけであろうか

開発を担当しているMadmind Studioには『The Witcher 3: Wild Hunt』『Tom Clancy’s The Division』などのトリプルA級タイトルに携わったメンバーが在籍しており、規模の大きいゲーム開発に対応するだけの経験値がある。本作のような意欲作を開発する上で、経験豊富なベテランが揃っていることは心強いだろう。

『Agony』のKickstarterキャンペーンでは初期目標の資金額が66万ドルに設定されている。ストレッチゴールとしては、85万ドルを達成することで「Agony Mode」が追加される予定となっている。「Agony Mode」では、プレイヤーが悪魔に見つかり命を奪われるまで無限に続く自動生成の地獄に挑むことができる。そして125万ドルに達すればVRバージョンの『Agony』が開発される予定となっている。地獄の中を360度見渡しながら移動できるのは魅力的だろう。リリース予定の2017年中旬まで時間が空くため、気になる方は発売時に通知されるよう『Agony』のSteamページからウィッシュリストへ追加しておこう。

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