海外で過熱するe-Sports投資の裏で、後を絶たない八百長やマネーロンダリング疑惑

BBCの報道によると、イギリスを本拠地とするe-Sports組織「Team Dignitas」の『League of Legends』(以下、LoL)チーム売却値段が50万ドルにも達しているという。ほかにも様々な話題があり過熱するe-Sports投資。しかし一方では、マネーロンダリングの温床となっているのではないかという指摘もある。

 

プロチームと億万長者たち

Team Dignitasは北米とヨーロッパに一つずつ、計二つのLoLチームを抱えており、北米チームは「Team Dignitas」として既にプロリーグであるNA LCSに参加している。一方ヨーロッパのチーム「Team Dignitas EU」はアマチュアチームであり、EU LCSへの登竜門「EU Challenger Series」に参加していた。Team Dignitas EUは、2015年の夏季Challenger Seriesを勝ち抜きプレイオフに進出し優勝を決め、晴れて2016年のEU LCSに参加することとなった。

しかし、NA/EU LCS共通の規約には「同一組織はLCSに2チーム以上を参加させることはできない」と明記されており、Team Dignitas EUのLCS昇格が決まった時点で、北米・ヨーロッパいずれかのチームが売却されると目されていた。BBCの取材に対し、チームマネージャーのMichael O’Dell氏は「売却先も売却チームも未定だが、複数の億万長者たちがチームの購入に名乗りを上げている」と答えている。

 

続々とLoLシーンへの参入予定を明かすe-Sports組織たち

今月に入り、ウクライナに拠点を置くe-Sports組織「Natus Vincere(Na’Vi)」は、LoLチームの設立を予定していると明かした。Challenger Seriesへの参入を目指していることを発表し、実現すれば3年ぶりのシーン復帰となることから話題となった。

 

さらに、フランスのe-Sports組織「against All authority(aAa)」もLoLの新チーム結成を発表。EU Challenger Seriesを戦い抜きEU LCSを目指すとのこと。EU LCSへの参加が決まれば、2年ぶりにLoL競技シーンに帰ってくることとなる。

こうしたLoLシーンの過熱ぶりは、一般的にもLoLの注目度が上がっており、スポンサー等を含む多額の収益を見込んだものと思われる。

 

Virtues.Proが1億ドルもの投資を受ける

先週掲載されたRed Bull eSportsの記事によれば、ロシアの富豪が経営する会社が、ロシアのe-Sports組織「Vitrues.Pro」に1億ドルもの投資を行ったという。Virtues.Proは『Dota2』や『Counter-Strike: Global Offensive』といったメジャータイトルのe-Sportsチームを抱える組織。投資を受けてLCSチームを獲得するのではないかという推測もある一方で、マネーロンダリングを意図した投資ではないかという見方もe-Sportsコミュニティ内にはあるようだ。

 

e-Sportsと犯罪

ここ数年で起こったe-Sports関係の事件としては、2012年7月にロシアのe-Sports組織「Moscow Five」の当時のオーナーが、ハッカーネットワークを運営して少なくとも1600万件のクレジットカード番号を盗み、数百万ドルの損害を与えたとしてFBIに逮捕されている。この結果、当時Moscow Five傘下にあったe-Sportsチームは移籍や解散を余儀なくされた。

また2014年3月には、韓国のLoLプロチーム「ahq e-Sports Club Korea」の選手が、2013年に韓国で行われた大会「2013 OGN Champions Spring」での八百長をコーチに強要されたことを告白し、のちに自殺未遂を起こした。つい先日には、『StarCraft 2』韓国プロシーンでの八百長事件も報道されている。

巨額の資金が動くことでマネーロンダリングの中継地点となったり、大会の結果を賭博に利用するための八百長が行われたりといった犯罪が散見される。e-Sports産業は急激な成長を見せているが、チームの運営資金や大会賞金が巨額になっていくにつれ、それを利用しようとする犯罪組織の動きも活発になっているようだ。大会運営企業や各国のe-Sports協会は当局と連携し、e-Sportsを犯罪から遠ざけるよう努力しているが、その努力が終わる日はおそらく来ないだろう。

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