Global Sites
Valveのゲーム開発者が“データマイナーを煽るメッセージ”をこっそり『Dota 2』のデータに仕込む。読まれるの先読み、「なんで読んでるの?」
Valveが手がける『Dota 2』のアップデート後に、ゲームデータに奇妙な変数が追加されたとのユーザー報告が話題になっている。

Valveが手がける『Dota 2』のアップデート後に、ゲームデータに奇妙な変数が追加されたとのユーザー報告が話題になっている。データマイニングを試みるユーザーがいることを見越したかのような、皮肉なコーディングがおこなわれているという。
『Dota 2』は基本プレイ無料のMOBA(マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ)ゲームだ。プレイヤーは5対5のチームに分かれ、敵の本陣の破壊を目標にヒーローと呼ばれるキャラクターを操作して戦いをおこなう。執筆時点では127体実装されている多彩なヒーローが魅力であり、Steam上では最大同時接続プレイヤー数約130万人を誇る人気ゲームの一つだ(SteamDB)。

今回、そんな『Dota 2』のアップデート後に奇妙な変数の追加が確認できたとValveのゲーム情報をさまざま発信するインフルエンサーのgabefollower氏が報告している。同氏によると今回、『Dota 2』のゲームデータに「m_bHackWhyAreYouGuysReadingOurVariableNames」という変数が追加されたとのこと。日本語に訳すならば、「君たち、なぜ我々の変数名を読んでいるんだ?」といった意味になるだろう。開発者ではない第三者にデータマイニングされることを見越したかのようなメッセージであり、注目を浴びている。
『Dota 2』自体も人気作ながら、わざわざこのような変数が追加された背景には『Half-Life』ファンの存在も影響しているのではないか、との推察も広まっている。というのも、『Half-Life』シリーズの新作を求めるユーザーはとても多く、少しでも続編を感じられる情報が発見されるたびにたびたび大きな盛り上がりを見せているからだ。過去には第1作『Half-Life』の舞台となった、ブラック・メサ(Black Mesa)研究所にちなんだ「Black Mesa」という企業の公式サイトが発見された時に一騒動となった。この際には公式に無関係であるという発表のあとも実際はValveと通じているのではないかという陰謀論めいた考察が発生するなど、妄想じみた憶測も一部コミュニティでは定番となっていた(関連記事)。

このように日々血眼になって小さな情報も拾おうと人々が動く中、Valveのほかの作品のゲームデータにも目を光らせているデータマイナーは存在するようだ。今回の変数の追加はそうしたユーザーに対して、皮肉を交えて牽制する狙いもあるのかもしれない。
データマイニング行為に対する対応は各社さまざまで、『Escape From Tarkov』を手がけるBattlestate Gamesはデータマイニングは不正侵入であるとし、関与した場合にはアカウントをBAN処分にする方針を表明(関連記事)。対して『Apex Legends』を手がけるRespawn Entertainmentはコード内に「トップシークレット情報はこちら」と求人サイトへ誘導するリンクを記載し、情報がほしければ自ら就職するしかないとデータマイナーたちを煽るような仕込みをしていた(関連記事)。
データマイニングによる情報解析は開発元にとっては公式発表の新鮮さが失われたり、隠し要素が早々に判明してしまうことでゲームの寿命が縮まったりなどの悪影響が考えられる。またそもそもデータマイニング由来の情報をもとに、仮置きの変数や未実装要素などが実現可能性が高い要素であるかのように広まる事例も少なくない。そのため厳格な対応やデータの暗号化などの対応が行われている傍らで、上述したように見られることを見越した対応をとる開発チームもいるわけだろう。完全な抑止は難しいと考え、そもそも見られて困るような重要なデータを分析されないように対策していることをデータマイナーに向けて明示する狙いもあるのかもしれない。いずれにせよ、“Half-Life 3”をはじめとする未発表の情報は、データマイニングではなく公式発表を待つのがよいだろう。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


