『Apex Legends』にて“データマイナーを煽る”隠しデータが埋め込まれる。求人サイトへ誘導

 

Respawn Entertainmentは8月9日、『Apex Legends』にてシーズン18「リザレクション」を開幕した。一方、アップデート時のデータを解析した人物が「データマイナーを煽るようなコード」を発見したことを報告し、注目を集めている。


ゲームにおいては、データが解析されるいわゆるデータマイニングがおこなわれ、さまざまな情報が公式発表前に不正に公開されることがある。『Apex Legends』もそうした行為のターゲットになりがちなタイトルのひとつ。同作では日本時間8月9日よりシーズン18「リザレクション」が開幕しており、開幕にあわせてアップデートが実施された。

本作のコンテンツ紹介やデータマイニングをおこなうKralRindo氏は、シーズン18のアップデート後のデータ内に一風変わったコードを発見したことを紹介。データマイナーを煽るような内容が記載されていたことが注目を集めている。

https://twitter.com/kralrindo/status/1689311723176538112


KralRindo氏が紹介した画像には解析されたゲームデータのコードと見られる文章が記載。コードには「HI_DATAMINERS(やあ、データマイナーたち)」と記されており、開発者はデータマイナーが解析するのを見越してこのコードを仕込んでいたようだ。コードの続きには「トップシークレットのデータはここだよ」と記され、URLに矢印が伸びている。記載されているのは本作開発元Respawn Entertainmentの求人ページのURL。トップシークレットを知るためには開発元に就職するしかない、といった意図かもしれない。

いずれにせよ、データを解析されるのを見越してデータマイナーを煽るような文章が仕込まれていたという報告があったのは興味深い。本作ではこれまで、KralRindo氏を含む複数のデータマイナーにより、さまざまな内部データが明かされてきた。中には解析されたスクリプトをもとに、実装前の要素が不正にゲーム内で動作する様子が紹介されるような場合もあった。

開発チームとしては、公式発表前に勝手に情報が公開される状況を見過ごせなかったのだろう。KralRindo氏は上記の投稿に先だって、今シーズンからデータファイルの仕様が変更されており、実装前の要素のスクリプトを入手できずゲーム内への不正導入も困難になったことを報告。さらに開発元はデータの取り扱いに慎重になっており、そもそもデータマイニングから得られる情報はあまりなくなっているそうだ。上記の“データマイナー煽り”にも、データマイナーに釘をさす狙いがあるのかもしれない。なお一連の対策によって、KralRindo氏は今回のアップデートではデータマイニングに時間を要したそうで、『Apex Legends』のデータマイニングは終焉に向かっているといった見解を述べている。

https://twitter.com/kralrindo/status/1689147251573022720


昨今では、人気作品においては特にデータマイニングを受けやすい傾向にある。データ解析によって今後実装が検討されているコンテンツが勝手に明かされたり、隠し要素が発売早々にコミュニティ内に共有されてしまったりと、データマイニングによる影響はさまざまだ。開発元にとっては、公式発表時の情報の新鮮さが失われたり、ゲームの寿命が縮まったりといった悪影響が考えられる。

そうしたなかでRespawn Entertainmentはデータマイニング対策と共に、データの解析がおこなわれることを見越した“メッセージ”を仕込んでいたことが報告されたかたちだ。ちなみに類似例として、先月発売のソウルライクTPS『レムナント2』においては、データマイニングなしでは解けない謎が用意され、開発者もそれを認めたことが注目された(関連記事)。最近では、データマイナーの存在を織り込んだコンテンツの準備がおこなわれる例も見られるわけだ。今後も開発元とデータマイナーとの戦い、あるいはデータマイナーを利用した施策は各社で続いていくことだろう。