勢いを増すゲームエンジン「Godot Engine」にv4.7アプデ到来。「アセットストア」ベータ版実装など、新機能いろいろ

Godot Foundationは6月18日、ゲームエンジン「Godot Engine」のv4.7アップデートを配信開始した。

ゲームエンジン「Godot Engine」(以下、Godot)を管理するGodot Foundationは6月18日、Godotのv4.7アップデートを配信開始した。今回の更新では、同エンジン向けのアセットストアのベータ版が開設されたほか、HDR出力への対応といった機能が追加されている。

Godotは、PC/モバイル/Web向けゲームおよびアプリを制作できる2D/3Dゲームエンジンだ。オープンソースとして提供され、完全無料で利用可能。開発にかかるコストは寄付によって賄われている。公式サイトのほかSteam/Epic Gamesストア/itch.ioなどで配布されているPC版に加えて、Androidで利用可能なモバイル版も用意されている。

本エンジンは、近年急激にシェアを伸ばしていることで注目を集めている。その大きなきっかけとなったのが、Unityによるゲームのインストール数に基づいた従量課金制度「Runtime Fee」の発表だ。この制度は後に撤回されたが、当時、Unityで開発されていたデッキ構築ローグライク『Slay the Spire 2』をはじめ反発した開発者らがGodotへと流れるといった事態が発生した。また直近では、『Road to Vostok』が開発途中でUnityからGodotへと乗り換えている(関連記事)。

そんな本エンジンに今回v4.7アップデートが実施。本アップデートで利用可能となったのが、ゲーム制作に使用できる専用のアセットストアだ。Godotには、これまでもアセットライブラリ「AssetLib」が実装されており、シェーダーやスケルトンといったアセットをダウンロードすることができた。今回のアセットストアは、そのAssetLibの“拡張版”にあたり、アセットのプレビュー画像にズームイン可能になったほか、アセットのユーザー評価が確認できるようになるなど、利便性が大きく向上している。

本稿執筆時点のアセットストアは、ベータ版ということで無料アセットの公開のみが許可されている。Godot Foundationによると、正式リリースに向けて段階的にアップデートを実施する予定で、ドラッグ&ドロップ機能やモバイル端末向けのページなどを実装する計画であるという。将来的には、有料アセット販売の許可や、Steamユーザーレビューのようなシステムも実装予定とのこと。

そのほかにも、「Global Addons」と呼ばれるシステムの導入も計画されている。これはプラグインの導入をグローバル化して、適用したいプラグインをGodot全体にインストールし、各プロジェクトで利用できるようにする機能だ。現在、Godotではプラグインを使用する場合、各プロジェクトに個別でインストールする必要がある。Global Addonsが実現すれば、初期設定の手間が簡略化されるだろう。ちなみにAssetLibについては、将来的にアセットストアへと置き換えられる予定。ライブラリの削除などは実施されないものの、使用は非推奨とされ、サポートは最小限に抑えられるそうだ。

Godotは現在、大きな成長を続けているゲームエンジンではあるものの、課題も抱えている。その一つがアセットライブラリの規模の小ささだ。特に、UnityやUnreal Engineと比較するとその差は顕著で、大規模開発向けワークフローにおける自動化も限定された範囲に留まっている。これらの課題はGodot側も認識しており、弊誌が実施したインタビューでも言及があった(該当記事)。アセットストアの開設は、こういった問題に対応するための取り組みの一つと言えるだろう。

なおGodotではv4.7アップデートによって、HDRでの出力が可能になった。HDRとはハイダイナミックレンジの略称で、対応することで通常のSDR出力と比較して、より幅広い明るさや色彩表現が可能になる。Godotは以前より内部的にはHDRライティングに対応していたが、今回の更新で出力にも対応したかたちだ。

また3Dエディタには、新しいベクトル測定ツールなども導入されている。そのほかのv4.7アップデートの詳細については、Godot Foundationの告知ページを確認してほしい。

Godot Engineは公式サイトSteam/Epic Gamesストアから無料でダウンロード可能 だ。またAndroid向けエディタはGoogle Playストアでも配信されている。

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Satofumi Inoue
Satofumi Inoue

大作洋ゲーから、インディーゲーム、VR系まで幅広く遊ぶ雑食派。いろいろ遊びすぎて一つのタイトルに使える時間が減り気味なのが悩み

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