クラファンサイト「うぶごえ」からお金が届かなかった美少女ゲーム『パーガトリー・ブルー』、必ず完成した作品を届けると約束。開発も止めていない

開発元は改めて必ずゲームを完成させる旨を宣言。制作は止めておらず、リリースに向けて進んでいるようだ。

合同会社ネオンライト(ENDLESS SUMMER Studio)は5月15日、『パーガトリー・ブルー』の最新情報を公開した。クラウドファンディングにて集まった資金が、「うぶごえ」側から支払われない状況に変化はないという。一方で、改めて必ずゲームを完成させる旨を宣言。制作は止めておらず、リリースに向けて進んでいるようだ。

『パーガトリー・ブルー』は、主人公だけに見える少女を救おうとする、選択と決断の近未来美少女SFノベルゲームである。同作の舞台は、東京湾で未知のエネルギーが見つかり、日本がエネルギー大国となった未来。主人公の相馬璃人は、次世代型スマートシティでのインターンシップに参加し、新しい日常をスタートさせようとしていた。そんなある日、彼は疎遠になっていた幼馴染の少女・夢丘杏音と再会。アイドル活動を休止中の彼女は、なぜか主人公以外の人間に認識されなくなっていた。ヒロインとしては、璃人の高校時代の先輩にして自称スーパー美少女のCGアートクリエイター・左右田春奈も登場。近未来 × 美少女 × 謎による、碧に囚われたひと夏の記憶が繰り広げられる。プレイ時間は約15時間程度で、フルボイスの演出が搭載。2026年に完成予定とされている。

同作は、cittan*(田中文久)氏が代表を務めるインディーゲームスタジオENDLESS SUMMER Studioが手がけている。同氏はサウンド制作会社スーパースィープに約11年間所属し、ゲームの楽曲制作や効果音制作などを手がけてきたクリエイター。美少女ゲーム関連では、『LAMUNATION!-ラムネーション!-』の楽曲「N.O.S」や、同人ゲーム『カタネガイ』の音楽も制作してきた。そんな同氏は、思春期から影響を受けてきたという美少女ゲームカルチャーへの恩返しも込めて、2023年頃から美少女ゲームの制作をスタート。2024年には『パーガトリー・ブルー』を発表し、リリースへ向けて開発が進められてきた。

そんな同作では、2025年7月から「うぶごえ」にてクラウドファンディングを実施。2025年9月までのキャンペーン期間中に、485名の支援者より目標金額700万円の156%にあたる1093万5092円が集まった。

しかしその後、クラウドファンディングを実施し支援金を代理受領している「うぶごえ」から、一切の送金がおこなわれていないのだという。もともと2025年11月末に入金予定となっていたが支払われず、うぶごえ側が入金予定とした12月や2月などにも振込はおこなわれなかったそうだ。合同会社ネオンライトの説明によると、当初入金予定日であった2025年11月30日から約5か月が経過しているにもかかわらず、「うぶごえ」から支援金を受け取れていないわけだ。

うぶごえでの同様の問題は、イシイジロウ氏によるプロジェクト『シブヤスクランブルストーリーズ』においても発生。4月15日からはうぶごえのサイトそのものも閲覧できない状態となっている(関連記事)。

合同会社ネオンライトは、事態を受けて2026年1月に弁護士へ依頼。2026年2月からは、うぶごえ代表の岡田一男氏が業務上横領をおこなったものとして、渋谷警察署にて刑事告訴の手続きを行い、同署刑事課知能犯捜査係で銀行口座の照会などを開始しているという。さらにうぶごえと岡田氏に対する民事訴訟についても、今後の推移を踏まえて判断するとしている。なおうぶごえにはアクセスできないものの、支援者のデータなどについてはCSVで管理しているため、リターンの送付などは問題なく完遂可能。活動報告の場所については、専用のDiscordサーバーに移行する計画を準備しているという。

今回ネオンライトの公開した動画では、そんなクラウドファンディングの状況や経緯について改めて説明された。先日の発表から、「うぶごえ」側から送金がおこなわれていない状況については、変化はないようだ。一方で『パーガトリー・ブルー』の制作は、止めていないのだという。支援金が届かなかったため、外部のクリエイターへの業務委託は一時停止せざるを得なかったものの、cittan*氏を含めた内部の開発は進んでおり、共通ルートのシナリオは大半が完了。『パーガトリーブルー』はSFを題材に、人の弱さと強さを描く物語であるとして、その作品を書く人間が自分の弱さも強さも引き受けずに、誰かを描けるとは思っていない、と説明。そのため淡々と前に進み続けると語った。動画やポストで、改めて完成に向けて制作を続けていることを告知したかたちだろう。

また同氏は、支援金こそ届いていないものの、クラウドファンディングで約束していたリターンは必ず届けると約束している。外部クリエイターへの業務委託を再開するためにも、各所の協力を得ながら資金繰りの立て直しがおこなわれているそうだ。

なおcittan*氏は『パーガトリー・ブルー』制作のため、クラウドファンディング実施までに会社員時代の貯金とNISAをすべて崩しており、支援金によって投じた資金の一部を回収する計画だったとのこと。そのため、ネオンライトは音楽の収入とFANBOXでの支援によってギリギリ会社を回しながら、制作を続けている状況であるそうだ。制作とプロデュースに全力投入するため、外部の仕事についても断っていたのだという。窮地を乗り越え、無事に完成することを祈りたい。

パーガトリー・ブルー』はPC(Steam)などへのリリースに向けて開発中。また体験版も公開中となっている。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

記事本文: 3362