『ロリポップチェーンソー リポップ』は、結局「リマスター」なのか「リメイク」なのか。ドラガミゲームスに本作の立ち位置を訊いた

Lollipop Chainsaw RePOP(ロリポップチェーンソー リポップ)』は、結局「リマスター」なのか「リメイク」なのか。ドラガミゲームスに本作の立ち位置を訊いてみた。その内容をお届けする。

※ The English version of this article is available here

ドラガミゲームスが現在開発中のアクションゲーム『Lollipop Chainsaw RePOP(ロリポップチェーンソー リポップ)』について、同社代表取締役社長の安田善巳氏は10月13日、本作のゲームデザインを“RemakeからRemasterに変更”したとSNS上でコメント。今回弊誌では、安田氏に発言の意図についてうかがった。

本作は、2012年にPS3/Xbox 360向けに発売されたアクションゲーム『ロリポップチェーンソー』を現代に蘇らせる作品だ。ゾンビハンターの末裔である主人公ジュリエットが、アメリカ西海岸にあるハイスクールを舞台に、ゾンビになってしまった同級生たちと戦う。ジュリエットはチェーンソーを武器とし、チアで培った軽快なアクションと、豪快なチェーンソー攻撃の数々でゾンビを蹴散らしていく。


安田善巳氏はオリジナル版にてプロデューサーとチーフディレクターを務め、『Lollipop Chainsaw RePOP』(以下、『RePOP』)においてはプロデューサーを担当している人物。同氏は、X(旧Twitter)上にて本作に関する情報を時折発信しており、10月13日には「私たちは皆さんの要望を踏まえRePOPのゲームデザインをRemakeからRemasterに変更しました…!!!」とコメントした。

もともと本作は『ロリポップチェーンソー』のリメイク版として企画されたものの、ファンの声を受けてリマスター版へと舵を切ったとも受け取れる。ただ、“リメイク”と“リマスター”という言葉はメーカーや作品によって定義がさまざまで、本作において具体的にどう変わるのかはっきりしない。そこで弊誌は安田氏に、今回の発言の意味するところをお聞きした。

――X(旧Twitter)にて、『RePOP』のゲームデザインについてリメイクからリマスターに変更するとのメッセージが出されましたが、具体的にはどのような変更があったのでしょうか。

安田善巳氏(以下、安田氏):
我々は『RePOP』のゲームデザインについて、まだその全容をお話ししていませんが、仕様に関するうわさや憶測にファンの皆様が一喜一憂する状況が生まれています。これは、私がリメイクやリマスターという曖昧な言葉で表現し、具体的な内容をお話ししてこなかったことに原因があります。本件につきましては、ファンの皆様に謝罪しますとともに、リメイクやリマスターという言葉を使ったゲーム内容の表現は撤回いたします。

さて今回ですが、『RePOP』のシナリオや脚本については前作のものをそのまま実装することを決定しました。これまでシナリオについても聖域なく検討をおこなってきましたが、変更や追加はおこないません。これは、前作のシナリオの評価が高いことやファンの皆様からの要望に応えることがその理由です。一方、『RePOP』はゲームとしての魅力を高めるため、「改修」や「新規要素の実装」をおこないます。

――メッセージでは「皆さんの要望を踏まえ」と言及されておられますが、これまでファンの皆さんからはどのような要望が寄せられていますか。

安田氏:
昨年7月に『RePOP』の開発開始を発表した際に、何の説明も付け加えずリメイクという言葉を使い、前作のファンの皆様を不安にさせてしまいました。その後、ドラガミゲームスの問い合わせメールやSNSに、ファンの皆様より数千件もの質問や要望事項が寄せられました。ユーザーの皆様の要望事項の大半が、「世界観やシナリオ、脚本を変えないでほしい」「Uncensored(規制なし)にしてほしい」というものでした。

我々は、海外の評価機関のレビューをベースに議論を重ね、ファンの皆様の要望も考慮し、シナリオや脚本については仕様の変更をおこなわないことを決定しました。また、「Uncensored(規制なし)」については、ファンの皆様の希望を真摯に受けとめ、実現に向けできる限りの努力をします。


――本作のゲームとしての魅力を高めるための改修項目としては、どのようなことをお考えですか。

安田氏:
我々の問題意識が高いのはバトルです。バトルについては、チェーンソーバトルのもっさり感を一掃するスピードの変化や、チアアタックとチェーンソーアタックを組み合わせたコンボの入力受付タイミングの改善、カメラアクティビティーの向上など、現行機のアクションゲームユーザーが楽しんでいただけるものに改修したいと思います。

私は、前作でチーフディレクターを務めていましたので、前作の問題点を掌握しており、『RePOP』の開発を通じて前作の課題を解決するつもりです。また、バトル以外の改修についても、解像度やフレームレートの向上、読み込み時間の短縮など、さまざまな項目に取り組んでいます。

――もうひとつ挙げられた「新規要素の実装」については、バトルにおいても期待できますか。

安田氏:
チェーンソーの付け替え機能やコンボとは別軸の連撃システムなど、ゲームとしての魅力を高める新規要素を厳選して実装するつもりです。いずれ詳細を説明しますので、お待ちください。

――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

安田氏:
『RePOP』は、前作の評価の高い仕様についてはそのまま実装し、前作で評価の低い仕様やユーザーの皆様より改善要望があった項目は改修し、厳選した新規仕様を加える「王道を歩む」ことで、現行機でもたくさんのユーザーに愛される作品を目指したいと思います。

これからは、週に1回程度のペースになりますが、Xで継続要素・改修項目・新規要素を定期的に説明してまいります。ファンの皆様からのメッセージはすべて目を通していますので、ぜひ、ご意見やご要望をお聞かせください。これからも『RePOP』の応援をよろしくお願いいたします。


ということで、『Lollipop Chainsaw RePOP』は、リメイクとリマスターの中間的な立ち位置のようである。『Lollipop Chainsaw RePOP』は、2024年夏に発売予定だ。対応プラットフォームは未定。今後安田氏は、本作のより詳しい情報をSNSで発信していくとのことで、興味のある方は同氏のXアカウントをフォローしておこう。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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