ドット絵オープンワールドRPG『Hammerwatch II』Steamで好調スタート。一方で、マルチプレイのデータ仕様には賛否あり

 

パブリッシャーのModus Gamesは8月16日、見下ろし視点のアクションRPG『Hammerwatch II』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。Steamではさっそく同時接続プレイヤー数3500人を超える好調なスタートを切っている一方で、課題点も指摘されているようだ。


『Hammerwatch II』は見下ろし視点のアクションRPGだ。本作の舞台となるHerian王国は、ドラゴンの軍隊を率いる悪漢によって崩壊させられた王国だ。本作においてプレイヤーは、下水道の奥深くに潜んでいた王国抵抗軍の生き残りとなる。プレイヤーは王国を救う最後の希望として残された国民たちを助けながら、ドラゴン軍を討伐すべく冒険へと繰り出していく。


本作を手がけるのはスウェーデン・ストックホルムのインディーデベロッパーCrackshell。2013年8月13日にリリースされた見下ろし視点探索アクションゲーム『Hammerwatch』の続編タイトルである。前作から10年の時を経て今回ナンバリング続編のリリースを迎えたことになる。美麗なドット絵のグラフィックが特徴的であり、今作では探索するフィールドがオープンワールドとなった。

キャンペーンモードではソロプレイのほか、最大3人でのオンラインマルチプレイが可能。プレイヤーの分身となるキャラクター作成では、パラディン・レンジャー・ウィザードなど、固有のスキルをもった5種類の職業から選択して冒険へと向かう。道中では国民を助けるクエストが発生するほか、新たなキャラクター強化要素として武器・防具が加えられている。これに合わせてインベントリ・UIも刷新されており、前作に比べ協力プレイが初めての人でもより参加しやすくなる調整が加えられたと言えるだろう。
そんな本作はSteamでのリリース以降、一時は3500人以上の同時接続プレイヤー数を記録しており好調なスタートを切っている(SteamDB)。オープンワールドとなったことで、壮大な冒険が楽しめるようになった点は好評。ピクセル表現なども洗練されており、『Hammerwatch』らしさを引き継ぎつつ、冒険のスケールをより大きくした点がおおむね受け入れられている。

その一方Steamユーザーレビューでは、本稿執筆時点で232件中68%の好評により「賛否両論」のステータスを記録。不評とするユーザーの多くは、マルチプレイにおけるキャラクターデータのセーブ仕様を問題視する内容を投稿している。


これは、各プレイヤーが作成したキャラクターデータが、ホストとなったプレイヤー側に作成されるセーブデータと紐づいてしまうことで生じる問題への批判だ。これはすなわち、育成を進めたお気に入りのキャラクターが、別のマルチプレイを開始した時には使用できなくなることを意味している(TRPGやボードゲームにおける“セッション”と同様に、開始当時の参加メンバー間でしか進行が共有できない状況)。これと同じ要因で、仮にゲストとして参加していたゲームを一時中断した場合、同じセーブデータを再開する際には、ホストとなったプレイヤーが必ずゲームに参加している必要があるといった問題も指摘されている。


同時接続ユーザー数においては好調なスタートを切りつつも、Steamユーザーレビューが「賛否両論」となった経緯にはこのような事情があったようだ。いずれにせよ、ユーザーから望まれている変更については、デベロッパーによる今後のアップデートに期待したい。

『Hammerwatch II』はPC(Steam)向けに配信中。リリース記念セールとして8月23日まで10%オフの3189円で購入可能だ。また、本作と同時に配信されたオリジナル版10周年記念リマスター版『Hammerwatch Anniversary Edition』も2801円にて販売中だ。