任天堂、海賊版ゲーム配布をめぐる控訴審でふたたび勝訴。「違法アップロードを放置していた」サービス運営元に賠償金支払い命令また下る

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フランス・パリの控訴院にて、ファイルホスティングサービス1fichierを運営するDstorageに対し、任天堂への損害賠償金の支払いが命じられた。同サービス上では、任天堂作品の海賊版のファイルがアップロード・共有されており、そのことを巡って任天堂が裁判を起こしていた。海外メディアGamesIndustry.bizが報じている。

今回問題となったファイルホスティングサービス1fichierにおいては、海賊版ゲームの共有に利用されるということだけでなく、運営元Dstorageがそうしたファイルの削除要請に非協力的であったことで、業界内ではかねてより問題視されていたという。アメリカのゲーム業界団体ESAの2020年時点での報告によると、メーカーによる削除要請に対して実際に削除対応がなされたのは、わずか0.12%だったとのこと(TorrentFreak)。


そうした状況を受けて、任天堂が2021年にDstorageを相手取りフランス・パリにて提訴。司法裁判所は任天堂側の訴えを認め、Dstorageに対して損害賠償金95万5500ユーロ(約1億3800万円・現在のレート)の支払いを命じた。そして今回、控訴院での審理がおこなわれ、任天堂側の勝訴がふたたび言い渡された。結果的にDstorageは、損害賠償金44万2750ユーロ(約6500万円)および裁判費用2万5000ユーロ(約370万円)を、任天堂に支払うこととなった。Dstorageが今後上訴するのかどうかは、現時点では不明。

今回の判決を受けて任天堂は海外メディアGamesIndustry.bizに対し、控訴院の判断を歓迎するとのコメントを発表した。また一連の裁判を通じて、ファイルホスティングサービスに海賊版コンテンツの削除要請をおこなう場合に、事前に裁判所の判断を仰ぐ必要はないとの判断が示された点にも言及。これまでDstorageが主張し、削除を拒む根拠としていた手続きが不要であるとされ、任天堂はゲーム業界全体にとっても重要な判断になったとした。

任天堂はこれまでにも、海賊版ゲームを配布するウェブサイトの運営者に対して裁判を起こし、たびたび勝利してきた。今回はファイルホスティングサービスを相手取っての訴訟でありやや状況は異なるが、またも勝訴。少なくともフランス国内では、運営者は海賊版コンテンツの削除あるいはアクセスの遮断に応じなければならないとの、法的な判断が示されることとなった。

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