地図開発プラットフォーム「Mapbox」、『信長の野望 出陣』地図データに採用される。強みは自由自在な地図描画

 

マップボックス・ジャパン合同会社(以下、マップボックス社)は4月3日、同社の提供する「Mapbox」が、コーエーテクモゲームスによる『信長の野望 出陣』の地図データに採用されたことを発表した。


『信長の野望 出陣』は、3月30日にコーエーテクモゲームスによって発表された、iOS/Android向けに配信予定の位置情報ゲームだ。実際に歩くことで、現実の日本地図に基づいたゲーム内世界を探索する。探索では、国力を強化するための資源などが獲得可能。より多く歩くことで国を発展させ、合戦での勝利を目指していく。

この同作に、「Mapbox」が活用されている。本サービスは、マップボックス社によって提供されている地図開発プラットフォームだ。Yahoo! JAPANの提供する地図など、主要サービスへの採用実績がある。今回本サービスが、『信長の野望』シリーズ初となる位置情報ゲームへ採用されるかたちとなった。

「Mapbox」が特徴とするのは、自由自在な地図描画だ。本サービスには地図のカラーリングやフォントの種類などが多く、自由自在にデザインすることができるという。このため、ゲームの世界設定に沿った地図を実現することができる。『信長の野望 出陣』のプレイ画像を見ると、お城や日本家屋など戦国時代の風景が反映されている。戦国時代の世界観を、現代世界を歩くことで体験できるのだ。


また本サービスでは、ゲームプレイに適した場所であるかを判断するデータセットを提供。これによって交通量の多い道路や立ち入り禁止区域を判別し、適切なプレイエリアを容易に指定できるという。同作に対しては、さらに細かく調整する支援をおこなったとのこと。
以上において『信長の野望 出陣』では、「Mapbox」が戦国時代のイメージ創出や、安全なゲーム設計に貢献しそうである。

ところで、ほかの位置情報ゲームの例として『ポケモンGO』の地図データには、OpenStreetMapが用いられている。OpenStreetMapは、ユーザーの編集によって作成される世界地図プロジェクト。各ユーザーがデータを編集し、誰でも自由に使うことができるのである。無料且つ、膨大なデータの蓄積があるためにゲーム制作に活用しやすいわけだ。ただ、ユーザーの手による編集のためにOpenStreetMapにはトラブルもしばしば。地図データの入力ミスによって、ゲーム内に異常なデータが反映されてしまうこともあった。

地図データのゲームへの活用に関して、企業による地図情報サービスか、オープンソースを用いるかは一長一短ということだろう。今後、ほかの位置情報ゲームがどのような地図データを採用するかは、関心の向く点の一つとなるだろう。

『信長の野望 出陣』はiOS/Android向けに、基本プレイ無料(アイテム課金形式)で配信予定だ。