無料マルチFPS『Wolfenstein: Enemy Territory』にて“約19年越し”に新公式サーバーが立つ。今でも楽しいお祭りFPS


id Softwareは現地時間9月7日、無料FPS『Wolfenstein: Enemy Territory』(以下、Wolf: ET)向けに専用公式マルチプレイサーバーを提供開始したことを発表した。本作リリースから約19年ぶりに、新たなサーバーが展開されたかたちだ。

『Wolf: ET』はSplash Damageが開発を担当し、2003年にActivision(現Activision Blizzard)からリリースされたFPSゲームだ。本作は『Return to Castle Wolfenstein』の拡張コンテンツとして開発されていたものの、方針を転換して無料にて単独配信。当時のFPSプレイヤーたちの間で高い人気を獲得した作品だ。

内容としては、プレイヤーたちは連合軍(Allies)もしくは枢軸軍(Axis)チームに参加。マップごとに異なる目的の達成あるいは阻止を目指して、多人数での死闘を繰り広げることになる。本作には複数のクラスが存在し、概ね強力な兵器を扱えるSoldierや、味方を回復し継戦能力の要となるMedicのほか、工作を司る重要クラスEngineer・補給や砲撃の要となるField Ops・偵察や撹乱をこなすCovert Opsといったクラスが存在。それぞれの強みを活かして役割をこなしつつも、お祭り騒ぎのような戦闘が繰り広げられるハイテンポなゲームプレイが魅力となっている。


本作の人気は2003年のリリース当時から現在まで根強い。リリース後にはオープンソース化もなされており、現代向け最適化を含むコミュニティ主導によるクライアント「ET: Legacy」などが現在も継続的にメンテナンスされている。また今年4月には、『Wolf: ET』公式クライアントが突如としてSteamに登場。懐かしのゲーム登場が話題を呼ぶ一幕もあった。

そんな本作に向けて、今回新たな4つの公式サーバーが提供開始された。アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・イギリスの4地域向けであり、残念ながら日本含むアジア圏向けのサーバーは含まれていない。なお、サーバーの設定としてはModやカスタムマップを含まない、いわゆる「Vanilla(バニラ)」状態となっているとのこと。最大プレイヤー数は16人(8対8)で、フレンドリーファイアはONだ。サーバー名は、いずれも「id Software Official Vanilla Server」に地域名がつくかたちとなる。詳細は公式発表ページを参照してほしい。


リリースから長い時を経て、にわかにリバイバルの気配を見せる『Wolf: ET』。今回id Softwareから公式サーバーが提供されたのは、まだまだ本作を愛し遊び続けるコミュニティへのアンサーのような雰囲気も感じる。今回は公式日本向けサーバーの追加はなかったものの、日本国内プレイヤーが集うコミュニティサーバーも依然としてホスティングされている。マルチプレイ環境は今でも整っているため、興味のある方は一度触れてみるとよいだろう。

『Wolfenstein: Enemy Territory』はPC(Steam/Microsoft Store)向けに無料で配信中。なお、前述の「ET: Legacy」クライアント利用時には、今回公式サーバー接続の際にひと工夫が必要となることを、筆者環境にて確認している。具体的にはファイル「mp_bin.pk3」を、公式クライアントの「etmain」フォルダから、「ET: Legacy」の同フォルダに移すことで接続できた。