任天堂、『白猫プロジェクト』をめぐるコロプラに対する損害賠償請求金を“およそ倍”に増額。約100億円にまで跳ね上がる
コロプラは4月21日、IR情報ページに「当社に対する損害賠償請求訴訟の提訴額変更に関するお知らせ」と題した告知を掲載。任天堂より請求されている損害賠償請求金額が、既存の49億5000万円から96億9900万円に増額されたと発表した。損害賠償請求金額が増額され、ついに100億円に及ぶ規模となっている。
任天堂は2018年1月10日、コロプラを相手に特許権侵害に関する訴訟を起こしていた。「特許権侵害に基づく損害賠償請求」と、「特許権侵害に基づくアプリ『白猫プロジェクト』の生産、使用、電気通信回線を通じた提供等の差止」請求。具体的には、『白猫プロジェクト』の差し止めと44億円の損害賠償、遅延損害金を求めていた。
『白猫プロジェクト』においては、ぷにコンと呼ばれるバーチャルパッドが実装されており、このバーチャルパッドを使ってゲームを進行させる。画面をタップすることで通常攻撃を繰り出すことができ、連続してタップすることでコンボが発動する。また、SPを消費することでアクションスキルが発動可能。アクションスキルは画面を長押しつつ、指定方向にフリップし、指を離すことで発動する。こうした操作などが特許侵害に該当すると、任天堂は主張している。
コロプラと任天堂の裁判はすでに3年以上続いており、口頭弁論や弁論準備手続が重ねられてきた。コロプラは裁判の傍らで、昨年2月に『白猫プロジェクト』の操作の変更を決断。任天堂の指摘箇所に関連すると思われる「指を離すと発動」系のスキルが全面的に廃止されていた(関連記事)。その後はコロプラタイトルにおいて、ぷにコンの仕様に準じた操作体系は採用されていない。
2018年1月に訴訟が起こされた時点での損害賠償請求金額は44億円であった。係争が長引いていることにより今年2月には5億5000万円増額され、請求金額は49億円5000万円に。そしてこのたび倍となる96億9900万円へと跳ね上がった。コロプラは今回の増額に際しても「当社は、当社のゲームが任天堂の特許権を侵害する事実は一切無いものと確信しており、その見解の正当性を主張していく方針です」と主張している。長引くコロプラと任天堂の裁判は、どのような結末を迎えるのだろうか。