デッキ構築サイコホラー『Inscryption』2021年Steamにて発売へ。メタゲームの名手が送る、血と生贄の脱出劇

 

インディーゲーム開発者のDaniel Mullins氏は8月11日、デッキ構築ホラー『Inscryption』を正式発表、トレイラーを公開した。発売時期は2021年で、対応プラットフォームはPC/Mac/Linux(Steam)。おってコンソールでのリリースも予定している。

Mullins氏といえば、コード改造を駆使して悪魔のゲームをクリアする『Pony Island』(関連記事)や、さまざまな世界から集った主人公たちから殺人犯を探り当てる『The Hex』など、メタ要素をふんだんに盛り込んだサスペンシックな作風が特徴だ。本作についても「精神を溶かす、ビデオゲームへの自己破壊的なラブレター」との題目が添えられており、一筋縄ではいかない雰囲気が漂う。


Steamページが公開されている本作だが、明かされている情報は多くない。どうやら閉ざされた部屋からの脱出を目指すゲームのようだ。そこではデッキ構築型のカードゲームやローグライク要素が鍵となり、血も滴るサイコホラーが展開されるという。デッキ構築用のカードを入手するには「手術」や「自傷行為」が必要となるとのこと。「レシー」の小屋を探ることで秘密が明かされる概要が述べられている。

トレイラーからは、もう少しゲームのヒントを得ることができそうだ。手持ちのカードとなるのはリスや狼など、森の動物をモチーフとしたもの。カードを場に出すパートと、すごろく状の盤面で駒を進めるパートが存在するようだ。脇に置かれた天秤が優勢・劣勢を示しているらしい。ときには、カードに描かれた動物がプレイヤーに語りかけてくる奇妙な場面も見られる。「シギル(Sigil、紋章/記号)」という概念が重要らしく、シギルによって「空中攻撃できるクリーチャーがいない限り、相手の攻撃を防ぐことができる」「生贄にされたとき、血液3つ分としてカウントされることができる」といった特殊効果がカードに付与されるようだ。しかし何より不気味なのは、カードバトルの相手の姿がまったくの闇に包まれ、光る目だけがこちらを見つめている点だろう。


映像では盤面から離れ、シームレスに室内の探索に移行する場面も確認できる。ダイヤルロックを解いたり宝箱を解錠したりと、脱出ゲームらしいシーンも含まれているようだ。またカードゲームや探索画面のみならず、異質なカットも挿入される。ビデオカメラで撮影されたらしい実写映像やドット絵で描かれた2D画面など、細切れながら明らかに浮いたショットも確認できるのだ。単なるアドベンチャーではなく複数のメディアを横断したストーリーテリングを期待できそうだ。

いまだ謎が多い『Inscryption』は2021年の発売を予定している。対応プラットフォームはPC/Mac/Linux(Steam)で、コンソールでのリリースも検討されているとのことだ。