PS PlusやGame Passなどサブスクへのゲーム提供は“前ほど儲からない”として、Devolverが提供に慎重姿勢。ゲームの価値を重視する

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Devolver Digitalは9月25日、2023年度上期の業績を発表。このなかで、サブスクリプションサービスへのゲームの提供について、今後慎重に判断していく方針を改めて明らかにした。海外メディアPlayStation LifeStyleなどが報じている。

Devolver Digitalというと、パブリッシャーとして数多くのインディーゲームを取り扱うなかで、サブスクリプションサービス向けにも積極的にゲームを提供してきたことで知られる。たとえば現時点では、PS Plusのゲームカタログでは『Inscryption』『Observation』『The Messenger』『My Friend Pedro』などが配信されており、Xbox Game Passでは『Trek to Yomi』『Loop Hero』『Death’s Door』『Shadow Warrior 3』などが配信中。またApple Arcade向けには『Reigns: Beyond』『Bleak Sword』『GRIS+』などを、Netflix向けには『Terra Nil』を提供している。

『Inscryption』

Devolver Digitalは今年8月、主要プラットフォームのサブスクリプションサービスへのゲームの提供は、長期的な成長戦略の一部であると投資家向けに説明。一方で今年に入ってからは、いくつかのサブスクリプションサービス向け契約の提案を拒否していることも明らかにした。そして今回の業績発表にて、この判断の背景を改めて説明している。

同社によると、2021年から2022年にかけてサブスクリプションサービスは力強く成長したが、それ以降は契約における同社の収益が減少に転じており、この流れは2024年にかけて続くと見込んでいるという。そのなかで、プラットフォーム側からのいくつかの契約の提案について拒否しており、今後も拒否することがあるだろうとした。

契約を拒否した理由としては、対象のゲームの価値および2023〜2024年の収益機会を過小評価した提案内容だったことが挙げられている。つまり、提示された契約金額がDevolver Digitalの想定よりも低かったため、受け入れられなかったということだろう。

『Death’s Door』

株式仲介企業GoodbodyのアナリストPatrick O’Donnell氏は今年8月、サブスクリプションサービスにおいてソニーやマイクロソフトから契約メーカーに支払われる金額はかつてほど多くはなくなったとし、Devolver DigitalやtinyBuildといったパブリッシャーがその影響を受けていると指摘(GamesIndustry.biz)。このことから、Devolver Digitalが自らのゲームの価値を大きく見積もったわけではなく、プラットフォーム側から提示される金額自体が減少傾向にあることがうかがえる。

市場調査会社Circana(旧NPD)が今年8月に公開した資料によると、米国のゲーム業界全体での消費は伸びている一方で、サブスクリプションサービスへの消費(加入)は横ばいが続いているという。物価上昇による生活費への影響や、クラウドゲームの普及の遅れ、通常販売されるゲームが好調であることなど複数の要因が考えられるとのこと(GamesIndustry.biz)。これはあくまで米国に限ったデータではあるが、最大市場で頭打ちになっている状況が、先述した契約金額に影響を与える一因となっているのかもしれない。PS PlusやXbox Game Passに関していうと、今年には加入料金の値上げも実施された。

なお、Devolver Digitalはサブスクリプションサービスへのゲームの提供について、長期的な成長戦略の一部に位置付けている。そのため今後サービスから撤退するわけではなく、契約内容をより吟味して提供を続けていくことになるのだろう。見方を変えると、プラットフォーム側にとっては相応の提案をおこなわないと有力タイトルを確保できなくなるともいえそうだ。

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