『ポケットモンスター ソード・シールド』ダイマックスポケモンを追い払うプレイが話題呼ぶ。その名も「アルティメットダイマックスカウンター」

 
Image Credit : Wolfey / 株式会社ポケモン

ポケットモンスター ソード・シールド』の海外コミュニティにて、とある動画が話題を呼んでいる。その動画とは、YouTuberであるWolfeyことWolfe Glick氏がオンライン対戦のダブルにて、自慢のアイデアをもってダイマックスポケモンを追い払うというもの。Wolfey氏が「アルティメットダイマックスカウンター」と題したこのコンボの映像は、コンボのアイデアだけでなく、やたら楽しそうな本人の様子も相まってTwitterやRedditなどSNSにてシェアされている。

それは12月21日のランクバトルのこと。マスターボール級のダブルにてマッチングを待つWolfey氏は、のっけから「完璧なダイマックス対策を考えたんだぜ」と大きく宣言。何やら考えがあるようだ。選出したのはオーロンゲとニンフィア、ルチャブルにシルヴァディ。そして戦闘が始まった。相手の選出はエルフーンにミミッキュ。エルフーンはムーンフォースを撃ち、ミミッキュはダイマックスに。敵が先手をとった形だ。

https://twitter.com/WolfeyGlick/status/1208453752090480640

しかしながら、オーロンゲとニンフィアは単に攻撃するわけではなかった。オーロンゲがミミッキュにトリックをかまし、その後ニンフィアがでんこうせっかを繰り出す。ここまでくると、企みはわかるだろう。ダイマックス化したミミッキュは、だっしゅつボタンが発動され、自慢のオシャボに戻っていった。Wolfey氏と友人は、目論見通りになったことにより大爆笑。楽しげな雰囲気に包まれている。また2戦目においても、ダイマックス化したドリュウズ相手にオーロンゲがトリックを決め、ニンフィアのでんこうせっか発動。だっしゅつボタンを持たされた巨大化したドリュウズが戻っていく。氏は大喜びである。
【UPDATE 2019/12/25 13:00】
ハイパーボイスと記載していたわざを、でんこうせっかに修正

コンボの仕組みはこうだ。変化技ならばすばやさに関係なく先制で出せるようになる特性「いたずらごころ」を持ったオーロンゲに、「だっしゅつボタン」をもたせておく。相手がダイマックス化した後、持ち物を交換する変化わざ「トリック」を先制発動。「トリック」を発動させることにより、ダイマックスしたポケモンに「だっしゅつボタン」をもたせる。「だっしゅつボタン」とは、攻撃わざをうけることで、これを持つポケモンを手持ちに戻す道具。この状態でダイマックスポケモンに攻撃することで、ダイマックスポケモンが手持ちに帰ってしまう。ダイマックスは戦闘に1度だけ使え、ダイマックスの状態で手持ちに戻ると、再びダイマックスすることはできない。つまり、無理やりだっしゅつボタンをもたせて攻撃することで、ダイマックスを無効化するというコンボなわけだ。

※ 先程の映像の長いバージョン

この戦法自体は、だっしゅつボタンの特性を理解していれば、比較的に思いつきやすいものだろう。実際のところ、ポケモンWikiのだっしゅつボタンの項目に、まさしく今回のような使い方が記述されている。個性的でオリジナリティの高い戦法というわけではないのだが、実際に決めるのは難しい。ダイマックスとなるポケモンを読み、的確にトリックせなばならないからだ。すかしてしまい、攻撃を受けると何も持たないオーロンゲという虚無が生まれる。なかなか実現難易度は高い。またWolfey氏がとにかく爆笑していることも相まってか、多くの人々を巻き込んで話題を集めており、該当ツイートは1万5000以上のRTを獲得している。Wolfey氏は『ポケットモンスター』の凄腕プレイヤーであり、Pokemon World Champion 2016年のマスターズの優勝者である。そんな影響力のある人物が、珍プレイを決めたという意味でも笑いを誘っているのかもしれない。

https://twitter.com/hotleetos/status/1208956771684872192

※ 「こうかばつぐん4倍わざの選択」でもなく「おにび」でもなく「ダイマックス返し」でもなく、だっしゅつボタンを選ぶのがひらめきである、というジョーク

この動画は反響が多いようで、同動画に反応する大喜利が寄せられているほか、21日以降だっしゅつボタンを使ってダイマックスポケモンを退出させた動画がやたらと投稿されている。実際の環境でも、見かけることも多くなっているかもしれない。

https://twitter.com/thankumrfish/status/1209218738760716288

興味深いのは、同ツイートは『ポケットモンスター ソード・シールド』を遊んでいないユーザーを巻き込んでいること。『ポケットモンスター ソード・シールド』を含めて、『ポケットモンスター』シリーズは、入りは易しいが奥深さもある。対戦環境は刻一刻と変化し、新たなメタが生み出されている。多くの人々が、理想個体を確保するために、厳選に勤しんでいることだろう。しかしながら、こうしたガチ対戦のルールや風習を理解し、実際に参加することは、初心者にとって決して容易ではない。こうした“内容はよくわからないけれど、なんとなく楽しそうなプレイ動画”は、対戦環境に人を招き入れるヒントになるかもしれない。

https://twitter.com/LukeSkyV/status/1208525691207196672

※ 先日話題となった、ファンコミュニティSmogonでの「ダイマックス禁止」を皮肉る画像も(関連記事

なおWolfey氏は、この「アルティメットダイマックスカウンター」を使った動画を2本あげているが、1戦目はあっさり負けており、2戦目は辛勝している。そのほかの対戦では、そもそもこのコンボを発動させられていない。またその後5戦ほどしたのち戦績が振るわなかったためか、オーロンゲとニンフィアはメンバー入れ替えによってパーティー外となっている(Twitch)。「アルティメットダイマックスカウンター」は決まるとなかなかに面白いが、実用的かどうかについては、また別の話であるようだ。